初めての異世界
扉の向こう側に二十を超える兵士が待ち構えていた。兵士達は足並みを揃えて、青野たちが到着するのを待機していた。兵士の着用している鎧の左胸のには翼の生えた虎の紋様が描かれている。この紋様はこの国のシンボルだったと相田は資料で覚えていた。
(名は、確か……霊獣レグルスだったよな)
「アオノ様にアイダ様でございますね。私はドランヴァルド王国、第四騎士団副長のファーマルンです。本日はお二方を陛下の元までご案内させて頂きます」
周囲の兵士達よりもワンランク上の装備を身に纏う壮年の男性が言葉を発する。相田が本物の兵士達を目撃し、少し怖気づくが、青野が一歩前に出てくる。
「出迎え、ご苦労さん。出迎えなんて、なくてもワイ等は気にへんのにな。陛下はどちらに?」
「陛下は執務室にございます」
第四騎士団副長のファーマルン達に続いて相田たちも移動を始める。王城の中を緊張しながら付いて歩いていると、前方を歩いていたファーマルン達が止まる。慌てて、相田も足を止める。緊張の所為で周囲に気を配っていないかったみたいだ。
「ここに陛下が居られます。では、準備はいいですね」
ファーマルンの言葉に相田と青野は頷くのを確認してから扉をノックし、「アオノ様とアイダ様を御連れしました」と伝える。中から「入れ」と返事がくる。三人が「失礼します」と部屋に入る。ファーマルンは陛下に敬礼をすると、すぐに退室する。
この国の敬礼は、自身の右手で拳を作る。それを左胸にもっていくだけのシンプルなものであった。片膝を着く場合もあるが。
「余はウェルド・D・ドランヴァルドじゃ。主の名はなんと申す?」
執務室の机で手を動かしていた壮年な男性はウェルドと名乗り相田に名を訊ねる。相田はこの名前に覚えがあり、それ故に反応が若干遅れる。
「っ、私は相田千尋と申します」
相田に名を訊ねた男性こそがこの国の国王陛下であった。これから尋ねに向かったのだから本人が居て当然なのだが、相田は上手く思考がまとまらなかった。
「そう、ガチガチと緊張せんでもよい。主には余の子を頼むんじゃからな」
国王陛下は仕事を中断し、机の前に存在するソファーに向かう。
「ほれ、座りなさい。面談ではないが、多少は人柄を確認させてもらおう」
国王陛下はソファーに腰を下ろし、こちらにも座るように勧める。
「し、失礼します」
相田は緊張に支配された身体を何とか動かして席に座る。相田と国王の間には机が置いてあるだけの距離である。机の上にはお菓子が備え付けてある。
「相田ハンは緊張し過ぎやで。ウェルっちは堅苦しいの苦手やさかい安心せいや。ウェルっちは王様やから、素の状態で話せる親しい人間が少ないや。その為に雑談に飢えとるんや。王子たちに会う前に軽く話しておきなはれ」
隣りに座った青野の発言を理解するのには、時間が少し掛かってしまった。
(は? ウェルっち? ……ウェルド様を『っち』呼び)
相田に異世界の仕事を紹介した関西弁のオヤジはただのオヤジではない。陛下とは親友と言っていたのは本当らしい。
「おいおい、アオ。それだと、余には親しい友人が少ないみたいではないか。まぁ多くはないんだがな」
国王ウェルドは自虐的に冗談を織り交ぜる。しかし、その話は本心だった。王族というだけで特別な存在。それ故に、友人も満足に作れないし、出来ない。その為に幼少期には友人と呼べる人間は一人も居なかった。そんな灰色の幼少期を自分の子供にも背負わせたくないと想っているウェルドにとって、相田は丁度良い存在だった。自分の子供たちの友人になって欲しいと考えていた。年齢も近いと思い込んでいたので、好都合だった。
