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干支暦和は平凡な毎日と共にありたい。  作者: 朝水林次郎
懐かしの知人たちは久々に戯れたい
20/34

総集編 懐かしの委員長は初恋の人と過ごしたい。

「あれ、こんなところに神社なんてあったっけ…?」

12月。結婚を迫られた夏を終え、嵐のような事件に巻き込まれた秋も終わり、いよいよ1年のラストを迎えようとしている今日。

日時を細かく言うならば、大晦日の1週間前。つまりはクリスマス。

この死後の世界ならもしかするとイエスに会えるかも!なんていう淡い期待をしながら散歩していると、目の前に鳥居が見えた。

でも、この道は墓地につながるんじゃ?あの夏の日、豊敷すみれという迷子の少女の手助け、補助をしたときに通った道である。


「とりあえず、登ってみるか。」

階段は121段あった。ちゃんと調べたから間違いない…はず。そんなとこ気にしてるのは俺だけだよ!と自分でツッコミを入れて賽銭の前まで歩く。

なぜ気にするかというと、こういう系統の怪談をつい最近弥生さんから聞いたからだ。階段の怪談。そういえば彼女は、そのような文章を考えていたようだ。

暇だったらしい。確か、解団の為の会談に使われたビルの階段の怪談。

なんという恐ろしい話。


と考えていると、一人のうら若き女性を見かけた。と言っても、巫女の恰好をしているからいるのは当たり前なんですけど。


5円玉を投げ、鈴を鳴らし、踵を返すとそのうら若き巫女が立っていた。何やらおどおどしてる風だった。


「かかかか、かず君?」

その声は聞き覚えがある。でも、誰だっけ?

「私…なんだけど、お、覚えてないよね…」苦笑いを浮かべる巫女さん。

本当に誰だっけ?見覚えはあるんだけどな…


「本当に、覚えてない?あ!眼鏡かければ思い出すかな?」

ポケットの中をごそごそと探し、見つけた眼鏡をかけた。赤ぶちの眼鏡がより一層彼女の美しさに拍車をかけた。


「あ…お前は。れいなか?」

「あやなです!」

良かった覚えていて…と安堵の表情を浮かべる巫女さん。


彼女の名は山城礼奈。俺のおじいちゃんと彼女のお父さんに親交があって、昔から交流はあった。というか、小学4年まで幼稚園からずっと同じクラスだったし、そのほとんどで委員長をしていたので、忘れるはずがない。


「思いっきりれいなって言いましたよね?」

「そんなことは言ってない。俺はれなって言ったんだ。」


「だから、あ・や・なですってば?!」もう、と口を膨らませる委員長。

この顔が好きでよくいじったもんだとしみじみしてしまう。


「おかげでこっちはクラス替えの度に間違えられましたけどね!ま、まさか先生まで言われるなんて…」

「そんな事より、ここで何してるんだ?」

「お父さんの手伝いです。」

「敬語やめてよ、委員長~」

「癖なんです、気にしないでください。」

「まあ、敬語女子って好きだけどね。清楚な感じがして。」

「そ、そうなんですか?ぜ、ぜ、全然知らなかったなあ。というより、かず君はどうしてここに?ま、まさか、もう…」

「こらこら、勝手に殺すな!」


「じゃあ、どうしてなんですか?」

「幼馴染の弥生さんの補助だよ。」

「補助、ですか?」

「成仏した方が幸せなのか、俺にはわからんからな。せめて、彼女の成仏を補助するために、やり残したことを補ってもらうために来たって感じかな。」

「なるほど…」首をかしげたまま動かない委員長。

「まあ、そういうことだから。初詣はここに来ようかな。じゃあね、委員長。」

「あ、待って!」


その声とほぼ同時に腕をつかまれた。袖口をつかまれるのもいいが、腕をつかまれるのはそれを上回った。


「ど、どうしたんだい?」声が裏返った。恥ずかしい。

「いや、あの、その。こっこのあとひっひまかなと、思い…まして。ももももしよかったら、一緒に散歩でも、どどどうかな?」

「いいけど、仕事は?」

「大丈夫、もうすぐ交代の時間だから。というか、こんなところに来ないよ。

幽霊が神にお願いなんて。じゃあ、着替えてくるから30分くらい待ってて!」


そういうと彼女は、一目散に本堂に向かった。少し風が冷たい。時刻は15時を回った。何しようかな。すると、本堂の方から物音がした。もう準備できたのかな?さすがに早くないかって・・・


「河内冴姫じゃねーか!」

「そうですよ、先輩!ついに私、神になったんです!」

「ど、どうしてここに?」

「そりゃ、先輩を監視するためですよ。弥生さんお得意の干支君を監視ってやつです。」

「ってやつじゃねーよ!」


「しっかりと使命を全うしてくれないと、ご指名なんですから。私も帰れないんですからね?もし帰れなかったら…責任とってくださいね。」

「わーわー近づくな!」この子は本当に危険だ。

「あ、あややん帰ってくるよ~」そそくさと帰っていく冴姫ちゃん。なんなんだ?

「お待たせしました~」

「おお…」


コートに、マフラー。眼鏡に、ニット帽。あれ?こんなに可愛かったっけ?

