MP検査
「おいおいそんな顔するなよ神林くん」
俺はどんな顔をしていたのだろうか、だが普通に考えてこれをみて驚かないほうがおかしい。
MPが体内にあるのは女だけじゃないのだろうか、分からないなぜ俺の体の中にあるのかが、そして俺は今まで魔法など使ったことがないのだからこんなことすぐに信じられるわけがない。
「あの、俺魔法なんて使ったことないんですけど」
「そりゃそうさこのクラスにいる人もほとんど魔法なんて使ったことないんだからね」
得意げな顔してそういうとその事に対して反論してくる人がいた。
そう、遠藤綾瀬だ。
「失礼ですけど、私は魔法を扱うことができます、ほかの人達と一緒にしないでください」
またもや辛口な言い方で反論する。
「その言い方はよくないねー遠藤さん」
さきほどまで笑顔だった顔からは笑顔が消え、今まで見たことないような顔をしている、あったのは今日で初めてなのだが。
それを察したのだろうか遠藤も話を変える。
「すみませんいまのは言い過ぎました、しかし私はまだ納得していませんこの男が魔法を使えるだなんて」
ごもっともなことだ、なんたって俺は魔法を使えないMPを持っているなんてことも俺は知らなかったんだから。
「いやいやーまだ魔法は使えないよーただMPをもってることは確かなようだけどね」
「あの先生なぜ俺にMPがあるとわかるんですか」
「簡単さ私達一人前の魔法使いには君たちの中にMPがあるかないかなんてすぐわかるのさ」
「うん、でもまぁ、こんな話ばかりじゃ君たち以外の人たちも退屈だろうさっさと移動してみんなの中にMPがどれだけあるかきっちり測りにいっちゃおう」
この学校に入ることにはMPが300以上あることが絶対条件である。
しかしここに入学してきた生徒たちは自分が平均以上つまりMPが300以上あるとしか言われてないことが多い。
そういう人のためにもMPがどれだけあるかどうかを本人がわかるようにするためにMP検査が毎年入学した初日に行われるらしい。
「ではみなさん行きますよ、私についてくるのだー」
先生が教室をでてどこかへ歩き出した、クラスメイト達も先生の後を追うように歩き出す。
よくわからないが俺も行ったほうがよさそうだと思い先生についていく。
しかし、とてつもなく気まずい。
今まで周りに女子はいたが女子だけというのは初めてである、そしてこのままではこの3年間ずっと一人ぼっちでいなければならない可能性も0ではない。
だが、その問題はすぐに意味のないものになった。
「神林君だっけ」
クラスの女子でいかにも活発そうな子が話しかけてきた。
「そうだけどえっと・・・・」
「あーごめんごめん名前いい忘れてたね、僕の名前は如月凛って言うんだ凛って呼んでくれていいよ」
これは助かるこのまま友達がいないままではこんなところではやっていく自信がない。
「俺も高貴でいいよ、よろしくな凛」
そう思えば如月という苗字はどこかで聞いたことがあるような気もするのだが、今は関係ないことだ。
「でもすごいな高貴って男で魔法つかえるんだろ」
「いやさっきも言ってたけど俺はまだ魔法なんて使えないし俺の中にMPがあるってことも分からないんだ」
「へーまぁ僕も魔法使えないんだけどね」
このクラスで魔法を使えるのは遠藤綾瀬だけなのだろうか。
凛と話しているうちに目標の保健室についたようだ。
「よし、それじゃあ名前を呼ばれた人から私のところに来なさい、まずは遠藤さんからにしようかな」
「あの先生私自分のMP位知っているんですけど」
「まぁいいじゃない主席の実力見せてあげて」
そういうと、遠藤の手のひらにちいさな紙のようなものを置いた。
少しするとその紙が赤色に変わってきた、多分、あの紙はその紙の置いた人の中にあるMPによって色が変わるのだろう。
「さすが主席ね、この魔法紙が赤く染まるほど強いMPを持っている子はさしぶりだわ」
驚いているのかは分からないが相変わらずニコニコとしている先生、そして赤く染まった魔法紙をみて当たり前とでも言いたそうな顔をしている遠藤だった。
「先生その紙が赤く染まるってそんなにすごいの」
隣にいた凛が急に質問しだした。
「えっとねーこの魔法紙が染まる色には4種類あります、まずMPが300~500の方は黄色、MPが500~1000までの人が緑色この色に染まった人たちは男性方達の武器を作るアバロンの授業を受ける方たちです。そして1000~3000は青色、そして3000以上の人が赤色なのです」
「へーそうなんだ」
凛は本当にわかっているかどうかは分からないが凛なりには納得したようだ。
そしてとうとう俺の名前が呼ばれた、凛の魔法紙は青色つまりMPが1000~3000だったようだ、そして青色に染まったということは対キメラの授業を受けるということだ。
「さて、さてメインイベント神林君のMP検査です」
今日一番の笑顔と共にそう言った。
「さぁ用意はいいかしら」
「いつでもやってください」
そう答えると先生が魔法紙を取り出し俺の手のひらに置いた。
少し経つと色が変わってきた、だがその色はどの生徒とも異なっていた。
「さて、神林くん色は変わったかな」
「変わったのは変わったんだけどみんなと色と違うんですけど」
そういいながら手のひらの中にある魔法紙を先生に見せる。
「・・・・黒色?」
少しだまりながらシャーリー先生はそう言った。