相田……いや、日本人は総じて幼く外国人に見られがちだ。それは異世界でも通用する。その為にウェルドは相田を15、16ぐらいと判断していた。青野からは良い青年としか聞いていなかったのも原因ではあった。
「は、はぁ。ええと、お二人はいつぐらいから交流がおありなんですか?」
あまりにも二人の仲が良さそうだったので、相田は訊ねた。好奇心よりも何も言わない雰囲気が無理だったのだ。相手が国王陛下ではなければ、全く気にはしないのだが、相手が偉過ぎるのだ。そんな相手と無言の空気は耐えれないと判断し、相田は口を開いた。
「うむ。確か、二十年ぐらいの付き合いかな?」
ウェルドは自信なさげに青野に確認する。
「ウェルっちが15歳の時の生誕祭で初めて出会ったさかいなぁ、……何年やろうか」
互いにはっきりと覚えてるわけではないみたいだ。それでも二十年近い付き合いがあるらしい。
「余が今年で39になるから、約14年になるのか」
「もう14年も経つんか……ワイもおっさんになってるわけやな。今年で43や」
ここで二人の年齢が明かされる。青野の方は解りやすいが、ウェルドは見方次第で凄く変わる。金色の髪を肩口まで伸ばしており、彫の深い顔立ちをしておりダンディーなおじざまって感じだ。若くも見ようと思えば、若くも見える。瞳の色は藍色である。
「ってことは、青野さんは14年前から異世界に来ていたんですか?」
「いや、アオは勇…「そうや! ワイは14年ほど前から仕事で異世界に来るようになったんや!」
相田の質問にウェルドが応えていたら、急に青野は大きな声で説明し始めた。それの所為でウェルドの説明が途中で遮られてしまい聞こえなかった。
「すみません。ウェルド様、もう一度言ってもらっても構いませんか?」
「うむ。構わんぞ。アオは今の仕事に就く前には勇……う”ッ!」
気を取り直して机の上に備えてあるお菓子をもう一度ウェルドから話を聞いていると、急にウェルドが妙な声を上げた。その原因は青野が脛を机の下から蹴ったことだった。
「どうなさりましたか?」
「どうしたんや? ウェルっち、体調が優れんのんなら休んでおきいや。お子さんのとこにはワイが連れて行ってやるさかい。安心してええで」
二人してウェルドを心配し声を掛ける。犯人である青野も白々しく心配する。フリをする。
「余の体調が優れないと、本気で思ってるのか? 今の痛みは、お前n…「大丈夫やで! 気をしっかりせいや!」
またしても、ウェルドが喋りだそうとすると青野が遮る。そのまま、ウェルドの横にまで駆け寄り、背中をさする。
「相田ハンは誰かにお茶でも入れてもらってきてや」
青野は相田にお茶を頼む。相田も急いで部屋を出る。
「おい、何のつもりだ?」
何度も喋り出すのを妨害されれば、さすがに気づくのか、ウェルドは青野に尋ねた。
「ふぅー、すまんな。相田ハンには、ワイが勇者だったことは言ってへんのや。出来れば、隠しておきたいんや」
「それは何故なんだ? 勇者といえば、名誉あるもんだろう。隠す意味があるのか?」
部屋には二人以外、誰も居ない。そして、ここは国王の執務室ということもあって、盗聴される心配もない。
「せやな。勇者は名誉ある職業や。でもな、ワイが勇者として、この世界の為に働いたことなんて僅かや。そんな些細なことで勇者と奉られるのは、何かチャウやろ。それに、同郷の人から見られると、ゴッツ恥ずいわ」
青野はこの世界では多くの人間が名前を知っているほどの超有名人である。二十数年前に召還され、仲間と魔王を倒した英雄であった。
「そんなことはないさ。アオは世界を救った英雄なんだぞ。まぁ、お前が隠してくれと言うならば、余の口からは何も言わんさ」
二人の話が纏まったタイミングで相田が侍女の人を連れてきたタイミングだった。
