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紅蓮荘奇譚  作者: 天城なぎさ
第拾壱話 悪しき夢みし
80/130

第拾壱話 弐

 いつものように、誰もいない視聴覚室で、響希君と(つかさ)君と話す。


「また最近、暇だな」

「依頼がないのは、平和な証拠なんだしさ、僕たちは依頼が来るのを待つしかないよ」


 響希君のいう通り。また最近、依頼がない日が続いている。

 九月から紅蓮荘(ぐれんそう)には、用事はなくても行くようにしているけれど、訪ねてくる妖はいない。


「あのね、二人とも」

「何だ? 依頼か?」

「りんちゃん、何? 依頼?」


 私が言いたいこと、二人には、わかってる!?


「妖じゃなくて、人なんだけどね」

「それは、妖関連なのか?」

「うん。でもまだ、本人から直接聞いたわけじゃないの」


 私は、吾妻(あずま)さんから聞いた話を、二人に話す。


須崎(すざき)さんは、妖を見ることは出来ないけど、妖の放つ気を、感じることが出来るの」

「その前に、吾妻との関係は?」

「えっと、何か聞きたい?」

「吾妻さんと、その須崎さんのこと! どういう関係なの?」


 そこかーい! 

 二人は、須崎さんに会ったことないから、そこに疑問を持ったのかな。


「中学二年生くらいから付き合ってるらしいよ。高校は、別々だけどね。須崎さんは、桃麻(とうま)と同じ高校に通ってるの。しかも同じクラスで、仲良し」

「吾妻さん、彼氏いたの!? えっ、本当なの!?」

「しかも、桃麻氏と同じ高校か……」

「響希も思った? まさか、桃麻氏と同じ高校だとはね」


 んん? えっ? 私の聞き間違いかな?!


「桃麻と、仲良くなったの?」

「なったよ。夏祭りの時に連絡先を交換したんだよ」

「華鈴の、保育園時代の話も聞いたしな」

「えぇ!? 何か言ってた?」

「妖を見つける度に、桃麻氏の後ろに隠れてたってこと。くらいかな」

「それなら良かった」


 そんなことより! 須崎さんのことだよ!

 話が、脱線しちゃってる!


「当人である、吾妻の彼氏から頼まれていないんじゃ、俺たちは動けないな」

「一応、吾妻さんづてに連絡をもらう予定だから、連絡がくるまでは……。ね」

「とりあえず、話がよくわからないから、本人から話を聞きたい」

「桃麻氏にも連絡してみる? 何か聞いてるかもしれないし」

「もし桃麻が聞いていたとしたら、私に連絡が来るはずだし、二人にも相談するんじゃないかな」

「それじゃあ、桃麻氏は聞いてないのか?」

「須崎さんは、桃麻に隠しているんじゃないかな。絶対に私に繋がるし。吾妻さんに話したとしても、隠すと思ったんだよ。吾妻さん、妖を信じていないから」


 それとも。彼女である吾妻さんに、隠し事をしたくなかった。とか。

 とりあえずは、響希君の言う通り。須崎さんに会わなければ、この話の本筋が何も見えない。

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