長文タイトルを、好きでつけてる訳ないじゃん! 出来れば短いタイトルの方が良いに決まってる!
「追放された貴族は、辺境でのんびりスローライフ! ~自分の好きなように作ってたら、世界最高峰のレアアイテムが出来ちゃった~」
……今、このタイトルを見て、どういう作品なのかを予想できた人間は、かなり居るだろう。
実際、こういった長文タイトルが果たしてくれる影響は大きい。
まず、主人公がどういう人物なのかが分かる。
先程の例では、【追放された貴族】が主人公である事は、多くの人が分かるだろう。
さらには、副題として挙げられていた内容で、【世界最高峰のレアアイテムが作れる】ことで、なにかモノを作る才能を持つ人物であることも分かるだろう。
どういった場所で、活動するのかも分かる。
【辺境】という文字から、少なくとも人が多い場所よりかは、自然豊かな場所を想像する読者が多いんじゃないだろうか?
目的まで、はっきりと分かる。
【スローライフ】と書かれている以上、少なくとも主人公は穏やかな生活を願っているのは分かるだろう。
このように、たった1つのタイトルだけで、内容が理解できてしまう作品。
わたしは、長文タイトルと呼んでいるのだが、これが人気な理由も分かるだろう。
なにせ、タイトル1つだけで、内容がばっちりと分かっちゃうのだから。
こういった系統が好きな人は、見ただけで読んでくれるだろう。
ただ、それだけの利点があったとしても、わたし個人としては長文タイトルを嫌っている。
どうにかして短いタイトル、あるいは副題を長くすることで、バランスを取れないかと日夜研究しているくらいだ。
なぜ、良いところがあると分かっているのに、嫌っているのかと言うと----
----長所以上に、わたしは短所が目立つからだ。
タイトルだけで、作品内容が想像できてしまう。
つまりは、"タイトルだけ読んだだけで満足する人も出てくる"ということではないだろうか。
わたしは底辺作家ではあるが、それでも作家として内容に誇りを持っている。
目的だとか、意図だとかを持って書いてるし、その一文字一文字をしっかりと読んで欲しいと願っている。
それなのに、タイトルだけで満足?
そのことがわたしには、どうしても嫌なのだ。
「自分はそんな事はしない!」
そういう人もいるかもしれない。
だが、"わたし自身がそうなのだ"。
長文のタイトルを見て、「またこう言うのが出てきたか」「はいはい、お決まりね」と思っている以上、自分が長文タイトルをすると同じように思う人が必ず出てくる。
きっと、そうに違いない。
そう思えてならないのだ。
だから、長文タイトルに頼ることを、わたしは嫌う。
頼ることを悪だとは思わないが、わたしは出来る事ならしたくない。
あと、自分がつけたタイトルを言い間違えたくない。
「えっと、わたしが今度作る作品は【魔法使いである田舎貴族が、平民クラスを立て直すみたいですよ!】という学園もので……えっ? あっ、あれ?!
すっ、すいません! 正しくは【魔法使いの田舎貴族が、平民クラスを立て直すようですよ!】でした!」
多分、色々と言ったが、これが一番大きいと思います。