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あやしい男

「もう食えねえのか? しょうがねぇなぁ、手伝ってやるよ」


「んん、んんんんん!」


「食べすぎて喋れなくなったのか、バカだなぁ! わははは! ほら、こっちによこせ」


「んんんんんんんんんん!」


 口に石を詰められ、涙を流す女。頭から血を流している自分。俺はあの日から毎日のようにこの夢を見ている。


 車の免許を取ったばかりの俺は彼女を連れて飲みに行き、そのまま飲酒運転で山に行って酔った勢いで殺してしまった。未成年飲酒の上、殺人まで犯してしまったんだ。あの時の俺はどうかしていた。あれから酒を一滴も飲まないと決めた。


 それにしても秀司、あいつは俺のことを疑っているようだった。ダウマンが俺なんじゃないかって。だが、俺はダウマンじゃない。むしろ秀司のほうが怪しい。

 あの殺し方を知ってるのは俺とあいつだけだ。俺が違うんだからもうあいつしかいないはずなんだ。だからダウマンの話をされた時は怖くて言葉が出なかった。


 毎日悩んで、頭がパンクしそうだ。自首しようかと何度考えたことか。だが、俺が自首すれば遺体から秀司の指紋も見つかるだろう。


 いやいや、あいつがダウマンならその方がいいに決まってる。何か証拠を見つけて一緒に自首しよう。あいつはかわいい後輩であり俺の唯一無二の親友なんだ。その親友が人の道を外れたことをしているかもしれない。俺が正してやらねば。


 

俺が正してやらねば。 どの口が言うか。

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