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紅蓮荘奇譚  作者: 天城なぎさ
第拾参話 紅染まる
102/130

第拾参話 結

「いよいよだね。響希君」

「だな。この短期間で、よく準備したよ。俺たち」

「なんか、響希君の浴衣姿、新鮮だね」

「華鈴の浴衣姿も新鮮だけどな。まぁ、俺は、浴衣が似合う男なもんで。よく言われる」

『そう言いつつ、浴衣を着たことなんて、あまりないだろ?』

「うるさいぞ。黒牙(こくが)

斑牙(はんが)姐さんの準備も、そろそろ終わる頃だな。あとは、白牙(びゃくが)(つかさ)を連れてくるだけか』


 ついにこの日が来た。今日は、(つかさ)君の誕生日当日。

 厄神(やくがみ)の一件があったけれど、(つかさ)君は以前よりも元気になってくれた。


(つかさ)君。なんとか元気になってくれて、良かったよ。一時はどうなるかと……」

「シキがいたし、式神たちに、キノカサと妙月(みょうげつ)様がいてくれた。俺たちじゃ何も出来なかったけど、|(あやかし)の力を借りて、なんとかなった」


 響希君の言う通り。

 私たち人間は、どうすることも出来なかったけど、シキたちが力を貸してくれたおかげ。


『お待たせしました。華鈴殿の浴衣姿、お綺麗です』

「ありがとう。斑牙。斑牙だって、綺麗だよ」

『ありがとうございます。本日は、よろしくお願いいたします』


 ***


 テンテンテテン。テテテテテン。

 朧池(おぼろいけ)の畔で、小太鼓を叩く黒牙。

 この音が聞こえたら、花魁道中が始まる。

 ゆっくり、ゆっくりと、一歩ずつ霞ヶ森(かすみがもり)の遊歩道から、朧池まで歩いていく。

 何も知らない(つかさ)君が観たら、驚くこと間違いなし。

 私は斑牙の手をとり、並んで歩き、その後ろを、傘を斑牙に差しかけながら、響希君が歩く。


「これ、何? あれって斑牙でしょ。あと、りんちゃんと響希まで」

『そうだよ。あ、聴こえてるかな。響希が、こっち見てる』

「どうしたの、これ」

『まぁまぁ、観てなって。もうすぐ終わるから』


 朧池に到着すると、白牙と話している(つかさ)君がいた。

 私たちが近づくと、驚いた表情で、こちらを見ている。


「どうしたの? これ」

「驚いただろ? 実は、斑牙に頼まれてな」

「え? 斑牙が? どういう事?」

『隠しておりました。本日は、(つかさ)殿のお誕生日ではありませんか。お祝いにと、思いまして』

「そうだったんだ。びっくりしたよ。ありがとう、斑牙。響希も、りんちゃんも」

「いえいえ。斑牙が提案してくれなきゃ、花魁道中はなかったんだよ。まぁ、私たちだけだから、とても短かったけど」


 秋風が吹く、今日この頃。

 (つかさ)君の誕生日をお祝い出来て、なんだか嬉しい。


『宴の準備が出来ましたよ。(つかさ)。誕生日、おめでとうございます』


 紅蓮荘(ぐれんそう)の廊下の窓から、人間姿のシキが顔を出した。

 キノカサと妙月様も中にいて、パーティーの準備をしてくれている。


「ありがとう! みんな!」

「それじゃ、着替えてパーティーだな。盛り上がるぞ! ウェーイ!」

「響希君!?」

「あ、この匂いは唐揚げだね。りんちゃん、驚かないでね。響希は無類の唐揚げ好きだから」


 (つかさ)君の誕生日パーティー、これよりスタート!


「あ、ちょっと、響希! まだ着替えてないじゃん! それに、手洗わないと!」

「良いだろ、少しくらい」

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