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第43話 初デート後編

『お待たせしました、クアトロフォルマッジです。』


マルゲリータを平らげた頃に、クアトロフォルマッジが出された。


「う〜〜〜ん!おいしい〜〜!!」

「っぷ」


ウィルがピザを頬張る僕を見て笑った。


「え、なに?」

「いや、なんでも…クス」

「えー、気になるじゃん」

「いやぁ、ラファエルって普段歳の割に大人びた性格してるなと思ってたんだけど、初めて年相応なところ見たなと思って」

「え、そんなに子供っぽかった?」

「こんなに喜んでもらえて、今日ここに連れてきて良かったと思ったよ」


うおおおおおお、なんだこのイケメンは!!!

普段少しガサツだけど、たまに見せるこのイケメンさが憎たらしい…!!


「そう言えば噂で聞いたんだけど、ユカリってラファエルと同じクラスだったんだってな?」

「そうだよ〜」


もう冒険者になって半年くらい経つのかな。

ユカリはうまくやって行ってるんだろうか。


「なんでもそのユカリって女の子が、最近Cランクになったらしい」

「それって凄い事なの?」

「凄いどころか、この速度は異常だよ。それに、まだ10歳って事もあって、Cランク最年少記録叩き出したんだってさ」


ユカリも頑張ってるんだなぁ。

幼馴染みの活躍に、自分まで嬉しくなった。


「しかも、ずっとソロで冒険者やってるって噂で、いろんなパーティから声かけられてるのに全部断ってるらしいよ」

「あー、ユカリの事だから、パーティ組んだらかえって邪魔とか考えてるのかも…」


正直Cランクと言うが、強さ的にはBでもおかしくは無いとは思う。

Bランクともなれば、冒険者の中でも上位に入るし、組む相手は慎重に選ばないといけなさそうだ。


「それが、断る時『私、もう組む人決めてるので』って言ってるらしい」

「へぇー、その人って誰なんだろー」

「おま…それマジで言ってる…?」


ウィルが呆れた顔をして問いかける。


「え?…あー、そっか。」

「そう、もう周りじゃ噂になってるよ。決めてる人ってラファエルの事じゃないかってね」

「まぁ、幼馴染みだし」

「寧ろそこが大きいと思うよ。言ったろ?『パーティーを組むのは信頼できる奴じゃないとな』ってね」


まぁ、普通に考えればそうか。

ましてやユカリはまだ10歳の少女だ。

いくら強いとは言え、持続的な不安やストレスは長期で見たら大きな負担になる。


「じゃあ、僕達が冒険者クラス卒業したら、パーティにユカリ誘っても良い?」

「ははっ、それは願ったりも無いな!断る奴の気がしれねぇ!」


聞くまでもなかったようだ。



『いらっしゃいませー』


ザワザワ…


『おい、あれって…』

『今噂の…?』

『いや、まさかぁ』


一人の客の来店に突然店内がざわつく。


「ん?何かあったのかな?」


気になって見てみると、フードを深くかぶった女の子がカウンター席についた。


「ん…もしかして…」


鑑定


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ユカリ

年齢 10歳

性別 女

生命力173/173 体力251/251 魔容量423/423

力41 魔力165 頑丈31 素早さ70

【魔法一覧】

シャドウ[25Lv] シャドウランス[25Lv] シャドウバインド[25Lv] シャドウウォール[25Lv] シャドウカッター[23Lv] シャドウメイデン[18Lv] シャドウデスサイズ[7Lv] シャドウスワンプ[8Lv] ダークアイズ[10Lv] グラビティ[25Lv] グラビティアンプリファー[6Lv] グラビティウォール[5Lv] グラビティボール[4Lv] Lドレイン[4Lv] Mドレイン[5Lv]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やっぱり、ユカリだ!


「おーい!ユカリ〜!」


ザワザワ…!!


店内がざわついた。


フードを被った少女は早歩きで近づいてくる。


「っっっこのバカ!!!大声で人の名前呼ぶな!!!」(超小声)


『やっぱり、あのユカリなのか?!』

『あたしファンなの…サイン貰えるかな…』

『俺握手して欲しいなぁ』


店内の客の視線がこちらに集中する。


「ゆ、ユカリンゴ!!久しぶり〜!!!」


なんとか誤魔化そうとした。

ユカリは想像した以上に世間で人気だったらしい。

そりゃ街中で芸能人見かけて、大声で名前呼んだら怒られるよな。


「ひ、久しぶり〜()()()()くん!」(裏声)


