第玖話 参
「じゃぁな~。また遊びに行くわ! 級長」
「またね~。吾妻さん」
須崎さん吾妻さんカップルと別れ、桃麻とお祭りを楽しむ。
「あ、お好み焼き! 華鈴も食べるか?」
「うん」
「んじゃ、奢りますわ」
「ありがとうございます。桃麻様」
「うむ。苦しゅうない」
だいぶ座れるところがなくなってきた。
とりあえず空いていた休憩スペースに座って、買ってくれたお好み焼きを半分こ。
一口食べるとソースの香ばしい香りが、口の中いっぱいに広がる。
「あはは。桃麻、ここにソースがついてるよ」
「えっ、どこだ? ここか?」
「うん、とれた」
「いや~。華鈴とお祭りデートできる日が来るなんて。生きてて良かったぁ!」
「私も、桃麻とお祭りに来れて嬉しい。今までだと、二人きりで来れなかったもんね」
「ビバ! 高校生! ビバ! 青春!!」
「桃麻、ちょっと、落ち着こう……」
そういえば……。
「射的対決、どっちが勝ったの?」
「そりゃぁ、俺でしたよ。ああ見えて、級長、意外と下手だった」
「そうなの? 須崎さん、桃麻よりできそうなのに」
「なんだと~!!」
「勝利した桃麻に、フラッペ、奢ります」
「おお! 俺の大好きなやつ~! ありがとうございます。華鈴様」
フラッペの屋台は混んでいて、買うのに時間がかかってしまった。
桃麻は、青リンゴ味が大好き。
私の分も買って、一緒に飲みながら散策。
賑わうお祭り会場。
人々に交じって妖の姿が見えることに、やっぱり不審感を抱く。
「どうした? 華鈴」
桃麻の言葉に我に返る。
妖に気をとられて、桃麻との会話が成り立たない。
「ちょっと……」
「妖怪か?」
「うん。やけに多いから、気になって……」
「りんちゃーん!」
「おい、待て。僚!」
またもや聞き慣れた声が。
「あ、響希君と僚君だ」
「あー。あの時の。妖怪が見える人たちだっけ」
響希君と僚君の姿を確認できたのは、かなり近くに来てから。
「デート中にごめんなさい。でも、りんちゃんの姿が見えたもので……」
「全然、気にしないでください。いつも華鈴がお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ。俺らの方が世話になりっぱなしです」
お互いに頭を下げる三人を、ただ見ていることしかできない。
「あの、華鈴がさっきから、『妖怪がやけに多い』って言ってるんですけど、二人も気になってます?」
桃麻!?
えっ、何言ってんの!?
「僕たちも気になってますよ。今、調べているんです。あの、彼女さんを、お借りしてもいいですか?」
「もしよかったら、彼氏さんもご一緒にどうぞ。何かあったら、俺たちが責任を取るので」
えっ~!!
響希君も僚君も、何言ってるの!?
桃麻が乗らないわけないよ。
チラっと桃麻の顔を見ると、明らかに、目を輝かせている。
「良いんですか!? 俺、妖怪なんて見えないのに!?」




