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紅蓮荘奇譚  作者: 天城なぎさ
第陸話 空き家に住む者
48/130

第陸話 結

「花の妖ですか……」

「はい。裏庭にも小さな妖がいますが、その妖たちも花の妖のようです。祥一郎さんが愛した草花の」

「いい話だな。俺らも華鈴と同じように妖怪と話せたらいいのに」


 玄関で待ってくれていた桃麻と須崎さんに、聞いた話を少し話す。


「それはそうと、笹本から聞きました。お二人、お付き合いをされたようで。お幸せに」

「あ、ありがとうございます?!」


 桃麻、話したんだ。

 いきなりで、驚きが隠せない。


「んじゃ、帰りますか!」

「私、図書館で借りたい本があるから、寄ってもいい?」


 ***


 月曜日。

 教室には数人のクラスメイトの姿が。

 その中に、響希君と(つかさ)君の姿もある。

 挨拶を済まし、席につくと、昨日借りた花言葉の本で、調べ物。


「ねぇねぇ、雪村さん!」

 声をかけてきたのは、クラスメイトの松坂愛理(まつざかあいり)さん。


「な、何?」


 見ていた本から目を上げ、松坂さんを見据える。


「一昨日かな。見知らぬ男子と手を繋いでなかった?」

「ん?! 一昨日?」

「人違いじゃないと思うんだよね。ファミレスの方から、学校の方に向かって歩いてた。雪村さんぽい人と、見知らぬ男子が手を繋いで歩いてたとこを、偶然見たんだけど、違う?」


 うん。と言ってしまえば、それで終わる。

 だけど、違うとも言えない。

 遅かれ早かれ、いずれバレる時がくるんだ。


「松坂さんが言っているのは、多分、私」


 聞こえるか聞こえないかの声量。

 俯きながら、答える。


「やっぱり!! この学校じゃ見ない顔だったから、他の高校? いつから付き合ってるの?」


 終わらなかった。

 それもそうだよね。 


「えっと。家が近所で、幼なじみなの。高校は白千(はくせん)高校で、付き合ったのは、一昨日から」

「おぉ! 付き合いたてなんだね! お幸せに!」

「あ、ありがと」


「もうすぐ夏休みだし、その彼氏さんとデートする予定だったり?」


 ん?

 この声は……。


「おはよ。雪村さん」

「おはよ。吾妻(あずま)さん」


 まだ来てなかったけど、気づかないうちに来てたんだ。

 それに、席替えをしたから、席が隣だったね。


「てっきり、月島君か花里君のどちらかと、付き合ってるんだと思ってたけど、違ったんだね」

「何の話をしてるの?」

「あのね、雪村さんに彼氏ができたみたいでね、一昨日から付き合ってるんだって」

「本当に?! おめでとう、雪村さん」


 松坂さんと吾妻さんで、何故か盛り上がって。

 しかも、響希君と(つかさ)君が、こっち見てる!?


「彼氏さん、嫉妬させないようにね!」

「とりあえず、お幸せに」

「ありがとう。頑張ります?」


 机に頬杖をつきながら、考える。

 夏休みかぁ~。

 な~にしよっかな!!

 なーんて、考える前に、桔梗(キキョウ)の花言葉を知りたい。


 それにしても。


桔梗(キキョウ)の花言葉、どこ~!!」


 ページを捲り捲る。


桔梗(キキョウ)の花言葉なら、『永遠の愛』、『誠実』、『清楚』だよ。雪村さん」

「ありがと。吾妻さん」


 そうだ。最初から、吾妻さんに聞けばよかった。

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