始まりの物語
2500年、人は変わりつつあった。
男性が女性より強いという風習はなくなり、いまや女性が男性より強いということは当たり前になっていた。
今やこの世界では魔法なしでは生きてはいけない環境になっている。
生きてはいけないというのは言いすぎたかもしれないだが確実に生きにくい環境になっているのは確かなことだ。
そしてその魔法は女性しか扱えないのだ、そのせいで今や女性のほうが男性より強いという風習になっているのである。
そして男性より女性のほうが強いという風習を決めた最大の理由はキメラといういわゆるモンスターのせいだ。
そのキメラと交戦できるのが魔法を扱える女性しかいないということが最大の理由なのだ。
だが、男性もキメラと戦えないわけではない、女性が魔力を注いで作った武器アバロンを持つことによってキメラと戦うことができるのだ。
だがアバロンをもってしても、女性がくりだす魔法には到底及ばないのだ。
このような理由で女性が男性より強いということが当たり前になったのである。
今まで女性しか魔法を扱うことができないことが普通だった、しかし魔法を扱える男子高校生が見つかったというニュースが広まったのだ。
そう、それがこの物語の始まりなのだ。
「ジリジリジリジリ」
いつもの様にアラームが鳴りいつもと同じ朝を迎えた。
「んー今日もいい朝だ」
と寝ぼけた声を出しながらベットから立ち上がる。
今日は俺にとって大切な日だ、なんたって高校入学の日なのだからそして時計の針は7時を指している学校には8時50分に着けばいいそうだ時間にも余裕がある、だが初めて学校に行く日だ、早めに行っておいても損はないと思い学校に行く準備を始める。
学校に行く準備と言っても学校から配布されている、個人認証の端末を持っていくだけなのだから準備は一瞬で終わったようなものなのだが。
この世の中男子は普通学校へ進学し、女子の70%も男子と同じ普通学校へ進学する、あとの30%は魔法学校と呼ばれるところに通うことになっている。
この魔法学校へ進む女子はみな平均以上の強い魔力を持っている。
魔力の平均以上と言うものは、自分で攻撃型魔法または支援型魔法のどちらかを扱えるかどうか又は男性が使う武器アバロンを作ることができるかということだ。
攻撃型魔法などを使うことにはいくつか条件がある。
まず一番大切なものがマジックポイントと呼ばれる通称MP このMPが1000以上あると魔法を使うことができる。
MPはすべての人に平等にあるわけではない、もし100人の女性がいるとするとその中でMPを持っている女性は50人程度、MPが1000以上ある女性は1人いるかいないかくらいだろう。
女性でもMPが1000以上ある人は全体の3%位しかいないのだ。
魔法学校に通うことができる女性の28%は魔法を使えないひと、つまり男性の武器アバロンを作る授業を受ける人だ。
アバロンを作ることに必要なMPは300ほどであるそうだ。
そして残りの2%は対キメラ戦に向けた授業を受ける、いわば選ばれし者達なのだ。
逆に平均以下と言うものは魔法も使えずアバロンを作ることのできない女性のことをいう、男の俺には関係のないことなのだが。
学校へ行く準備も済、玄関にある魔法型スケボーを手に取り外へでる。
魔法型スケボーと言うものは昔で言うバイクのような感じだ、スピードもなかなかにでるそしてMPをもっていない男性のために魔力が込められたボトルを装着し走ることができる。
新しい学校のことを思いながら学校へ向けてスケボーを走らせるのであった。