プロローグ
こんにちは、作者の委員長です。
なんせこの作品初投稿なもんで意味不明な箇所多々あると思います。そういうときはスルーしていただくかもしくはコメントなどで質問してくれれば答えます。笑
あ、コメントや感想じゃんじゃんお待ちしておりますね。リクエストなどあれば気軽にどうぞ。反映できるものは反映します(^^)
最初に用語解説入ります。
終身制度:
少子高齢化対策として2088年に日本政府が発表。この法律は少子化対策と高齢化対策それぞれについての提案がされている。
少子化対策
若年層は、仕事ももちろんだが子供を産み育てることに重きをおく。
3人目の子供から、政府からの子育て資金の援助がある。
高齢化対策
普通の高齢者は死ぬまで働く。その場合賃金は安定しており、重要な役職も保証されている。
しかし、犯罪者になった場合は、終身管理局に連行され強制労働の義務が課せられる。
また、認知症などで「通常の日常生活が困難」と判断された場合も終身管理局に連行され、そこで処分される。
お待たせしました、本編に入ります。
プロローグ
ニュースキャスターが午後7時を告げた。リビングルームに重苦しい空気が流れる。
母がテレビから目をそらし、下を向いた。今日の夕飯は好物の唐揚げだというのに、弟は全く手をつけない。
静寂の中、ニュースキャスターが終身管理局のニュースを読み始めた。
どうやら管理局に送られる高齢者の数が過去最多になったらしい。しかし、そんなことは当たり前のことである。なぜなら、荒廃した国民たちは、「厄介な家族」を捨てるため、わざわざ管理局に処分を依頼しているのだから。
管理局は今や「現代の姥捨山」であるとキャスターは提言し、能天気なCMが流れ出した。
私は立ち上がってテレビを消した。再び訪れる静寂。隣の和室で寝ている認知症の祖母の安らかな寝息のみが聞こえてくる。
「覚悟はできたか」
父が目を上げずに問う。蛍光灯に照らされた彼の姿は、ひどく無機質なものに思われた。
私たちは頷き、重い腰を上げた。
これから私たちは、認知症の祖母を管理局に連れて行くのだ。彼女の処分を頼むために。
そこは陰気な感じのする施設だった。施設というより拘置所といったほうがいいかもしれない。
もしも過去からタイムトリップしてきた人がいるなら、絶対にこの施設を刑務所と勘違いするだろう。私はそう思った。
私はちらりと祖母の顔を見た。これからどんな不幸が自分の身に降りかかるのかつゆとも知らない祖母は、天使のような笑顔を浮かべていた。
「……。」
私は何も言うことができず、ただ祖母の顔を凝視していた。
「どうしたの?」
ハッと顔を上げると、弟が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
母と父が私を睨みつける。
「私、おばあちゃんを捨てたくない」
しばしの沈黙の後、母が作り笑いを浮かべて口を開けた。
「私たちはおばあちゃんを捨てるわけじゃないの、国に預けるだけよ。それに…」
「もし母さんを匿っていることがわかったら、俺たちが罰せられるんだ」
母と父の二段攻撃。私は何も言えなかった。
少し考える時間が欲しかった。祖母と最後の時間を過ごしたかった。
でも、もう遅かった。
監視員がやって来たのだ。