第16話 魔法大会1日目前半
魔法大会1日目
広い会場では、各クラスのトーナメントが同時に始まっていた。
「この魔法大会では、怪我をしないように魔法がかけられています。魔法を受けても怪我はしないので安心してください。」
なるほど、そらなら安心だな。
ユカリの魔法とかうっかり人殺しそうだもんな。
「なんか、失礼なこと考えてたでしょ?」
「え、いや…」
おぉ、おっかない。
「1回戦目!アマレット・ユーラストVSクレア・ベルベット」
いきなりクレアが出る。
同じ班なのでユカリとハリスも一緒に応援する。
「あのアマレットって子、たしか火属性が得意だったからクレアの方が有利ね」
ユカリが冷静に分析をする。
そして、ユカリが言った通りアマレットは火魔法を放つが、尽くクレアの水魔法で消される。
しかし、クレアも強力な魔法は持っておらず、決定打に欠けていた。
「ウォーターバレット!」
「きゃあ!」
クレアの水の弾でアマレットの体が場外まで吹き飛ばされた。
「1回戦!クレアの勝利!」
「よっし!」
戻ってきたクレアとみんなでハイタッチした。
「2回戦!イレーネ・メルトン VSソル・ガネット」
イレーネはシンシアと同じ班の女子だ。
対してソルは男子。
「この勝負どっちが勝つと思う?」
ユカリに問う。
「んー、恐らくあのイレーネって子ね。土魔法が得意で、ソルって子は火が得意みたい。」
「このトーナメント、属性の相性もかなり関わってくるね…」
この2人もかなり全然したが、イレーネの石の弾でソルが吹き飛ばされて試合が終了した。
「2回戦!イレーネの勝利!」
「多分あのシンシアのパーティの子達、このクラスでも頭ひとつ飛び抜けてると思うわ。気をつけて」
悔しいけどユカリが言うなら本当なんだろう…。
「3回戦!エンデル・クレゼットVSコバルト・ラ・カーペスト」
コバルト…あの人も確かシンシアのパーティの人だ!
しかも唯一男の子で貴族だ。
「エンデルが風属性高いでコバルトが水属性使いか。」
「ええ、でもあのコバルトって子、氷魔法も結構覚えてるみたいだわ」
試合は前戦と違い、すぐに決着がついた。
コバルトの氷魔法になす術もなくエンデルは吹き飛ばされた。
「第3回戦!コバルトの勝利!」
「あのコバルトって子、要注意ね。」
「ユカリさんでもヤバい?」
「それは無いわ。」
「あらそう」
「第4回戦!カミラ・バーミリオンVSユカリ」
「あら、私の番ね。」
「気を付けて。」
「余裕だわ。」
「あの子も確かシンシア班の子だよな。」
「ユカリさんなら大丈夫だと思います。」
「僕もそう思う。」
クレアとハリスもユカリを応援しているようだ。
「出たな魔王!ここで私がアンタを倒す!」
「あら、威勢がいいわね。でもよく吠えるのは弱者の証拠よ。覚えておきなさい。」
「きぃ!!」
おうおう、早速お互いに挑発し合っている。
「では、試合始め!」
掛け声と同時にカミラが魔法の相性を始めた。
「熱き炎よ、敵を穿つ槍となれ!ファイアランス!」
そう言えば、試合を見ていたがみんな魔法を放つ時詠唱をするんだよね。
授業では、その方が魔法をイメージしやすく、威力が上がると習ったが発動まで時間がかかるよなー。
「シャドウランス」
ユカリの手から黒い槍が放たれる。
火の槍と闇の槍がぶつかり合って爆発した。
「シャドウバインド」
「なんだこれ!」
爆発の煙が晴れると影に縛られたカミラが見えた。
「くそ!この!」
「さよなら、シャドウメイデン」
魔法を唱えた瞬間カミラの影が十字に伸び、そこからトゲが出た。
そして、その影は花の蕾になるように閉じた。
「あれ、下手したら死んでね?」
強力な魔法の前に見ていた観客が静まり返った。
そして、影が消えるとカミラは意識を失ったまま倒れた。
「第4回戦!ユカリの勝利!」
「ただいま」
ユカリが席に戻ってきた。
「おかえり、エグい魔法だったね…」
「そう?」
ユカリは敵に回したく無い、そう強く思った。
「第5回戦!シンシア・フォン・マグリットVSブレダ・アーノルド」
シンシアか…。
「お手並み拝見ね。」
「だな。ちなみにどっちが勝つと思う?」
「そうね、シンシアは雷魔法と風魔法を使う、対してブレダは土魔法。実力も相性もシンシアね。」
「意外だね」
「え?何が?」
「てっきり、シンシア死ねーとか言うのかと思ってた」
「それ失礼じゃない?」
そんな軽口叩きながら見ていたが、シンシアが圧勝だった。
詠唱魔法と無詠唱魔法を使い分けてうまくタイミングをずらして攻撃をしていた。
「思ってたよりやるな」
正直勝てるか少し不安になった。
こうして午前の部が終わった。




