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初対面に向かって!
家に着いて、まず少女をベッドに寝かせ、濡れタオルで汚れていた顔を拭いた。
タオルが冷たかったのか、少女がゆっくり目を開ける。
『ここは、?』
その質問に答えようと、俺も口を開く。
『俺の家…』
少しの間、沈黙の時が流れる。
気まずい。
『あ、あの、君はいったい?』
『初対面の人とは話さないようにと、お父様から言いつけられていますので』
『俺、君を助けた張本人なのに!?』
つい、大声を出してしまった。
すると、少女は俺に反抗して
『拉致との間違いでは?』
これが俺と少女…壱之宮麗との最初のやり取りだった。