番外編2 サヴィア
僕の名前はサヴィア。
エモトァス家の次男だ。
僕は兄と違ってあまり体術が得意ではないので、魔法に力を入れている。
弟と妹も体術が苦手で、魔法の方が得意なようだ。
寧ろ2人の成長ぶりは兄としての威厳を無くすほどだ。
それにしても、この家にいると不運がよく続く。
特に何もないところでつまづくことが増える。
運動が足りないのかな?
それに、毎回タイミングの良いところに弟が来てヒールをかけてくれる。
…気のせいだよね?
「ラファ、今ヒールは何レベルになったんだい?」
「えーと、、、7!」
え!?まだ5歳なのにもう僕より上だと?!
きっとラファエルは良い聖者になれそうだ…
「どうしたの?」
ラファエルに心配そうに見つめられるも、兄の威厳は儚くも崩れ去っていった。
ーーーーー翌日ーーーーー
「ラファエルのやつ〜」
ぶつぶつと呟く妹が歩いてきた。
「どうしたの?」
マレッサに問いかける。
「ラファエルに勉強教えてあげようと思ったのに、もうあたしの知らない算数まで知ってて姉の面子丸潰れよ!」
「マレッサの知らない算数??」
「なんか割り算とか言ってたけど」
なんと、5歳の弟が誰にも教わらずに既に割算ができているそうだ。
「僕ですら最近習ったばっかなのに?」
「父さんに教えたら呼び出されてた。」
様子を見に行くとしよう。
ーーーーーーーーーー
そっと部屋を覗く。
「この家を継ぐのはお前がいいかもしれんな」
え?!
長男と僕を差し置いて三男が家を継ぐ?!
これはケイラスに報告するべきか…。
「いえいえ、ケイラス兄様のように強い方がいいかと!」
どうやらラファエルは長男を尊敬しているようだ。
ケイラス兄さん口にはしないけど、ラファエル大好きだもんなぁ。
伝えたら喜ぶかな。
「後でこっそり教えてあげよっと」
サヴィアはケイラスを探しに部屋を後にした。