「相田ハン、おおきにな! ウェルっちはもう大丈夫や」
「えっ、そうですか。良かったです」
侍女の人は状況が理解できなかったが、国王であるウェルドがお茶を入れてくれと言い、それで自分の職務を全うした。王城には『呼び鈴』と呼ばれる魔道具が在るので、直々に呼ばれた理由がわからずに困惑した侍女だったが、仕事を済ませて部屋を退室する。
「アイダ君も心配かけたな。もう安心してくれたまえ」
ウェルドも問題ないといわんばかりにお茶を喉に流し込む。
「それは良かったです。では、話の続きを…「そろそろ、ウェルっちの子供を紹介しようと思う。行こうか。ウェルっちも執務が残っているからワイ等だけやけど、安心せい」
相田の言葉を青野は無理やりに打ち切る。そして、お茶を飲み干す。それに釣られて相田も飲み干す。相田がお茶に意識が向いてる隙にアイコンタクトをウェルドに送る。
「すまないが、余は執務が残っておるのでな」
アイコンタクトに気づき、それに合わせるウェルド。本当はもっと、雑談をしていたかったが、今後の楽しみに残すことにした。
相田たちは国王陛下――――ウェルドの執務室を後にして城内を闊歩する。青野は城の構造を完全に覚えているらしく、案内も必要とせずに王子たちのプライベートルームに迷いなく向かう。そして、王族専用のフロアに辿り着く。王族専用のフロアの前には兵士の詰め所が存在する。許可なく、勝手に入れば問答無用で拘束されるとのことであった。
「ご苦労さんや、話は通ってあるみたいやな」
青野と相田の姿が見えてからは、兵士たちが敬礼で道を開ける。その対応に相田は少し戸惑ってしまった。
「ここやで。気ぃつけるんやで、特に王子や。王女ハンは大人しいってか、マイペースでこっちに興味を持たへんから安全やけど、王子は悪戯がとにかく激しいんや」
警備の兵士の詰め所を通り抜けて、数分が経過した頃に青野はとある立派な部屋の前で立ち留まり、声をかける。
「そうですか……所詮は餓鬼の悪戯でしょ」
相田も口では何ともないと言うが、既に三人もその悪戯で辞めている事を知っているので、表情は笑っていなかった。
「さすが、相田ハンや! 頼もしいで。んじゃ、行きますか」
青野は相田に余裕がないことは察していたが、気付かないふりをして扉にノックする。
「返事がありませんけど、留守でしょうか?」
「いや、いつも通りや。とりあえず、名乗ってから部屋に入ればいいんや」
返事をしないのがデフォルトらしい。仕方ないので、その場で名乗ってから扉に手を掛ける青野。それに続き部屋に入る相田。
部屋に入る為に扉を開けた途端に水の塊が飛んでくるが、青野はその場で左に身体を傾けることで軌道上から逸れる。そのお陰で無事であったが……後ろに居た相田に水が直撃する。
「っぉおっと。危ないやんか。相田ハンは大丈夫……なわけあらへんよな」
「ええ……状況も理解できずにずぶ濡れになりましたよ」
水でびしょびしょに濡れてしまった相田は状況が理解できていなかった。
「王子の仕業や。悪戯好きやからな。とりあえず、簡単に顔合わせを済ますんで、出てきてくれや」
二十畳を軽く超す広さの部屋の中に王子は隠れているらしく、青野は呼び掛ける。王女の方はソファーに座って本を読んでいたが、完全にスルー状態。
青野は溜め息を吐き、部屋に備え付けてある『呼び鈴』で侍女を呼び、タオルと着替えを用意させる。
「出てきてくれへんと、父親に報告やで。一度も顔合わせをせずに、クビにはできへんやろ」
青野は王子の隠れている場所を把握しているが、自分から出てくるように促す。青野がその場で二度目の溜め息を吐くと、二発目の水弾が放たれた。水弾の発射方向に目を向けると、金髪の美少年が立っていた。
