第8話 入学試験
今日は王都にある学園に来てきた。
入学試験だ。テストの結果でクラス分けされるらしい。
「騎士科を受ける生徒は左手に!魔法科を受ける生徒は右手に進んでください!」
門を通ると大きな広場に出た。
中央にいる案内係が大きな声で叫んでいた。
「魔法科だから右の方か」
案内通り右に進むと大きな校舎があった。
校舎の入り口で番号札を配ってる人がいる。
「はい、こちらの番号札は無くさないようにしてくださいね。」
あれを貰えばいいのかな。
「番号札ください!」
「はい、1886番ですね。こちら無くさないようにしてください。」
番号札を胸元に付ける。
「試験会場は各自振り分けられた番号の教室になります。」
「ありがとうございます。」
えーと1886番の教室は…
どうやら2階のようだ。
ガラガラ…
教室に入ると生徒がちらほら座っていた。
男子が4人と女子が3人
「えーと、僕の席は…あった」
「よっす!俺ラキって言うんだ!お前名前は?」
席に座ると隣の男の子が話しかけてきた。
オレンジ色の短髪で元気が良さそうだ。
「僕の名前はラファエル」
「ラファエルか!良い名前だな!」
少し馴れ馴れしいが、悪い子ではなさそうだ。
「俺の事はラキって呼んでくれ!」
「僕の事はラファでいいよ」
「よろしくな!ラファ!なぁ、知ってっか?今年領主様んとこの三男も入学するらしいぜ!」
ドキッ
一瞬焦ったが、どうやら顔や名前は知られていないようだ。
学校では身分は関係ないので、他の生徒の気が散らないように後悔しなかったのかな。
「へ、へぇ…」
曖昧な返事でごまかした。
「まぁ、領主様のご子息だから俺とはクラス違うと思うけど、お互い試験がんばろうぜ!」
「うん、頑張ろう」
暫くすると教師が教室へ入ってきた。
「では、これより筆記試験を始めます。机には筆記用具以外出さないようにしてください。」
プリントが配られる。
1枚目は読み書きの問題だ。
これは問題ないだろう。
スラスラ解いていく。
2枚目は算数の問題だ。
これも楽勝。
3枚目は魔法に関する問題だ。
下級魔法についての問題のようだ。
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1)火の下級魔法で正しいのはどれか。
1.ファクトリー
2.ファイア
3.サンダー
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これも楽勝だな。
神聖魔法以外ほとんど知らなかったが、読み書きができるなら解けるような問題だ。
残念ながら神聖魔法についての問題はなかったが、筆記試験は問題ないだろう。
キーンカーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
「そこまで!では、プリントを回収します。校庭に先生が待機していますので、そこに集合してください。」
生徒達が教室を出る支度を始める。
「なぁなぁ、筆記試験どうだった??」
小声で聞いてくるラキ。
「え?簡単だったよね!」
にこやかに答える。
「ま、まじか!俺算数と魔法少し自信なかったぜ」
え、それは予想外だった。
「ほら、人には得意不得意があるから…ね?」
「お前、良いこと言うんだな!」
「取り敢えず次の集合場所に行こう」
「そうだな!」
僕はラキと校庭に向かった。
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「これより、魔法の試験を始めます。」
校庭には大体50人くらいが集まっていた。
「そこの的に得意な魔法を全力でぶつけてください。これから名前を呼ぶので、呼ばれたら前へ出てきてください。」
「なぁなぁ、ラファはどんな魔法が得意なんだ?」
「僕?僕は神聖魔法しか使えないよ。」
「え!?まじか!ラファは領主様と同じ魔法使えるんだな!すげー!」
あ、何も考えずに答えちゃったけど、下手したらバレてたな。
ラキが馬鹿で助かった…。
「ラキはどんな魔法が使えるの?」
「ふふふ、俺は火の魔法が得意なんだぜ!」
なんとなく想像はついてた。
「他の子達の魔法も見てみよ」
「お、そうだな!」
試験が始まるので他の子がどんな魔法を使うのか見る事にした。
多いのが火、水、風、土魔法だった。
「神聖魔法ってやっぱり珍しいの?」
「なんでも、消費魔力が大きいから他の魔法と比べると難しいらしい。それに下級、中級なら他の属性の魔法の方が強力なのが多いしな!」
なるほど、神聖魔法は大器晩成型なのか。
「お前も大変な魔法を選んだんだな!」
「うん、あまり戦うの好きじゃないから回復の魔法を覚えたくて」
「そっか!じゃあラファは将来聖者様になるのか?」
聖者とは教会に支えて、人々の病気や怪我を癒す人の総称だ。
「うーん、まだわかんないや!」
どっちかと言うと冒険者になりたいと思ってたが、取り敢えずそう言う事にしとこう。
再び試験に目をやる。
「ダークランス」
影のような黒い槍が的を突き刺した。
ざわざわ…
「闇属性だわ!」
「闇属性だ!」
何やら周りが騒がしい。
「あの子の魔法、今のところ1番強いね」
ふとラキを見る。
「闇属性かよ…」
「どうしたの?闇属性初めて見たけど珍しいの?」
「珍しいってもんじゃねぇよ、魔王の生まれ変わりとか世界を滅ぼす力って言われてるんだぜ」
なんとも物騒な話だ。
その闇魔法を放っていたのは黒髪の少女であった。
黒髪のせいか、どことなく日本人に見えて親近感が湧いた。
「あの子名前なんて呼ばれてた?」
「ユカリだったっけな?」
ユカリ?!あの子も日本人なのかな?
どこか哀愁を感じる表情をしている。
「次、ラキくん」
「お!俺の出番だぜ!」
意気揚々と前へ出ていく。
「ファイア!!」
勢いよく魔法を唱えるも威力は他の子とあまり変わらなかった。
その後見ていたが、気になった生徒はユカリともう1人の女の子だ。
名前はアリアと言うらしい。
緑の髪をした女の子で、木の魔法を使っていた。
ラキに聞いたところ土の魔法と水の魔法を習得すると使える魔法のようだ。
「ラファエルくん」
おっと、僕の番が来た。
「では、密かに練習をしていた魔法『ホーリーアロー』でも打つか。」
「ホーリーアロー!」
光の矢が的に当たる。
威力は他の人とあまり変わらないようだが、神聖魔法という事で周りがざわついた。
「もしかして、あの人って…!」
あ、さすがにバレるかな…。
騒ぎになる前に退散した。
「では、これにて試験は終わりです。各自帰りの支度をしてください。」
「じゃあ、帰ろっか」
「だな」
僕はそのまま家に帰った。
試験の結果は1週間後に出るそうだ。




