第6話 家庭教師
「もう直ぐお前も学園に入るから家庭教師を付ける事にした。」
5歳の秋、突然父が口にした。
「えええ?!僕魔法も算数も読み書きもできますよ?!」
今更何を習うんだと言わんばかりの態度が顔に出ていた。
「それも大事だが、この街のこと、歴史やうちの家系についても勉強しておかないといけないだろ」
あー、確かにその辺はほぼノータッチで育ったので、知らないまま学園に行ったら馬鹿にされてしまうだろう。
「では、明日から家庭が来るからしっかり勉強しなさい。」
ふぇぇ
勉強は好きではない。
「ま、しょうがないか。」
ーーーーー翌日ーーーーー
「はじめまして!家庭教師のメラウです!」
緑色の髪をした女性だ。
「はじめまして、ラファエルです。」
「では、ラファエルをよろしくお願いします。」
そう言うと僕と家庭教師は部屋に入った。
この家庭教師、以前見たことがあると思ったら、次男と長女に勉強を教えていた人だ。
その頃はまだ小さかったので話したことはなかった。
「ラファエルくん、もう読み書きや算数ができるそうですね!」
「はい…」
「では、歴史やこの家系について教えていきますね。」
ーーーーーーーーーーー
どうやらこの国はシアニードと言う大国らしい
そして、この大陸にはシアニード以外にもう2つ大国があるそうだ。
マゼンディとイエラーと言うらしい。
なんだかCMYKのような名前だ。
そしてこの大陸はブラッカス大陸と言うらしい。
益々CMYKだな。
その他小国がいくつかあるそうだが、今回は省略された。
そして、うちはこの辺一帯の街が領主だそうだ。
街の名前はローゼンアーチと言うそうだ。
「そう言えばラファエルくんはフラン様の加護を受けてるんですね!」
「はい、腐乱…じゃなかった。フラン様の加護を受けました。」
「加護を受けると何か能力がもらえるそうですが、何か能力に目覚めたりは?」
あー、この魔眼の事だろうけど、公には言えないよなー。
「さ、さぁ…自分でもまだよく分からなくて」
「ふーん。」
すこし気まずい。
「とりあえず今日の授業はここまでにしましょうか。」
「ありがとうございました!」
「じゃあまた明日ね!」
街かぁ。
まだ小さいので一度も街に行った事が無かったので、一体どんな街なのか興味が湧いた。
「あ、先生!明日の授業なんだけど、僕街に行って見たくて、連れてってもらえませんか?」
「うーん、そうですねぇ…」
メラウはしばらく考えた。
「では、ユリウス様に聞いて見ますね!」
「はい!」
街に行けたらいいなぁ。
そんな淡い期待に胸を寄せるのであった。