境界漫才「勇者と魔王」

勇＆魔「はいどーも～、勇者と魔王でーす」

勇「僕が勇者で」

魔「吾輩が魔王」

勇＆魔「名前だけでも覚えて帰ってくださーい」

勇「あ、脳の記憶容量にエラーのある方は」

魔「失礼だろお前」

勇「あ、失礼しました認知に重大な歪みがある方は「もっと駄目だろ」魔王さんの必殺技だけでも覚えて行って」

魔「いやいやいやいやおかしいおかしいおかしい」

勇「え～～～何がですか」

魔「まずお前・・・・・・吾輩の必殺技見てないだろ」

勇「いやまあそうなんですがね？」

魔「と言うかそもそもまだ戦ってないだろ！よく自分が知らんものを人にオススメしようとするなお前！全ての商人に頭下げて謝れ！」

勇「いや魔王さんともあろうお方であればですよ？必殺技も絶対カッコイイでしょ。漆黒のなんとかかんとかがバーって何かホライイ感じに」

魔「・・・・・・地味だよ！吾輩の必殺技メッチャ地味だよ悪かったなコノヤロー！」

勇「え、そうなんですか？」

魔「もう出す機会もないだろうから手の内バラすけどね？見えないオーラで敵がうわーって苦しんで死ぬ感じのやつだから絵面的にね？」

勇「へー、技名は何ていうんですか」

魔「・・・・・・・・・・いえむ（ボソッ）」

勇「え？ちょっと聞こえないんですが」

魔「・・・・・・・・漆黒のレクイエムだよ！何半端に名前当てちゃってんの」

勇「まあそんな僕たちが何でこんなところで漫才してるかと言うとですね」

魔「無視すなーーー！恥ずかしいだろ！」

勇「まあこんなところと言うか・・・・・・・・あの世とこの世の狭間の世界？」

魔「吾輩らの頭の上にも天使の輪っかが付いておるな」

勇「邪悪の権化みたいな恰好の魔王さんも天使の輪っかが付くんですね、いやーシュールですわ」

魔「やかましいわ！」

勇「まあこれは特別に力のある選ばれた上級存在の僕らだからで、観客席の一般庶民の方々は無課金・・・じゃなくって剥き出しの火の玉状の魂の姿ですね」

魔「言い方言い方！イヤミか！あと今無課金って言ったろお前」

勇「いや魔王さんも廃課金相当の上級存在ですから」

魔「やめろーーーーー！巻き込むなーーーー！まあとにかく、本来仇敵同士の魔王たる吾輩と勇者が漫才をしている理由であるが」

勇「僕が世界ごとドカンとやっちゃったんだZE☆」

魔「ZE☆じゃねーよ！星マーク付けるな！」

勇「いやだっていきなり召喚されてるんですよ僕？むしろ被害者ですよ」

魔「まあそれは同情すべき点ではあるな」

勇「で、召喚された魔法陣の周りにいた国王とか王女とか、顔だけは笑顔だけど目の光が腐ってて明らかに腹黒ですもん」

魔「決めつけは良くない」

勇「でも勇者の証～とか言って、ドクロデザインであからさまに禍々しい文様の彫られたネックレス押し付けてくるんですよ？」

魔「全身ドクロスタイルの吾輩が言うのも何だがなぜそのデザインを選んだ」

勇「召喚されたばっかだけど勇者補正なのか、奴隷にするタイプの感じの呪いのアイテムだって鑑定できちゃいましたもん。で、あーこれアカンタイプの異世界転移のやつってね」

魔「この世界の瘴気から生まれた身としては複雑ではあるが、まあアカンやつだな」

勇「で、自分で言うのもなんですがジブンチートですやんか」

魔「ドヤ顔でニヤニヤしながら言うな鬱陶しい」

勇「なんか召喚された時には全部の能力値MAXで、専用の聖剣も呼び出せる能力もあったんで」

魔「あー、主人公が強すぎてほとんどバトル展開にできないタイプのチートだな」

勇「召喚の間で適当に聖剣呼び出してですね？まあ面倒なんでフルパワーで思いっきりドカンと」

魔「その衝撃波が世界を一周して吾輩を城ごと吹き飛ばすとはな」

勇「まあ漆黒のレクイエムではね～」

魔「やかましいわ！バカにしてんのか！あとその技の名前考えたの吾輩じゃなくて四天王の連中だからな？！」

勇「まあそんなこんなで世界一個滅ぼした僕らなんですけれども」

魔「やったのお前一人だからな？」

勇「幸いな事に、あんまり怒る人いなかったんですわー」

魔「ありがたい事ではあるが、どういう事なのか」

勇「なんか魂だけになった皆さんがですね、今までの輪廻転生で過ごしてきた世界の数々について思い出しまして」

魔「ふむふむ」

勇「この世界がそんな中でも飛び切りのクソだという事に気付き、こんなファッ○ンシット世界滅亡させてくれてありがとうって感じになったんですよ」

魔「ええ・・・吾輩、この世界の瘴気が集まって生まれたんだが」

勇「僕冒険に出る前に世界滅ぼしたから実際見てないんですが、パンとおにぎりが基本ワキで握って作られるらしいですからね。あと貴族同士の決闘はダンゴムシの投げ合い」

魔「この世界の人間に生まれなくてよかった」

勇「いや実際僕にしたら、転移と同時にチート貰ってなかったらクソ異世界転移オブザイヤー受賞決定ですもん」

魔「年間賞があるのか・・・」

勇「まあそういうわけで、こんだけの魂を転生させるには流石に時間がかかるので待ち時間を我々の漫才で楽しんでいただくという事で、大目に見てもらったんですね」

魔「何で吾輩が付き合わされているの未だに腑に落ちぬが」

勇「だって魔王さん、このクソ世界の○ァッキンクソ瘴気がフ○ックして産まれたナチュラルボーンクソじゃないですか」

魔「その喧嘩買った」

勇「まだ店開いてませんよナチュクソ魔王さん」

魔「誰がナチュクソだ！やめさせてもらうわ」

勇＆魔「どーも、ありがとうございましたー」

＼パチパチパチパチ・・・・・／

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突然ですがボイロにカバーしてもらって動画化しました

ニコ動に上がってると思います