登場人物
・カイン
「楽しかったあの日を、今度こそ俺は」
元は世界を旅するしがない中級冒険者だったが、とある村で知り合った女性と仲良くなり、後に結婚し、子供も授かる。しかし生まれ持った病弱の身がたたり、息子を出産後すぐにアリシアを亡くしてからは、以後男手一つで息子を育てる。8歳にまで育ったある日、息子が街はずれの森に存在する、通称『名も無き墓』に眠る伝説の悪魔の魂と接触する所から全てが始まる。物語開始時の年齢は31歳。
・フレア
「ボクね、大きくなったらパパと一緒に冒険するんだ!」
カインの息子。8歳。母親同様、息子も体が弱く、常にパジャマを着た生活を余儀なくされている。週に一度の外出が唯一の楽しみであり、それ以外は父親カインが母親アリシアと出会う前の冒険譚を聞く事を数少ない楽しみとしていて、身体が治ったらいつか本気で旅に出たいと日々口にする。が、その望みが叶う事はまず無いと医者から残酷な現実を言い渡されている。
・アリシア
「怒りんぼだけど、優しい。そんなアナタが好きよ」
カインの妻。とある村で薬屋の看板娘として働いていた女性。享年25歳。薬の材料を採りに森へ入ろうとしたが、身体が弱く途中で倒れてしまった所をカインに助けられる。カインによって介抱されている内に息があった二人はすぐに仲良くなると、恋仲にまで発展した後、結婚して出産する。しかし元々病弱だった身が祟り子供を産めば命は無いとまで言われたが、生まれて来る命を絶やしたくないと、出産を決意。出産後アリシアは懸命にフレアを育てるも、物心つく前に命尽き、この世を去る。