表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後に愛してくれる人を探したい  作者: ミカン♬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/34

12 ゲイリーとシャーリー

+++他者視点ゲイリーとシャーリー


「まぁ 籍を抜いて欲しいとクレアさんが?平民になるつもりなのかしら」


「あの子が分からないよ。良縁も断ると言うし、はぁ~」


「願いを叶えて差し上げれば?籍を抜いても親子に変わりはないですわ」


「大事な娘なんだ出来ないよ」


「苦労を知らないお嬢様ですから夢を見ているのです。現実を知れば戻りたいと旦那様に泣きつきますわ」


「ふむ、最近は少々我儘が過ぎると思っているが」


「クレアさんが大切にしているお店の出入りも出来なくなりますわ。そうなれば直ぐに反省して戻ってきますとも」


「出入り禁止か。離れに一人で住まわせてみるか、学園は卒業させてやりたい」


「旦那様はお優しいですわね。籍はどうするのです?」


「もう一度話し合って、反省しないなら籍は一旦抜いてもいいだろう」


「好きな人とは誰かしら?」


「縁談を断るための言い訳に決まってる。小賢(こざか)しいからなクレアは」


ゲイリーは愛する妻を非難されて娘であってもクレアを許せなかった。

籍を抜くと聞いて妻が密かに笑ったのも気づかず、愚かな男は美しい妻を抱き寄せた。





     *****




次にお父様と顔を合わせたのはお店の中だった。

食事は自室で済ませており、二日ぶりの再会だ。


「クレア、籍を抜くならお店の出入りも禁止だよ。住まいも離れに移しなさい」


「では直ぐに抜いて下さい。学園も退学します」


「い、いや学園には授業料を支払い済みだ。勿体ないだろう」


「そうですか。書類の準備をお願いしますね」


「お前は本気で言っているのか!」


「勿論です。離婚届か除籍届か、どちらかを用意して下さい」


「なんて可愛げのない娘なんだ!わかった用意しよう、出ていけ!」



「待てよゲイリー本気なのか? お嬢さんも考え直して下さいよ」


「マックス、アレは店に入れるな!もうお嬢様じゃないからな。店から出ていけ!」


「お世話になりました」そう言って私は屋敷に歩いて向かった。

もう馬車も使えない。そうなると離れから学園にも通えないわね。


まだ寒い街を歩いていると「どちらへ?」と声を掛けられた。


「アスラン様・・・帰宅途中です」


「馬車はどうしたのです?また風邪を引きますよ」


「私、家を出るんです。なのでもうバーンズ家の馬車は使えません」


いつか見た露骨に歪んだ顔をされた。「何があったのです」


「説明すると長くなるので失礼します。家出の準備があるので」


歩き出そうとすると──


「クレアじゃん」

立ち止まっていたのはサーレン商店の前だった。


「ご令嬢が歩いて帰宅しようとしているのです」


「また風邪ひくぞ。馬車が無いなら送るけど?」


「いいえ「それがいいですね。家出するそうなのでカイト様お願いします」


「おいでクレア」カイトに腕を引っ張られて店に連れて行かれた。

親切は嬉しいけど二人とも案外強引なのね。


店には女傑のサーレン婦人が居て、私は接待スペースに座らされてお茶を出してもらった。

隣でカイトがニコニコとこっちを見ている。


「で、何があったんだい。家出して馬車が使えないってどういう事だい」

「おば様、私は除籍されるのです。家も追い出されました」


「じゃぁ うちに来ればいいじゃん」

「あほ!そんな簡単な話じゃないんだよ」


家の恥になるがサーレン婦人に父の事を掻い摘んで説明した。


「あの女ねぇ。うちの亭主にも色目使ったんだ。とんだ阿婆擦れだよ」

「父は義母の言いなりで、店はいつか潰れるでしょう」

「はははは それは願ったりだね。嘘だ・・・冗談だよ」


「クレアは除籍してどうするんだよ。どっかの子爵家と縁談があったんじゃないのか?」

「お断りしました・・・なんでカイトが知ってるの?」

「みんな知ってるよ? クレアんちのメイドは口が軽いから」

「はぁ~~~恥ずかしいわ」


「学園には寮があるからそこに移ればどうだい。お金はかかるけどね」

「寮ですか、空いてるといいですが」

「空いてるさ、あんな監獄みたいな所に誰も好んで入るもんかね」


そんな所に入ったら益々恋愛なんて出来そうにないわね。

もう死神さんに頼んで終わらせて貰えないかしら。


読んで頂いて有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