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僕の求めていたモノが、手に入るような気がした。
◆
鎖のような黒い紋章が、虚兎の首回りに刻まれる。
契約を終えた二人。虚兎はゼノに促されるまま、ゼノを見守っていたユリウスたちの元へ向かった。
「お帰り、ゼノっち!」
「ただいまー」
最初にリアナに迎えられ、それぞれゼノによかったね、という言葉をかける。
その様子を少し離れた場所で眺めていた虚兎に、ルーカスがスッと近寄ってきた。
「やあ、初めまして。君、名前は?」
近寄ってきていたことは気配で気づいていたのか、虚兎は対した反応は見せずにゆったりとした動きでルーカスに視線を移した。
……なんで耳が羽なんだろう、というのがルーカスを目にしての虚兎の感想だった。自身の耳も兎の耳なんだが、自分以外の変わった耳を見たことがなかったので、不思議そうに首を傾げる。
「……虚兎」
「虚兎君か。僕はルーカス……使い魔同士、よろしくね」