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第2話 女神の子

どれくらい寝ていたのだろうか。

長いようで短い夢を見ていた感覚だ。


目を開けると目の前に綺麗な女の人がいた。

勿論今度は女神では無い。

金髪で金色の目をした品の良さそうな女性だ。


「あら!ラファエルちゃん!起きたのね!」


ラファエル…?

あぁ、僕の名前かな…


おそらくこの人が新しい母親だろう。


「あ、あ」

ママと呼んだつもりが、まだ口がうまく動かずちゃんと発音ができない。


(こりゃ色々できるようになるまでかなり時間がかかりそうだ…)

まだ自由に動けないので、毎日人がいない時に発声練習と魔力操作の練習を行う事にした。


え?魔力操作をどうやって覚えたかだって?

目を閉じると暖かい物があって、意識してみたらできるようになっていた。

ただ、まだ上手くできないので練習が必要だ。


ーーーーー1年後ーーーーー


僕は1歳になっていた。

この頃になると少しずつ歩けるようになっていたので家の中を歩き回るが、さすが貴族の家だけあって幼児にとってはかなり広い。

まだ1人で歩くのは危険なので、出歩く時は常にメイドが付き添いだ。


そう言えばこの間鏡を見た時は驚いた。

家族の目の色は皆金色なのに、僕だけはピンク色をしていた。

遺伝が違うのかと思ったが、どうやら女神の加護の証らしい。

愛の女神の加護をもらうと体の一部がピンク色になるそうだ。



(そろそろ魔法も覚えたいな…)


「メアリー、ほんよみたい」


メアリーはこの屋敷のメイドの1人で、僕のことを溺愛しているメイドの1人だ。


「まぁ!ぼっちゃん本を読みたいのですね!では、今持ってきますのでお部屋で待っててくださいね!」


「ちがう、と…ほんおいてあるへやにいきたいの」


危ない危ない。

きっと1歳児が図書室なんて言葉は知らないだろう。

そう、僕は魔法の本が読みたいのであって、絵本の読み聞かせをして欲しいのでは無い。


「図書室ですか?では、一緒に行きましょうね〜」


ガチャ


図書室のドアを開けるとたくさんの本棚が並んでいた。


「今日はどんな本を読みたいですか?」


目尻の垂れたメアリーが問いかける。


「まほうのほん!」


「はい、魔法の本ですね!…え!魔法の本ですか?!」


メアリーの緩み切った顔が驚きで引き上がった。


「まほうつかいたい!ダメ?」


ズキューーーーーン!!!

上目遣いをすると、メアリーは何かに胸を撃ちぬかれたかのように胸を押さえた。


あ、これは魔眼の効果かな。


「すすすす素晴らしいですわ!なんて勤勉なおぼっちゃまなのでしょう!」


「まほうのほんどこ??」


「こちらですわ!では、魔法がわかる方を呼んできますわ!」


「だいじょうぶ!じぶんでよむ!」


どうやらメアリーは魔法が得意では無いらしい。

それと気になったのはどれも光魔法と神聖魔法ばかりで、火や水などを扱う魔法の本がなかった事だ。


取り敢えず自分で見て分からなければ聞こうと思い、読み進めていたところをメアリーは神童を見ているかのような眼差しで見つめていた。


どうやらこの世界では下級魔法、中級魔法、上級魔法、特級魔法の4段階魔法があるようだ。


ーーー下級魔法ーーー

・ライト…光を放つ。

・ヒール…対象の軽い傷を治す。

・ディバインパニッシュメント…対象にバチを与える


ーーー中級魔法ーーー

・ハイヒール…対象の大きな傷を治す。

・キュア…毒や魔法による状態異常を回復する。

・シールドプロテクト…物理攻撃を緩和するバリアを張る。

・エレメンタルプロテクト…魔法攻撃を緩和するバリアを張る。

・バインドロック…対象を束縛する。

・ホーリーエンチャント…対象の攻撃に光属性を付与する。

・ホーリーアロー…光の矢で攻撃。


ーーー上級魔法ーーー

・フルヒール…対象の傷を全て治す。

・ターンアンデット…浄化の力で不死属性の魔物を遠ざける。弱い魔物はそのまま浄化される。

・エリアヒール…一定範囲内全ての対象者の傷を治す。

・ライトニングサンダー…対象に雷を落とす。

・ミラータワー…魔法を跳ね返すバリアを張る。

・ホーリーシールド…物理攻撃を受けると相手にダメージを与えるバリアを張る。

・ホーリーレイ…光のビームを放つ。


ーーー特級魔法ーーー

・リザレクション…対象者を蘇生する。ただし腐乱が進むと蘇生できない。

・ホーリークロス…大きな十字架を召喚し、魔物には光属性魔法で攻撃、同時に味方の傷を治す。

・ディバインジャッジメント…無数の雷を対象に落とす。

・ホーリーノヴァ…光の流星群を降らせる。


ざっと本を読んだ感じだと神聖魔法はこんな物だ。

神聖魔法は他の魔法と違って攻撃魔法が少ないようだ。


「こうげきまほうつかってみたいな…」


「あらあら、ぼっちゃん!回復魔法もいいですわよ!回復魔法使える人は少ないですし、みんなから感謝されますわ!」


回復魔法が使える人は少ないのか…

と言うことはイケメンを助けて恋に落ちれば…!


「むふふ…」


「ぼ、ぼっちゃん…?」


おっとにやけてしまった。

「ぼく、かいふくまほうがんばる!」


目標は決まった!

回復魔法でイケメンを助けて結婚する!

これにしよう!


こうして今日から神聖魔法を勉強し始めた。


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