『ユカリンゴ…?ユカリじゃないのか?』

『なーんだ、紛らわしい名前しやがって。』


なんとか誤魔化せたらしい。


「それより、ラミエルくんってなんだよ!」

「あら、先にユカリンゴなんてクソダサい名前で呼んだのそっちだけど?」


「えーと…」


ウィルが完全に置いてきぼりになっていた。


「あ、紹介するね!この子が今噂のユカリだよ!」

「はじめまして、ユカリです。」

「はじめまして、ウィルです。」


ウィルとユカリが互いにお辞儀する。


「この人はウィルって言って、今冒険者クラスで一緒にパーで組んでるんだ。」

「へぇ!いつもクソ生意気なラファエルがお世話になってます」

「おい!クソ生意気ってなんだよ!」


「っぷ!」

「「ん?」」

「ごめん、ユカリさんって噂だといつもクールだって聞いてたから、想像と全然違ってて…」


「ねぇ、ラファエル。今私貶されてる?」


ユカリが笑いながら拳を握りしめる。


「それより、丁度ユカリの話をしていたんだ。学校卒業したら、一緒にパーティ組まないか?って」

「ふーん」


ユカリがウィルの顔をマジマジと見る。


「うっ」


ウィルが少し照れている。


「ラファエル、ウィルの事好きなんでしょ?」

「ちょっ…!!!///」


飲みかけの水が噴き出た。


「え?好き…って?」

「え!まだコクってないの?これデートじゃないの?」

「ゆ〜〜〜か〜〜〜り〜〜〜!!」


ウィルが戸惑っていた。


「ご、ごめん、私いつもラファエルの事揶揄う(からかう)のが好きで…」(棒読み)

「は、はぁ…」


ウィルは何やら唖然とした顔をしていた。


「で、どうなの?好きなの?」(小声)

「う、うん…」(小声)

「そう…」(小声)


「パーティの件だけど、良いわよ」

「本当に?!」


ウィルが驚く。


「ラファエルがウィルさんの事好きって言ってるし信用にあたる人物と判断したまでよ」

「ん?好き?」

「と、友達としてって事だよ!!!」

「そーかそーか!!嬉しいなぁ!」


ウィルが鈍感で助かった。


「ユカリ、次言ったら許さないからな」

「ごめんって」クスクス


「そう言えば、ユカリってよくここに来るの?」

「ううん、今日が初めて」

「へぇ、偶然もあるんだなー」

「外の窓から見えたから入ったの」

「あ、そう…」


折角のウィルとのデート…ユカリも合流しちゃったけど…まぁ、久しぶりだし良いかな。


「じゃあ、勘定済ませてくるから待ってて」


そう言うとウィルが席を立った。


「じゃあ僕達も出ようか」

「うん」


僕はユカリとお店を出た。


『おい!どうしてくれんだ!』

『す、すみません!!』


何やら外でトラブルが起きているようだ。

声のする方を見ると、子連れの母子と冒険者の男がいた。

見るからに子供のアイスクリームが男の荷物に着いて、それで男が怒っているようだった。


「親ならしっかり子供を見ておけよ!そいつのおかげで俺らの討伐素材の価値が下がっちまったじゃねーか!」


どうやら討伐してこれから売却する魔物の素材にアイスクリームがついてしまったみたいだ。


『す、すみません!!』

『素材の価値が下がった分、あんたが払えよ!銀貨5枚だ!』

『ぎ、銀貨5枚?!そ、そんな金額…』


銀貨5枚…約25,000円相当だ。

日本なら払えなくはない金額だが、この世界の一般市民からしたらかなりの金額。

下手したら半月分の収入くらいになるだろう。


「はぁ…」


ユカリが隣でため息をつく。

しょうがない、助けるか。


「あの、すみません。」

『ん?なんだ?』

「その毛皮、グレートウルフの毛皮ですよね?」


素材は鑑定済みだ。


「グレートウルフはC級モンスター。C級モンスターの毛皮は高くても小銀貨5枚ですよ」


『なんだぁ?!お前も俺にたてつく気か?!ガキのくせに大人を舐めると痛い目見るぜ!』


冒険者が剣に手を掛ける。


「小銀貨5枚なら出せますか?」


子連れの母親に尋ねた。


『え、えぇ。それくらいなら…』

「だそうですが、どうしますか?」

『銀貨5枚だ。』


男がニヤニヤ笑う。

こちらが子供で何もできないと思っているのだろうか。


「交渉決裂ですね」

『そうかい、ならこの親子を庇った事を病院で後悔するんだな!』


男は殴りかかってきた。

武器を出さないのは殺さない為か。

こう言う中途半端な悪が一番困る。


バチィッ!!


『痛ってぇ!!』


予めかけておいたホーリーシールドだ。


『このガキィ…』


男がブチギレたその瞬間足元から黒い影が出て男の体を拘束した。


「いい加減醜いわよ。パンダー」

『お、お前は…!』


ユカリが出てきた。


ってかコイツの名前パンダーって言うのかよww

パンダwwwwwwww


「どうする?これ以上やるならあたしが相手になるけど」

『わーったよ!俺の負けだ!』

「そう」


ユカリがバインドを解く。


『今回はユカリの免じて許してやる!』


そう言うとパンダーは駆け足でギルドに向かった。


『あ、ありがとうございます…。何かお礼を…』

『お姉ちゃんありがとう!!』


子連れの母子がお礼を言いに来た。


「大丈夫です。冒険者の問題ですから。」


『す、すみません!僕ユカリさんのファンで…さ、サインをください!!』

『私も!』


周りにいた野次馬達がユカリに駆け寄った。


「おーい!どいてくれ〜!」


人混みをかき分けながらウィルが帰ってきた。


「すまんすまん、会計が並んでて時間かかってしまった…って言うかこの状況は…?」


ウィルが唖然としていた。


「ユカリ、ずらかるぞ!」

「あたしは大丈夫…2人で続き楽しんで来て」


そう言うとユカリは人混みに吸い込まれて見えなくなってしまった。


その日は結局ユカリがどうなったのか気になって、デートどころではなくなってしまったのであった。

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