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第7話 初めての街

翌日僕は家庭教師(メラウ)と街に出る事になった。


「この国は大陸一いろんな種族がいる国なんですよ〜。」


「へえ!どんな種族がいるの?」

「人間でしょ〜、ドワーフにエルフ、獣人なんかもいるわね!」


得意げそうに話す。


「ドワーフに獣人!!」

ガチムチマッチョの匂いしかしないぜ!うっひょ〜

「変わってるのね…普通男の子って皆エルフとかに憧れるんじゃないの…?」


家庭教師(メラウ)が苦笑いしているが無視無視。


「他の国はどうなの?」

「そうねぇ、例えばイエラーは人間主義だから殆ど亜人とかはいないわ。逆にマゼンディは亜人がかなり多いわね。」

「なるほど、じゃあシアニードはその真ん中って事なんだね」


そんな事を話していると街に出た。


「さて、どこから見たい?」

「んー、市場!」

「よし、じゃあ行って見よー!」


人が多くなってきたのではぐれないように手を繋いだ。


「いらっしゃい!安いよ安いよ!」

「さあ、見てっておくれや!」


あ!あれは虎の獣人?!

あ、あの人はドワーフかな…?

あのおじ様もカッコいい!!


「折角だし、何か買っていく?」

「んー」

暫く考えたが、買いたいものが多すぎて選べない。


「買うのは今度にする!今日は選べないや」

「じゃあ、次はどこ行きたい?」

「武器屋とか鍛冶屋!」

「ふふ、やっぱり男の子ね」


市場を抜けてお店が並ぶ道へと出た。


「ここがこの街1番の鍛冶屋よ。」


「いらっしゃい。」


無愛想な小柄だがガッチリした体の髭が似合う男性が店番をしていた。


「ねぇねぇ、あの人ってもしかして…」

小声で家庭教師(メラウ)に聞いた。

「そうよ、あの人はドワーフよ」


渋くてかっこいい!!


「なんだい?冷やかしか?」


視線に気付いたのかムスッとしている。


「あ、すみません。ちょっとこの子が見学したいって言うので連れてきたんです!」

「似てないが、あんたの子か?」

「いえ、ユリウス様のご子息でして。」

「ほう、道理で綺麗な顔をしているわけだ。」


先生(メラウ)ばっかり話してずるい!

僕も話したい!!


「ねぇねぇ!おじさんの名前はなんて言うんですか?」

「ん?俺か?俺はタングってんだ。」

「凄い筋肉ですね!」

「そうさ、これが無いと武器は打てねぇからな!」

「触ってもいいですか??」

「触りたいのか?」


ガッハッハと笑いながら腕を突き出す。


はぁぁあ〜筋肉最高〜!!

子供の特権フル活用だぜ!!

異世界転生万歳!!!

武器より筋肉に見惚れる5歳児に困る家庭教師(メラウ)であった。


武器も一通り見たところで店を出る事にした。

「楽しかったですか?」

「うん!すっごく!」

クスッと笑う家庭教師(メラウ)


「では次どこに行きましょうか。」

「冒険者ギルド!!」

「え、冒険者ギルドですか…?」

すこし戸惑う家庭教師(メラウ)


「ん?どうしたの?」

「いえ、普通冒険者ギルドと言えばガラが悪い人が多く、高貴な方はあまり行きたがらないのですが…」

「えー、でも行きたーい!」

「わ、わかりました。では行きましょう。」


すこし困りながらも冒険者ギルドへと向かった。


ガチャ


「し、失礼しまーす。」


ザワザワ…


「子連れ?」

「誰だ?」


僕たちを見てギルド内がざわつく。


「こんにちは、本日はどのようなご用件でしょうか。」

「すみません、ちょっとこの子がギルドを見学したいと言うので見学しにきました。」

家庭教師(メラウ)は居心地が悪そうだ。


確かに周りを見渡すと顔に傷のある厳つい男が多い。

て言うか、髭短髪ガチムチ多すぎてここは天国ですか?と言いたい。


「お嬢ちゃん、悪いこと言わねーから依頼じゃねぇならさっさとそのガキ連れて帰りな。ここは女子供の遊び場じゃねぇ。」

後ろから1人の強面の男性が話しかけてきた。


「あ、はい…」


家庭教師(メラウ)は完全にビビっている。

しかし、その強面も僕からしたら最高のイケメンに見えてしまうのだ!!

ここは一つ手を打つか。


「ねぇ、メラウ。これって不敬罪になる?」

「え、、」

暫く僕を見つめる家庭教師(メラウ)


ニヤッと笑ったと思うと

「そうですねぇ、不敬罪に当たるかもしれませんねぇ…」

と男を品定めするかのように見つめた。


「不敬罪?あの、そのお子さんは?」

受付のお姉さんが訪ねた。


「この子、ユリウス様のご子息でして。」

ニッコリした悪魔の微笑みで答える家庭教師(メラウ)

「ゆ、ユリウス様のご子息だって?!」

ギルド内が又もざわついた。


「と言うわけでどうしましょうか?ラファエル様」

ニコニコしながらこちらを見る。

別にどうもしようとはしてないけど。

「さ、先程の無礼失礼しました。」

男が謝る。


なんだ、別に悪い人じゃなさそうじゃん。

ん?そうだ!折角だし…


「いえいえ…そうだ、お兄さん筋肉すごいので筋肉触って見てもいいですか??」

キラキラした目で聞いてみた。

男と家庭教師(メラウ)はキョトンとした顔でこちらを見つめている。

いや、ギルド内全ての人がキョトンとしていただろう。


「あ、あぁ。別にいいぜ」

僕は目一杯筋肉を楽しむ。


「すごい!カッコいいですね!」

「そ、そうか…?」

男は照れ臭そうにしている。


褒めて褒めて褒めちぎるのだ。


「なんだ、騒がしいな?どうした?」

「あ!ギルドマスター!」

奥の部屋からギルドマスターが出てきた。


「実はユリウス様のご子息のラファエル様が見学しにきていて…」

「ほう!ユリウス様のご子息が!」

「はじめまして、ラファエルと申します。」

「はじめまして、私はギルドマスターのグラットです。」


ふとギルドマスターの顔を見る。

きぇええええ!!なんだこのイケメンは!!!


筋肉よし!顔よし!髭!短髪!サイコー!!!

抱いてください…


「グラットさん、めちゃくちゃかっこいいですね…男の中の男って感じで憧れちゃいます…」

「え」


受付のお姉さんと家庭教師(メラウ)がびっくりした顔で見ている。


「はっはっは!そんなこと言われたのは初めてだよ」

「ラファエル様の趣味って変わってますね…」

受付のお姉さんが呟いた。


どうやらこの世界では細くて中性的な顔の人がイケメンで、ガチムチ髭短髪は不人気だそう。


あれ、これって僕に恋敵がいないってことでいいのかな?


取り敢えず、彼氏候補1人目はグラットさんにする事にした!

でも成人するまでまだ13年もあるし、グラットさんの年齢も考えないと。


そんな感じであっという間に夕方になり家に帰る事にした。


(あ!グラットさん結婚してるか聞くの忘れた!)


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