5 とあるネット掲示板
とあるネット掲示板。
そこには、様々な眉唾物の話が集まる。
昔からある口裂け女や、人面犬、ネットが普及し始めた頃に一部で流行した八尺様等のにわかには信じがたい異形の物について日夜討論されていた。
「……まぁ、いないだろうけどこういうのってロマンがあるよなぁ。」
パソコンのディスプレイを見ながら呟く。
画面には、様々な都市伝説上の化物のことがまとめられて記載されていた。
「ふーん、こんなのあるんだ。」
吸愛鬼。
初めて見る物であった。
人からの愛を食べて生きる生物だと記されている。
「あーなるほどねー……。」
そこには、5年前に起きたある事件が記されていた。
小さな町で起きた、大きな事件だ。
町の人間の大半が、寝たきりとなった。
残りも、まるで感情がなくなったようにただその場に物のようにいるだけであった。
未だに彼らの中には通院している者もいる。
原因は、一切不明とされ、報道規制もかかっていた。
その為、当時のメディアでも、詳細が報道されず、あまり積極的に取り上げられることはなかった。
一部テレビ番組で何度か放送されたが、その後すぐに特集されることはなかった。
しかし、インターネットはそうはいかない。
連日様々な無根拠な憶測が立てられては論破され、違う物が持ち上がるを繰り返されていた。
いつしかそれは、時代とともに下火となり、当時画面越しに討論していた跡があちらこちらに残るのみとなっていた。
「まぁ、いるわけないよな、こんなの。」
記載されている内容を最後まで見ずにページを閉じた。
吸愛鬼の中には、虜と呼ばれる思い通りに出来る存在を作り出す者がいる。
虜は、例え自身の命を落とす結果となっても命令主である吸愛鬼の命令を実行しようとする。
上記の事件は、吸愛鬼による虜を使った実験ではないだろうか。
とあるネット掲示板の章完。