「おかしいでしょうか…?」

「いいやいやいや、全然おかしくない!むしろ、かわいい。」

「そ、そうですか…うれしいです。」

「どこ、行こうか?」

「行きたいところがあるんで。」

「わかった。」


ここは、町で一番の大通り。4車線の道路の真ん中は銀杏並木になっているが、その風貌を見る限りもうすでに秋は終わっていると再確認させられる。そして、何やら電球がつながっている。


「ここなんです。」

委員長は立ち止まり、左手に見えるデパートを指差した。その並びには、服屋だったり、本屋だったり、あるいはファストフード店があったり。そういえば映画館もあった。ここで何をするんだろうか?


「少し時間があるので、ちょっとご飯食べませんか?」

デパートの入り口にあった時計を見ると、19時を過ぎていた。

「そうだな。何食べようか?」

「じゃ、じゃあそこで。オムライス、好きでしたよね?」

「そう!よく知ってるな!」

「だって、小学校の時教えてくれたじゃないですか。」

「そうだっけ?」

「そうですよ。」

じゃあ、食べようか。


「ふわっふわで、とろっとろでうまいなぁ。」

「よかった。今度、その…よかったら今度、私のオムライスも食べてくださいね。」

「うん!」

腕時計を見る委員長。


「あ、もうこんな時間。急ぎますよ!」

「待ってまだ会計が…」腕をつかまれて、おどおどしている25歳がそこにはいた。

「大丈夫です!店員さん、お会計!」

バンッと5000円札をだし、「おつりは大丈夫です!」と言って「行くよ!」と俺の袖口をつかんで走り出した。


「委員長、かっこいいな。だって、おつり3000円近くあったぞ。」

「え?そんなに…もらっておけばよかったです。」

「でも、そんな急いでどうしたんだ?」

「かず君、知らないですか?」

「何のこと?」

「このデパートの中央にそびえる大木が、クリスマスの日だけ、ライトアップされるんですよ。」

「それが見たかったのか!」

「この話には、続きがありまして、これを一緒に見たカップルは一生を共にできるんです。」


「え、今なんて?」

「ほらここです!」

光輝く大木。そこに集うカップル。本当にクリスマスだなぁ。一回こういうの体験したかったんだよねぇ。


「あ、あの。」見上げながら、喋り始めた委員長。

「どうした?」

「あなたの、お嫁さんに、してもらえませんか?」

「…え?」


「今まで、色んな人を見てきました。でも、やっぱり小学生の時のドキドキが一番強くて、今日会えたのは運命なのかなって…すみません自己中で。」

「いや、そんなことは。」

「やっぱり、だめですか?」

「ごめんな。好きな人がいるんだ。」

「そうですか。やっぱり弥生さんには勝てませんね。」

「な、なんで弥生さんってわかったんだ?」

「そんなの常識です!かず君見てれば分かります!」

「そうなのか?」


「もちろんです。小学生のころから、弥生さんにぞっこんでしたもんね。覚えてますか?小学3年の台風の日。」

「ああ、放課後で他の奴はみんな帰って、俺たちだけになって。」

「そうそう。それで、私が慰めようとしたら、弥生さん~弥生さん~って泣きわめいちゃって。」

「ごめんなさい。」


「もう、全くもうですよ。まあでも、一つだけ勝ったものがあります。」

「何?」

「ファーストキスですよ。」

不意打ちで、キスをされた。甘酸っぱく、ほろ苦い味がした。

「じゃあ、帰りますか。」

あっけらかんとしていた。


外はもう暗く、空から、雪が降る。風は肌寒く、体が冷えいていくのを感じる。その一方で、心の中はまだじんじんしてる。ファーストキスって委員長だったんだ。隣を見ると、委員長は目頭を熱くしていた。その一方で、心の中はしっかりと冷めていってるのだろう。


「委員長。」

「な、なんですか?」急いで、目のあたりをこする委員長。

「弥生さんのことなんだけど。」

「傷口をえぐる気ですか?」

「いやそういうわけじゃ」


「冗談ですよ。言われてようやくすっきりしたというか肩の荷が下りたというか。」

「15年前のこと、覚えてる?」

「15年前?だから、えっと…いちにいさんしいごおろくなな・・・何歳でしたっけ?」指折り数えてもわからなかった委員長。どうやら算数は苦手らしい。


「いや、10歳の頃ね。だから、小学4年生の時。どうやら、11月ぐらいに何かあったかな?」

「11月なら、私がファーストキスをゲットしたぐらいですね?あと、弥生さん誕生日だったと思います。」

「あれ、10月じゃなかったっけ?」

「ううん。11月です。だって、その日は…」

「その日は?」

「自分で思い出してください。とりあえず、ヒントは差し上げます。11月の13日。海。電車。そんなところでしょうか?頑張って思い出してください。」


11月?

13日?

海?

電車?

解決の糸口が見えてきたような気がする。


「じゃあ、お父さんのご飯作らなきゃいけないので、帰りますね。」

「え?あ、うん。」

走り出して、夜の闇へ消えていったところで立ち止まった。

「いつでも、待ってますからね。大好きですから。」


しっかりとは見えなかったが、委員長は確かに頬を赤らめていた。あの調子だと、この冬の寒さには耐えられたのだろう。


唐突ですが、皆さんはどんなキャラが好きかと聞かれたらどう答えますか?

私は文句なしに委員長です。真面目で大人しい人でもいいですし、活発で明るい子、もしくは冷静沈着で頭脳明晰な子、天然な子。色々いい人はいますが、やはり委員長に勝るものはいません!!

委員長最高!なので、完全に私の趣味でこれを書きました。すみません。

御見苦しいところを見せてしまいましたすみません。

以上、『懐かしの委員長は初恋の人と過ごしたい。』でした。それでは。

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