第5話 学園
あれから4年の月日が経っていた。
僕は5歳になっていた。
来年から学校生活が始まる。
兄弟達は昨日夏休みで家に帰ったきた所だ。
長男は14歳
次男は10歳
長女は8歳になっていた。
どうやらこの世界での学校は、下級学園と上級学園の2種類あるようだ。
所謂小学校や中学校のような物だ。
6〜12歳は下級学園、13〜17歳は上級学園と振り分けられ、18歳で成人らしい。
下級学園を卒業すると冒険者になれるそうで、上級学園を卒業するとさらに職業の選択肢が増えるそうだ。
久々に帰ってきた兄弟のステータスを覗き見る。
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ケイラス・シン・エモトァス
年齢 14歳
性別 男
生命力325/325 体力302/505 魔容量156/156
力82 魔力32 頑丈69 素早さ108
【技能】
剣技[17Lv] 体術[9Lv] 馬術[8Lv] 槍術[7Lv]
【魔法一覧】
ライト[5Lv] ヒール[5Lv] ディバインパニッシュメント[2Lv] シールドプロテクト[2Lv] エレメンタルプロテクト[1Lv] キュア[1Lv]
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長男はバリバリ聖騎士として育っているようだ。
特に力と素早さがだ高く、頑丈さも備わっていた。
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サヴィア・シン・エモトァス
年齢 10歳
性別 男
生命力187/187 体力256/313 魔容量137/137
力53 魔力56 頑丈23 素早さ72
【技能】
剣技[8Lv] 体術[4Lv] 弓術[3Lv]
【魔法一覧】
ライト[5Lv] ヒール[5Lv] ディバインパニッシュメント[5Lv] シールドプロテクト[1Lv] エレメンタルプロテクト[1Lv] キュア[1Lv] ホーリーバインド[1Lv]
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次男は長男と比べてやや魔法寄りだ。
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マレッサ・シン・エモトァス
年齢 8歳
性別 女
生命力125/125 体力152/152 魔容量207/207
力14 魔力72 頑丈13 素早さ42
【魔法一覧】
ライト[6Lv] ヒール[4Lv] ディバインパニッシュメント[1Lv]
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長女はかなり魔法特化のようだ。
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ラファエル・シン・エモトァス
年齢 5歳
性別 男
生命力82/82 体力152/160 魔容量23/205
力15 魔力73 頑丈10 素早さ38
【加護スキル】
魔眼 鑑定 アイテムボックス
【技能】
剣技[2Lv]
【魔法一覧】
ライト[11Lv] ディバインパニッシュメント[9Lv] ヒール[7Lv] シールドプロテクト[2Lv] ホーリーエンチャント[1Lv] エレメンタルプロテクト[1Lv] キュア[1Lv] ホーリーバインド[1Lv]ホーリーアロー[1Lv]
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自分もかなり魔法特化になってるなぁ
5歳児のステータスとしてはかなり良いのでは?
「ねぇねぇ、ラファエルは学園に入ったらどっちに行くの?」
「え?どっちって?」
ステータスを見ていた時に、長女に突然話しかけられてビックリした。
「学園は騎士学科と魔法学科で分かれてるんだよ!ケイラスお兄様は騎士科、サヴィアお兄様とあたしは魔法科だよ!」
次男は剣技や体術が使えるようだが、魔法科なのか。
「僕も魔法科に入りたい!」
そう、僕が目指すのはヒールでモテモテ生活!
剣より魔法!
「それじゃケイラスお兄様1人だけ騎士科だね」
と無邪気に笑う長女。
「まぁ、うちは神聖魔法が得意な家系だから戦うより支援する方が向いてるからな」
父が現れた。
そう言えば父のステータスを見た事なかったな。
鑑定!
