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宝の地図に誘われて  作者: 村正ヒロ
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初の邂逅

1日1回ペースで話を挙げてる人ってなんでしょうね。

化け物でしょうか。自分なんかどれだけがんばっても5日に1回ですよ。

というわけで5日ペースを目標に頑張ろうと思います。

新人はしばらく現在の境遇を把握しようと試みたが、手持ちの情報の少なさにすぐ断念した。

仕方なく目の前に敷かれた石畳の道をしばらく歩いていると突如目の前の石畳の隙間に矢が刺さり、


「「貴様、何処から入った!?」」


木の上から誰何する声が投げかけられる。

突然の出来事に、意識が追い付かずしばし呆ける新人に。


「聞いてるのか貴様」


再び糺す声が響き、次の瞬間、石畳の合間に器用に矢が突き立てられる。

そこで初めて新人は自分の置かれている状況を理解する。

矢が飛んできた上へ視線を上げるとまるで忍者のよう装いをした矮躯の者が矢を番えている。


「…ちょっちょっとまって!少し落ち着いて話し合おう、わざわざ矢を撃たなくてもいいじゃないか…な!!」


「動くな!手を頭の上で組め。少しでも不穏な気配を見せたら、次は当てる」


説得を一蹴し、反論を許さない声にしぶしぶ新人は頭の上で手を組む。

少しでも動こうとすれば本当に前後から撃たれるだろう、と新人は戸惑いながらも思った。

初めの静止をかける声は1人ではなく2人だった。

そこから考えるに、後ろにもう1人、矢を番え、警戒しているのだろう。

まる一年間トレジャーハントに勤しんでいた新人は少なからず、こういった危険に直面した慣れからか、

現在の状況を冷静に判断した。


「こちらの質問に嘘偽りなく答えろ、いいな?」


嘘をついた瞬間矢を放つと言外に告げている。

先ほど言った”不穏な気配”とは嘘をつくことも含んで言ったのかもしれない。


「まずどうやってここまでに入った?」


その質問を聞いた瞬間、”どう答えれば?”と間抜けた顔を晒した。がすぐに目の前に番えられた矢が新人の意識を現実に引き戻す

暫しの逡巡の後、ありのままを話すというところに落ち着いた。


「気づいたらここにいた」


端的な発言に今度は木の上にいる忍者が面を食らったようだ。

そのはずみで少し忍者の弓の標準がずれる。

しかしすぐに忍者は我に返り、弓をしっかり握り、再度問いただした。


「ならばその腰についた小袋の中身を広げろ。加えて上の衣服を脱げ」


別段大切なものが入っているわけでもなかったので、新人はポーチの中を手早く石畳の上に広げた。

しばらく迷ったが服も脱いだ。幸い気温はやや暑いぐらいだったので特に気にならなかった。

先ほどとは忍者の位置がわずかに変わっている。

服を脱いでいる間の移動したのだろう。要所要所に忍者の注意深さを感じた。

一連の行動と持ち物を確認し、安全だと判断したのか忍者は3mほどある木から軽い身のこなしで地面に降り、

新人ととの距離を詰め、正面で立ち止まった。

もちろん今この時も腕は頭の上で組まれたままだ。

今度は新人の周囲を探るようにぐるぐる回り始め、ときどきスンスンと鼻を鳴らす。

手を上げるのに疲れて、新人が手の位置を少し下げようとすると忍者はすぐに弓を番え、新人もすぐに元の位置に手を挙げる。


「…」


「…」


四週ほど旋回した忍者は新人の正面で再び止まり、石畳の上に置かれた物をポーチに戻し、

それを新人に突き出た。


「すまなかった。手を下げても大丈夫だ」


無愛想ながらも、本当に申し訳なさそうに告げると、忍者は顔にかかった布を少しずつ下していく、

すると布の下にあったのは矮躯に見合った色白の少女の顔立ちだった。

まだあどけなさを残す顔立ちは、今までの一連の行動とは全く結びつかないものだった。

新人は一瞬ポーチを受け取るのも忘れ、彼女を見る。

特に目を引いたのがあどけない顔立ちの横にピンと伸びる人間とは似て非なる耳だった。

その視線に気づいたのか、少し居心地悪そうに少女はそっぽを向く。


