第7話 美少女だと!?(2)
「ほらほら、美少女だ」
あの日の仕返しだ。ラルに向かって、からかい半分に言ってやる。
本当は嬉しくてしょうがない私は、その行動を繰り返した。
だがラルは、そんな私から目を逸らし少し怒ったように言った。
「マルスさん、真面目に仕事してください。言うんじゃなかった」
「あっ、その……すまん」
少しふざけ過ぎたのか、まったくの正論で返されてしまった。少し落ち込みながらも私はそのまま書類へと視線を落とす。そして黙々と仕事を続けた。
するとライラとベルが廊下からこちらを見て何か話しているのが見える。
「あいつら……またなんか言っているな」
「もう、気にすると損ですよ。優しく優しく」
「でもな……無いことばかり噂されてもな」
こう胸のモヤモヤがなんか消えない。どうしてコイツは平然と仕事をしていられるんだ。
逆にコツを聞きたいぐらいだ。
どうにかならないものか。
「どうにかならないか考えてますね」
「あっ、そうだ。よくわかったな」
「チーム組んでますから、なんとなくです」
チームを組んだのはつい一ヶ月前だぞ。そう思いつつも、悪い気はしなかった。




