表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

ドンキーコースの仲間たち

ドンキコースの仲間もがんばっています

ぼくは貧乏伯爵家の5男だ。うえの兄たちは学院へ行く余裕があったが領地の大雨と川の氾濫で、ぼくの学費がなくなってしまった。


両親も兄たちもすごく謝ってくれたが、どうしようもない。ぼくは学院へ行かずに王宮で仕事できる下級職試験をうけた。


まわりは同じような立場の貴族で一生、下働きなんだとやりきれなさがあふれたやつらばかりだった。顔合わせに集まった約20名のなかに女性がいた。


大抵が貴族の出身のようだが平民も混じっているようだ。平民はすぐにわかった。マナーがダメだからだ。だけど平民の顔は希望にあふれていた。平民は王宮で仕事できるだけで幸せだろうからな・・・・


彼らは3人で行動していた。

女性のリシアとケントが元から仲良しで、ダグラスというのが仲間にいれてもらったようだ。


リシアが平民ふたりをいろいろカバーしているようで、勉強にもついてきていた。


ある日、驚くことがあった。外務部に見学に行ったら化粧臭い、ださいかっこうの女が書類をわざとばら撒いた。令嬢のリシアが率先して拾い始めたので僕たち皆も拾い集めた。平民のひとり、ケントがリシアに書類を渡すのをみてなんとなく皆が真似して書類を渡した。


リシアは書類をさっとみるだけでページ順に並べているようだった。


ぼくは驚いた。だってそれは外国語で書かれていてぼくは読めなかったから・・・・


それからもっと驚くことがあった。リシアが王太子家の王子、ギルバード様の語学の教師になったのだ。


ぼくはこれをチャンスと思った。それからおれはケントに接近した。幸い気があった。それでせっかく一緒に勉強するのだから皆でがんばろうと言った。放課後は食堂に集まって皆で勉強をして時々食堂でお茶を楽しもうとも提案した。


ねらった通りケントはリシアを誘った。たまにリシアも顔をだした。ぼくはリシアを見かけるとどんなに遠くても必ず声をかけた。上司もリシアのことは知っている、そしてぼくとリシアが言葉をかわすのをみせるようにした。


そしてなんとケントとリシアは誕生日が一緒だったのだ。このチャンスを逃すものかとばくたちは誕生日のお祝いをした。なんとそれにギルバード殿下とアレクサンダー殿下が来たのだ。差し入れもたくさん持って・・・・


リシアと仲良くしてくれてありがとうの意味らしい。全員と言葉をかわしてすぐに帰って行ったが、ぼくたちはこのつながりを大切にした。出世に結びつくという計算もあったが、皆がいいやつで助けたいと思う気持ちも大きかったのだ。


やがて同期会は同期の枠を超えたおおきな組織になった。ぼくは敏腕会長として高く評価されている。


これ以降ぼくたち下級職。通称ドンキーコースを目指すものが多くなった。学院に行くよりもさきに現場に出ることが有利になるという考えが広まったのだ。

学院で交流を深めることが大事だという考えも我らの同期会が補うようになったのだ。


ぼくは今、宰相の側近としてたまにギルバード様やアレクサンダー様を諌める立場になっている。


あの顔合わせの日、こんな未来は夢にも思わなかった。


今日は下級職試験が行われる。未来ある彼らにエールを送りたい。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