It's all I can do.
未成年の妊娠、自死などを扱っているので、自己判断でお読みください。
気分を害したくない人は読むまないことをオススメします。
僕のすべてが狂ってしまったのは、いつからだろう?
そもそも、君に出会わなければ誰も苦しまず、傷つかずに済んだのかな?
もし、時間を巻き戻せるなら、君と出会う前の世界に行きたい。そして、いつも通り図書館へ行く僕を止めるんだ。そうすれば…
分かってる。わかってるよ。そんな都合の良い幻想は訪れないって。SF小説じみた妄想だ。有り得ないし、そうやって現実を逃避していなければ、心が保たれないんだろう。それほど、僕は追い詰められていた。罪悪感に押し潰されそうだった。
君はまだ16歳の少女だった。幼げな小さな身体、漆黒の長い髪、白い肌、涼しげなブルーとホワイトのセーラー服。
君は僕を『先生』と呼んだ。君の純粋で繊細な性格に僕は惹かれたんだ。
あの夏の日、図書館でいつものように執筆作業をしていた時、君は僕の隣の席に座り、僕のノートパソコンを覗き込んだよね。
正直、最初は君を変な子だと思った。人見知りな僕は、見ないでくれと言わんばかりにパソコンを閉じようとした。すると君は驚いた声で僕のペンネームを呼んだ。
僕も驚いた。でも君は僕よりも遥かに驚いたようで、興奮しながら鞄に手を入れて何かを探っている。
取り出したのは一冊の本。僕が書いた本だ。表紙を見てすぐに分かったよ。
『幻想世界の旅人の手記』。主人公が未来へタイムスリップしてそこで出会った女性と恋に落ちるけど、ラストは悲劇的な展開を迎える。
君は僕のファンだった。それを聞いた僕はとても嬉かった。小説家にとって嬉しいことは何か。それは自分のファンがいること。誰かが自分の作品を楽しんでくれていることだ。
それから、僕は毎日君と会った。君が夏休みだったから。僕も君と会って色んな話をするのが楽しかった。図書館だけじゃなくて、喫茶店に行ったり、デパートへ一緒に買い物にも行ったよね。
それは他者から見たらまるで年頃の少女が僕みたいな男と援助交際をしているように見えただろう。僕は26と、君とは10歳も歳が離れていた。
暇潰しに書いてみました。