第一話;誕生
せまい…
ここはどこだろう?
僕は誰なの?
なんでこんなせまいところにいるの?
「お、動いてるぞ!サラ〜、来てくれ!」
「本当だ!動いてる!生まれるのかしら?」
卵にひびが入った。
「生まれる!よーし、俺の念力で…」
卵が割れて子供が誕生した。
「お、俺の、俺の念力が通じた!」
「何を馬鹿な事言ってるの!それより男の子だよ?」
「そうだな」
誰だろ?この人たち。まぁ良いや。聞いてみよう。
「あの、あなた方は誰ですか?」
「お〜!しゃべった!俺はガンマ、地銃剣を使う剣士だ。」
「わたしはサラ。火海剣の使い手よ。」
「剣士ですか。で、僕は誰なんですか?」
「君はわたしの火炎剣(ファイアーブレードと引き替えに誕生させたの。剣神の所に行って。」
剣神?剣と引き替え?何を言ってるんだろう?わかったことは僕は剣と引き替えに卵になって、この人たちに連れてこられた。そして僕は卵から生まれたという事だ。
「まだわからないことだらけなのはわかる。俺たちも始めからこの世界の仕組みを理解していたわけじゃない。まずは学校に行くんだ。そして、世界の仕組み、剣士について。そして自分について勉強してくるんだ。」
「学校…ですか?わかりました。学校ってどこにあるんですか?」
「学校はこの家から見える。ほら、あそこだ。見えるだろ?あそこに向かうんだ。」
「わかりました。いろいろ教えてくれてありがとうございます。じゃあ行ってきます。」
「おう!気を付けていけよ。俺たちは他の星に旅立つ。また縁があったら会えるかもな。」
「まぁ、わたし達と会えるのは君が成人したとき以降だから、君の顔がわからないかもね。だから、あなたに名前を付けてあげる。
そうだな〜何にしよう……………
カイト!カイトに決めた!もし私たちに会ったらその名前を言って!約束よ?」
カイトは二人にさよならを言って、学校へ向かって歩きだした。