第拾壱話 弐
いつものように、誰もいない視聴覚室で、響希君と僚君と話す。
「また最近、暇だな」
「依頼がないのは、平和な証拠なんだしさ、僕たちは依頼が来るのを待つしかないよ」
響希君のいう通り。また最近、依頼がない日が続いている。
九月から紅蓮荘には、用事はなくても行くようにしているけれど、訪ねてくる妖はいない。
「あのね、二人とも」
「何だ? 依頼か?」
「りんちゃん、何? 依頼?」
私が言いたいこと、二人には、わかってる!?
「妖じゃなくて、人なんだけどね」
「それは、妖関連なのか?」
「うん。でもまだ、本人から直接聞いたわけじゃないの」
私は、吾妻さんから聞いた話を、二人に話す。
「須崎さんは、妖を見ることは出来ないけど、妖の放つ気を、感じることが出来るの」
「その前に、吾妻との関係は?」
「えっと、何か聞きたい?」
「吾妻さんと、その須崎さんのこと! どういう関係なの?」
そこかーい!
二人は、須崎さんに会ったことないから、そこに疑問を持ったのかな。
「中学二年生くらいから付き合ってるらしいよ。高校は、別々だけどね。須崎さんは、桃麻と同じ高校に通ってるの。しかも同じクラスで、仲良し」
「吾妻さん、彼氏いたの!? えっ、本当なの!?」
「しかも、桃麻氏と同じ高校か……」
「響希も思った? まさか、桃麻氏と同じ高校だとはね」
んん? えっ? 私の聞き間違いかな?!
「桃麻と、仲良くなったの?」
「なったよ。夏祭りの時に連絡先を交換したんだよ」
「華鈴の、保育園時代の話も聞いたしな」
「えぇ!? 何か言ってた?」
「妖を見つける度に、桃麻氏の後ろに隠れてたってこと。くらいかな」
「それなら良かった」
そんなことより! 須崎さんのことだよ!
話が、脱線しちゃってる!
「当人である、吾妻の彼氏から頼まれていないんじゃ、俺たちは動けないな」
「一応、吾妻さんづてに連絡をもらう予定だから、連絡がくるまでは……。ね」
「とりあえず、話がよくわからないから、本人から話を聞きたい」
「桃麻氏にも連絡してみる? 何か聞いてるかもしれないし」
「もし桃麻が聞いていたとしたら、私に連絡が来るはずだし、二人にも相談するんじゃないかな」
「それじゃあ、桃麻氏は聞いてないのか?」
「須崎さんは、桃麻に隠しているんじゃないかな。絶対に私に繋がるし。吾妻さんに話したとしても、隠すと思ったんだよ。吾妻さん、妖を信じていないから」
それとも。彼女である吾妻さんに、隠し事をしたくなかった。とか。
とりあえずは、響希君の言う通り。須崎さんに会わなければ、この話の本筋が何も見えない。




