第漆話 参
夕方。
一度家に帰り、桔梗の妖さんと、あの家に向かう。
もちろん、響希君と僚君も一緒に。
「夕方でも、暑いね。植物の妖さんだと、大変ですよね」
『近年は、こたえます。温暖化というものでしょうか……』
温暖化。
もしかしたら、と考えてしまう。
あの家に着いてみると、なんだか変。
「気配が、少ない……?」
『お気づきになりましたか? 』
「前に来たときは、もっとたくさん」
『そうなんです。少ないですよね』
この前来た時よりも、明らかに気配が少ない。
この家に、何があったのだろう。
「あれ? 雪村さん?」
「本当だ。華鈴、どうしたんだ?」
背後から聞こえた声。
この声は……。
「桃麻。須崎さんも!」
私の近所に住む、幼なじみであり、彼氏でもある笹本桃麻と、桃麻と同じ学校で、
クラスの級長をしている須崎舜さん。
「な~にしてんの? 妖怪関連?」
「また、鍵借りてきましょうか?」
以前、須崎さんからの依頼で、この家に来たことがある。
妖がいることは、桃麻も須崎さんも知っているから、この家に私が来れば、妖怪関連なのだ。
「そう妖怪関連。須崎さん、申し訳ありませんが、鍵をお借りできますか?」
「わかりました。すぐ、持ってきます」
そう言うと、須崎さんは家に向かって一目散。
「それはそうと、誰? この二人」
桃麻の、険しい目。
「あ、えっと。私と同じように妖怪が見えるの。クラスメイトで、仲良くさせてもらってて。月島響希君と、花里僚君」
二人を簡単に紹介。
「どうも。月島です」
「はじめまして。花里です」
「華鈴の幼なじみで、一応、彼氏の笹本です。華鈴がいつもお世話になってます」
彼氏のところだけ強調して、桃麻は簡単に挨拶。
二人も簡単に挨拶を済ませた感じ。
「お待たせしましたー。開けますね」
須崎さんがすぐに鍵を持ってきてくれた。
「鍵は、雪村さんにお渡ししますね。これから、笹本の補習の手伝いをしなきゃなので。終わったら、笹本に連絡してください。鍵を受け取りに来ますので」
「ありがとうございます。須崎さん。桃麻の事まで!」
「いえいえ!」
「うるさいぞ、二人とも!」
顔を赤らめた桃麻を連れて、須崎さんは自宅へ。
私たちは、この家で何が起きているのか、調べよう。
***
「「「おじゃましまーす」」」
『わたくしの家ではありませんが、どうぞ』
「うわぁ! 広ーい!」
はしゃぐ僚君。
「二階はどうなっているんだ?」
『案内しますよ。どうぞ、こちらへ』
響希君は、桔梗の妖さんと二階へ行ってしまった。
「私たちだけでも、裏庭に行ってみよう」
「そうだね」
僚君に声をかけて、裏庭に直行。
「お庭もお庭で広いね。靴、こっちに持ってくる?」
「その方が良さそう。外に出てみなきゃ、わかんないもんね」
中にいる状態では、よくわからない。
外に出て、調べてみよう。