「部屋の中を水びたしにするんは、申し訳ないし……しゃぁ~なしや」
右手を前に出して、青野は水弾を受け止める。すると、普通は弾ける筈の水がそのままの状態を維持して静止する。
「青野さん、それは?」
ずぶ濡れの状態の相田が青野に尋ねる。
「そやったな。まだ説明してへんかったな。これが魔法や。これは、属性魔法って呼ばれるもんや」
目の前で魔法を直に見た相田は無意識に「す、すげー」と声を漏らした。そこに侍女がタオルと着替えを持って来た。
「おおきに、助かるわ」
「いえ。アイダ様は着衣部屋まで案内いたしますね」
侍女の案内で相田は部屋を退出して着替えてくる。
「イルスも懲りないわね。あの人も仕事なんだから割り切ってよね」
「イリアだって、教育係なんて必要ないって言ってただろ」
王女イリアス・D・ドランヴァルドは双子の弟のイカルス・D・ドランヴァルドに抗議する。二人は綺麗な金髪碧眼で美の神に造形されたかのように整った顔立ちをしている。
「イルス坊ちゃんもイリア嬢ちゃんも喧嘩せんで落ち着きぃや」
軽い口論になっていた二人の仲裁に入る青野。イルスとイリアは王子と王女の愛称である。青野は二人を愛称で呼ぶ程には関わりを持っていた。
その頃に相田は着替えていた。相田に渡された着替えは一言でジャージその物であった。
「これには耐水加工が施されていますので、坊ちゃまの水魔法にも耐えれるでしょう」
「ありがとうございます。王子様はいつもあんな調子なんですか?」
相田の着替えた服には『耐水性』、『伸縮性』、『魔法軽減』の魔法が込められた魔導服だった。
「そうですね。初対面の人間には必ず一回はしてますね。私の考えですが、坊ちゃまは試しているのではないでしょうか? 坊ちゃまは王子としてではなく、個人として見てほしいんじゃないでしょうか。特にアイダ様は年齢も近いですし……」
相田に着替えを持って来た侍女は王子と王女が産まれた時から専属の侍女でセオノルという名前で四十代の女性。
「えっと、王子様たちは今年で12とお聞きになられたのですが……」
「そうですよ。そういえば、アイダ様の年齢をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
セオノルは相田の年齢を多く見積もっても16ぐらいと推定していた。
「……19です。今年で20になります」
「嘘ッ!? ……コホン。本当ですか?」
セオノルは驚愕のあまり、大きな声を出してしまったが、すぐに咳払いをして普通を取り繕う。
「やっぱり、若く見られるんですかね。それと、俺のことはアイダで大丈夫ですので、『様』は要らないです」
「すみません。少し驚いただけです。そうですか、ではアイダさんと御呼びさせていただきます。私のことはセオと御呼びください」
着替えを終えた相田たちは王子たちの部屋に戻る。
「相田ハンが揃ったところで自己紹介といこうや。まぁワイは除くから、相田ハンから頼んますわ」
青野の進行で進む。王子たちの部屋に備え付けてある四人机に四人は座っている。
「そうですね。本日から君達の教育係を務めさせてもらう相田千尋です。こちらの世界だとチヒロ・アイダといいます。これから宜しく頼むわ」
子供組は完全に無視を決め込む。王子はソッポを向いているし、王女は本を読みながらクッキーを口に含んでいた。
「これこら、無視はいかんで。話が進まんやろ」
青野の言葉で王女が反応する。
「あ、ごめんなさいね。聞いてなかったから、もう一度言ってほしいかな」
王女イリアス・D・ドランヴァルドは本当に聞いていなかったのか、今度は本を閉じてから相田に視線を向ける。仕方ないので、相田が同じ自己紹介をもう一度行う。
