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吸愛鬼  作者: あさまる
1/12

1ー1 千種 愛

※この作品は、フィクションであり、記載されている物は実在する団体や個人等とは、一切関係ありません。


ご覧頂きありがとうございます。

今後ともよろしくお願い致します。


2018年 5月1日連載開始

「それで、話って何かな?」


夕日がさしこみ、辺り一面オレンジに染まっている。

いつもと違う雰囲気の教室。

そこで二人の生徒が向き合っていた。


一人は緊張し、顔が強張っている男子生徒。

そして、もう一人は彼とは逆に微笑んでいる女子生徒。


外では部活動を行う生徒達の声。

そして校舎の中ではいくつもの楽器の音色が聞こえていた。

その中で、ほとんど音のしない空間。

彼らはその中の一つにいた。


「えっと、千草さん。」


「はい。」


「……お、俺と付き合ってくれ!」

意を決した男子の言葉。

それは、目の前の彼女への告白だった。


「……まり……しく……いなぁ……。」

千草と呼ばれた女子生徒がボソッと呟く。

その際彼女は俯いており、どのような顔をしているのかを見ることは出来なかった。


「え、え?ごめん、何かな?」


「いや、何でもないよ。……えっと、それで、返事なんだけど今良いかな?」

依然微笑みを見せている少女が言った。


「え?あ、うん、お願い……します。」

緊張のあまり声が裏返る。


「ごめんなさい。」



「それで、それで?昨日はどう振ったの!?」


時は進み、翌日の朝となった。

千草愛が玄関を出て登校すると、目をキラキラ輝かせながら彼女に詰め寄る派手な女子生徒の姿があった。

幼馴染の江崎夏海だ。


「どうって別に……いつも通りよ、いつも通り。」

つまらなそうに言う愛。


いつも通り。

その言葉は強ち間違いではなく、愛は連日のように男子に呼び出されては昨日のような告白を受けていた。

そして、彼女はそれら全てに同じ答えを突きつけていたのだ。


才色兼備。

まさに愛の為にあるような言葉であった。

彼女の容姿は美しく、街を歩けば皆振り返り、彼女の虜になる。

その上、それを鼻にかけることなく、分け隔てなく優しさを見せていた為に、勘違いをし轟沈する男子は多数いた。


「でももうちょっと言い方ってのがあるんじゃないの?」


「あれくらいがちょうど良いんだって。下手に期待させても仕方ないし、それに一回食べればもういらないから。」


「あははー、相変わらずグルメだねー愛は。」

夏海が能天気に言った。

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