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ユリウス・シン・エモトァス
年齢 46歳
性別 男
生命力1029/1029 体力1498/1502 魔容量723/723
力531 魔力352 頑丈346 素早さ285
【技能】
剣技[46Lv] 体術[42Lv] 槍術[38Lv] 馬術[37Lv]
【魔法一覧】
神聖魔法下級[マスター](全て25Lv)
ホーリーアロー[15Lv]ホーリーエンチャント[15Lv] シールドプロテクト[25Lv] エレメンタルプロテクト[25Lv] キュア[16Lv] ホーリーバインド[19Lv] ハイヒール[25Lv] フルヒール[5Lv] エリアヒール[10Lv] ライトニングサンダー[8Lv] ミラータワー[5Lv] ホーリーシールド[8Lv] ターンアンデッド[3Lv] ファイア[25Lv] ファイアアロー[17Lv] ファイアウォール[7Lv] ウォーター[25Lv] アイス[15Lv] アイスアロー[12] etc…
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うぉおおお、ハイスペックすぎる…
そう言えばメイドさんから聞いたが、父はこの国の中でも屈指の強さだとか。
力の強さに加えて魔法の量も半端ないな…。
母親が来たので母親も鑑定してみる。
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マリア・シン・エモトァス
年齢 38歳
性別 女
生命力253/253 体力132/132 魔容量856/905
力37 魔力602 頑丈23 素早さ43
【魔法一覧】
神聖魔法下級[マスター](全て25Lv)
神聖魔法中級[マスター](全て25Lv)
神聖魔法上級[マスター](全て25Lv)
リザレクション[4Lv] ホーリークロス[5Lv] ディバインジャッジメント[3Lv] ホーリーノヴァ[4Lv]
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この偏り!!血を感じる…
母は神聖魔法マスターのようだ。
メイドさんに聞いた話によると、どうやら母は昔聖女をしており、父は王宮で聖騎士長をしており、2人が結ばれて結婚したそうだ。
それにしてもハイスペックすぎるだろ…。
この世界の平均値がどのくらいなのか気になる所だが、十分ハイスペックなのは分かった。
ちなみに、ステータスの数値だがあれから調べてみた所、生命力が所謂HPだ。
体力がスタミナで、魔容量がMPのようだ。
「早く学校行きたいなー」
「そうだ!あたし今日から暇だし、ラファエルに勉強教えてあげるよ!」
「え」
長女の提案に僕は固まった。
「なによー、学校入ったら勉強しなきゃダメなんだよ!今から勉強しないとラファエル成績どん底だよ!」
違う、そうじゃないのだ。
説明する暇もなく部屋に連れて行かれるのであった。
「ラファエルってもう字は読めるんだよね?」
「うん。」
「じゃあ、算数教えてあげる!」
バッと本を広げる。
(やっぱり小学生レベルの問題じゃん…)
「いい?これは足し算っていうの!」
「あの、マレッサ姉さん…もう算数できるよ僕…」
固まる長女。
「はーん、そうやって勉強抜け出す気ね」
全く信じてもらえていない。
「ちょっと待ってて!」
そう言うと長女は何かを書き出した。
「じゃあこれ解いてみて!」
足し算、引き算、掛け算の問題が書かれている。
勿論ただの計算で引っ掛けも何もないのでいとも簡単に解く。
「え、嘘…」
真っ青になる長女。
「じゃあ僕からの問題。」
割り算の問題を出す。
掛け算までしか書いてなかったのでもしかしてと思ったのだ。
「何よこの記号…デタラメ書いてるんじゃないの?!」
「知らないの??」ぷぷー
「むっかー!じゃあ、あんたが解いて見なさいよ!」
サラサラっと解く。
「貸して!」
解き終わるとバッと長女は問題用紙を奪ってどこかへ行ってしまった。
10分程すると長女が戻ってきた。
「パパが呼んでる。」
「え?」
「伝えたからね」
不服そうな顔で一言そう言うと自室へ戻って行った。
今度はなんだろう…。
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「この問題を作り、さらにこれを解いたのはラファエルなのか?」
父親は開口するやいなや問題用紙の事を聞いてきた。
「え、そうですけど。」
「割り算は10歳になったら学校で習うが、お前はどこで勉強したんだ?」
「えっと、本とかで読んで…」
適当にごまかしたが、父親の顔が非常に怖い。
怒ってるのだろうか、はたまた気味悪がっているのだろうか。
「ラファエルはお前は本当に天才かも知れない。」
いやいや、そりゃ元高校生ですから。
「この家を継ぐのはお前がいいかも知れんな…」
「え?」
ええええええ、よりにもよって家継ぐとか無理みなんですけど!
「いえいえ、ケイラス兄様のように強い方がいいかと!」
「それならば魔法はお前の方がケイラスより上だからなお問題はないな。」
ちょま!!
墓穴を掘ってしまった!!
「ぼ、僕まだ5歳だし、よくわかんないから!!」
なんとかその場をごまかして部屋を飛び出た。
「くそー!それもこれも発端はマレッサのせいだ!どうしてくれよう」
そうだ、せっかく家にいるのだからたっぷりディバインパニッシュメントの練習台になってもらおう。
黒い笑みが溢れるのであった。