第漆話 伍
「ねぇ。あなたたちはキョウカ様と、どういう関係なの?」
『関係?』
「しもべではないんでしょ? だとしたら、お付きの者?」
『そうだなぁ。"友"とでも言うべきか。キョウカ様が、そう言ってくださった』
お庭の片隅で、響希君と僚君に気づかれないように、小さな妖と話す。
『キョウカ様はいつもいつも、家の中で過ごされているようだ。我らは時々ではあるが、家の中でお祭り騒ぎをして、寂しくないようにしている』
「あなたたち皆、キョウカ様が好きなんだね」
『当たり前だ!! キョウカ様がいてくれたから、我らがいるんだ』
「この家の最後の主さん。祥一郎さんだっけ? 植物が好きな人だったみたいだね」
『知っているのか? 祥一郎の事を』
「キョウカ様から聞いただけだよ。あなたたちの方が、よく知っているんでしょ」
「さっきから、何コソコソしてんだ?」
「ひ、響希君!?」
気づかないうちに、響希君が背後に来ていた。
「そいつ、妖だよな?」
「う、うん」
『何奴だ?』
小さな妖が、響希君に問う。
「桔梗の妖に頼まれて来た。お前みたいな小さい妖が居なくなったとな」
『そうか。この娘から大体の話は聞いた』
「お前以外の妖はどこへ行った?」
『知るわけなかろう』
「本当の事を言え」
響希君?
『何が言いたいのだ?』
小さい妖も、わからない様子。
「小さい妖は、消えてはいない。それだけだ」
「どういう事? 響希君」
「僚が連れてくる。華鈴、桔梗の妖を連れてきてくれないか」
***
『何かありましたか?』
「小さい妖が、見つかったんです。私が見つけたわけじゃないんですけど」
二階の大部屋。
窓際に佇む、キョウカ様。
『そうですか。今、行きますね』
「あの、キョウカ様」
『何故、わたくしの名を?』
「とある妖から聞きました。お綺麗なお名前ですね」
『ありがとうございます。わたくしも、気に入っています』




