第11話 ユカリ
Aクラスな皆は案内係に連れられて寮に集まっていた。
「それでは、男女に分かれてください。」
男が9人と女が11人
「2人部屋になるので、各自男同士女同士ペアを組んでください。」
ペアか、これだと男女1人ずつ余るな。
そんなことを考えているとあっという間にペアが出来ていた。
気になっていたハリスはコバルトくんとペアになっていた。
女の方はユカリが余っていた。
「では、ペアにならなかった方は1人部屋になります。」
ラッキー!
やっぱ部屋は1人の方が落ち着くしなー。
「では、こちらについてきてください。」
次に案内されたのは食堂だった。
「17時半から開いていますので、毎日この食堂でご飯を食べてください。」
「はーい」
「それでは、今日はここまでになりますので部屋に戻るなり自由時間にしてください。」
そう言うと、みんなが一斉に自分たちの部屋へ駆け足で戻っていった。
17時半まで後1時間か。
自分も部屋の片付けとかしようと部屋に戻った。
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17時半になると食堂へ向かった。
中に入ると先輩や他の生徒もちらほら見かけたが、ラキ達の姿は見えない。
どうやら他のクラスとは寮が違うようだ。
Aメニュー「ポークカレー」
Bメニュー「ホワイトシチュー」
うん、前から思ってたけどこの世界のご飯は地球と変わらないんだよな。
きっと昔転生した人が広めたんじゃないかと思うけど。
「取り敢えずカレーにしようかな。」
カレーを受け取ると、適当に空いてる席に座った。
「いただきま…」
ふと目の前を見ると、クラスの女子達が集まっていた。
「ラファエル様!ここ空いてますか??」
「一緒にご飯を食べませんか!?」
うぅ、めんどくさい…。
「お待たせ。ここ良いかしら?」
隣にホワイトシチュー定食が置かれた。
隣を見るとユカリだった!
「困ってるんでしょ?」
小声でユカリが苦笑いしながら呟いた。
ああ!ユカリ様!貴女はまさしく僕の勇者様です!
「あ、あぁ。今来たところだよ!」
適当に話を合わせる。
「またこの女…」
さっきまで黄色い歓声を上げていた女子達があからさまに恐怖で引き立った顔をしている。
「あ、あの、失礼ですがラファエル様…この孤児の女とどのようなご関係で…?」
あぁ、全くもって失礼だ。
「なんで?僕と彼女の関係性が貴女達とどのような関係が?」
女達は黙り込んだ。
「い、行きましょう…」
そう言うと女子達は他の席へと足を運んだ。
「きっとラファエル様、あの女に操られてるんですわ!」
遠くからこそこそ話が聞こえてきた。
「面倒ごとになりそうね。」
冷静にシチューを食べながら呟くユカリ。
「ごめんね、俺の話に付き合わせちゃったばっかりに」
「別に、慣れてるから」
相変わらずクールだった。
「それで、ユカリさんはどうしてこの世界に?」
「………事故ったの」
サラリと即答する。
「ラファエルくんは何でこの世界に?」
「え、ぼ、僕は自殺で…」
「どうして?」
「その、クラスでいじめを受けて…」
なんだか、気不味かった。
「ふふ、なんか私の好きだった人みたい。案外転生前も近くに住んでたりして」
「僕は東京に住んでたよ」
「私も東京だったよ!◯◯高校に通ってたの!」
「え!僕も◯◯高校だったよ!」
「え!本当に近かったんだね!」
お互い転生前も同じ学校だったので驚いていた。
「あれ、違ったらごめんだけど、もしかして早乙女くん?」
「え!僕の事知ってるの?!」
「うそ!ほんとに?!」
ユカリはどうやら転生前の僕を知っていたようだ。
「ユカリといえば…、もしかして、臺由香里?!」
「えへへ、バレた?」
「え、じゃあ好きだった人って…」
「あ!あれは無し!無し!忘れて!」
ユカリは転生前少しだけ話した事あったけど、まさか僕の事が好きだったなんて…。
「それで、早乙女くんは何で虐められたの?」
「え、それ聞いちゃう?」
「いいじゃん」
「好きな人にふられて…」
「中田くん?」
「え!?何で知って…?!」
「え、だってずっと中田くん見つめてたじゃん」
バレてたの?!恥ずかしい!!!
「やっぱそうだったんだー」
「気付いてたのかよ!」
「いや、確信はなかったけどね」
「まぁ、こっちの世界で知ってる人がいて少し安心した」
「あたしも」
「そういえば、なんでユカリは転生前と同じ名前なんだ?」
「あー、それは捨てられたからあたしが自分で自分につけたの」
「そっか、まぁでも、孤児院に引き取られて良かったね」
「え?私孤児院に行ってないよ?」
「え?でも孤児だって…」
「森に捨てられて、自力で街に来て学園に保護してもらったの。」
空いた口が塞がらなかった。
「ユカリってたくましいんだね…」
「ありがとう」
「いや、うん…どういたしまして。」
その後、お互い懐かしい話をしながら食事を楽しんだ。