「アイダね。わかった、宜しくね。アイダは、アオおじさんの部下っぽくないけど、なんなの?」
二度目の自己紹介はきちんと聞いており、質問を織り交ぜてくる。この方が会話が続き易くて相田も有難いと感じていた。
「青野さんの言葉のお陰で勇気をもらったし、仕事も紹介してもらったから、恩人に近い感じかな」
相田の返答の後にイリアスが名乗り始めた。
「私はイリアス・D・ドランヴァルドよ。この国の第三王女で、そこに居るイルスの双子の姉よ」
腰に届く程のサラサラストレートの金髪を指に巻きながらイリアスは喋る。その後に視線がイカルスに注がれるが、本人は無言のままだった。
「イルス坊っちゃん、機嫌を直してや」
「面倒ね、イルスの代わりに私が紹介するわ。彼は私の双子の弟のイカルス・D・ドランヴァルド、第二王子ね。以上」
青野の言葉も無視するイカルスに代わり、姉であるイリアスが弟の紹介を始めた。イリアスが紹介を終えると、イカロスはそのまま席を立ち上がり、どこかへ行ってしまう。青野が引き留めようとするが、水弾を放ってから走り去ってしまった。
「あぁ、行ってしもうたぁ」
「話も聞かないし、すぐに魔法を放ってくるんだったら、どうする事もできないけど、放っておくわけには行かないし」
「我が弟ながら、面倒よね。でも、これで顔合わせも済んだし、私もいくわね」
三者三様に青野、相田、イリアスが反応をみせる。
「ワイはちょいっとばかり所用があるさかいに。相田ハンに後は任せるで。適当にしたら、戻ってくるんで。ほな、頼んます」
青野には考えがあった。所用というのは真っ赤な嘘だ。
(ワイが居てまうと、ワイを頼りすぎてしまうさかいな。まぁ成る様になるやろ)
相田もイカロスも不器用過ぎる。それを直そうと思い、似たような不器用な二人を接しさせる作戦に青野は賭けた。失敗したら、そん時はそん時だ、と。流れに身を任せたのだ。
「じゃあ、頑張ってね」
青野の去った後に続いてイリアスも部屋を退出しようと椅子から立ち上がったが、それを拒む者が現れた。勿論、相田である。
「ちょっと、待ってくれないか。この状況で見捨てるって選択は非情だろ!? 」 青野という唯一の希望が消えてしまい、暗闇という名の現実が無情にも相田に襲い掛かる。そんな中ではイリアスは女神にも等しい存在であった。
「いや、知らないって。私はイルスの様にクビにしようとは思わないけど、私の時間を奪わないでほしい。これは、彼方の仕事でしょう」
相田のポーカーフェイスが完全に崩れる。意気消沈。
「そうだよな、すまなかった。いつまでも、他人を頼っていたらダメだよな」
部屋に一人になった相田はそのまま床に仰向けで寝転び、天井を眺めながら頑張ろうと決意を改めてするが、すぐにでも動く気力は無かった。
「はぁ~本当にしょうがないわね。案内はしてあげるわ」
少し気になってか戻ってきたイリアスは、少し可哀想かなっと思い力を貸すことにする。
「本当か!? ありがとう。ほんと助かる。一人だと諦めてたカモしれん」
絶望の淵から光が差し込んできた。地獄に仏だった。いつもは、ポーカーフェイスで無表情を努めていたが、今は少年の様な純粋な笑顔を見せる。
「まぁ良いわよ。多分、中庭に居ると思うし。それに、私も中庭には用事があったから。ついでよ」
イリアスは年相応の笑顔だと思いながら、応じる。相田は少女であるイリアスから見ても成人とは見られていなかった。
そのまま二人は中庭に向かう。その途中でセオノルに出会う。イリアスはお茶を中庭にまで持ってくる様に頼む。セオノルに念の為にイカロスの居場所を尋ねると、予測通り中庭の方向に向かっていたことが解る。