「私はエルフだ…そんなに珍しいか…?非礼を詫びるのに顔も晒さないなんて不躾なまねはしない…」


声色も布で覆われているときの籠ったようなものではなく、

年相応ではあるがわずかに冷ややかさを含んだのものだった

そんな年相応に恥じらう少女に新人は一瞬心を奪われ、それは彼女を愛でる視線へと変わり、

新人の緊張がほぐれる。

だが次の瞬間には新人は平静を取り戻し、問いかける。


「エルフ?……ってあのエルフか?」


「そうか…そちらの世界では目にしないのか」


新人の質問はそっちのけに彼女は独り言のように呟いた。






「気づいたらここにいた。ここはどこで、君は何なんだ?」


「すまない。……一度にたくさん聞かれても…困る」


そういう彼女は本当に困っているようで、少しおどおどしている。


「あと"君"じゃない…ナル」


「……」


「名前…ナル」


「えっ?…あぁ、俺は来栖新人だ」


ナルがあまりに無愛想なので新人はそれが自己紹介であることに気づかなかった。

そしてナルは新人の左側を指し、「その子、リル」と簡潔に紹介した。

おそらく先ほど後ろにいた子だろう。

いつの間にかいたリルはナルと同じくあどけない顔立ちをしている。

顔つきがとても似ているし、いっしょに行動している二人は姉妹か双子なのだろうかと新人は思った。

一度、リルと目が合った。なんだかとても眠たそうな瞳で真っ直ぐ新人を見つめていたが、興味を失ったのか

すぐに新人から視線を外した。

ナルが言った「歩きながら話す」という言葉に従って、

今は石畳の上を歩いている。

それなりに歩いたつもりなのだが、景色に大きな変化はない。

その間にも新人はナルからある程度、現状について教えてもらっていた。

ナルの話によると、何らかの弾みでこちらの世界、つまりは異世界に来てしまったようだ。

この世界では、精巧なガラスに包まれた摩天楼が群れるように聳え立ったり、

人の英知の結晶を組み込んだ巨大な鉄の塊が高速で移動したり、飛んだりするものはないようだ。

元いた世界に比べかなり広い範囲で技術的な遅れがあるようだ。

聞いただけなので、そう判断するのは早計かもしれないが、ざっと二世代ほど差があるように感じられる。

ここにきて、自分が異世界に来たということを新人はわずかながら実感を持った。

驚くことにこういった事は稀にあるそうだ。

余談ではあるが、元いた世界のこと語るたびにナルは目を瞬かせた。

リルは一瞬だけ驚嘆の意を示した。我関さずといった第一印象に違わず、反応に乏しい少女だった。

気づけば天から射す光が増え、拓けた場所に出た。

足元は石畳から荒々しい地面の道に変わり、延々と続くかと思われた、石畳と木々が成す回廊は、広い草原に様変わりした。


「この道に沿って行けば、町に着く。距離はそうない。リル、アラトを町まで護衛」


無愛想に言うと、踵を返し、来た道を戻っていった。

ここに残っているのは新人とリル。


「……」


「……」


(気まずい…表情が変わらないから何考えてるか分からないんだよな。この子)


沈黙がこの場を支配すると思われたが、リルはおもむろに歩き出し、少し間をおいて新人はリルに続いた。

リルの背中はぼさっとしていないで、早く歩けと言っているようだった。

町が目と鼻の先まで来たとき、風に乗って、町の喧騒が聞こえ、自然のものとは違った人の営みを感じさせるにおいも漂ってくる。

火でも扱っているのか、遠目からでもわかるほど白煙が高く立ち上る。

だが新人にはそんなことを感じる余裕はなかった。

(…気まずい…)

ついに一言も会話を交えることなく町の入口まで到着した。


「ありがとう」


「……」


新人は感謝の意を伝えるが返事はなかった。自然に謝罪が出来るナルに恥じることがないように感謝と謝罪は忘れないようにと新人は心に留めていた。

相変わらずのリルの無反応に新人は苦笑し、町に入っていこうとすると、


「待って、お守りあげる」


短くそういって突き出されたリルの手には手裏剣があった。

手裏剣を新人に一方的に押し付け、ナルと同じように来た道を引き返してゆく。

そんなリルなりの気遣い?に新人は肩を揺らし、くつくつと笑う。

そして異世界初めての町に足を踏み込んでゆく。


5日ペースといいましたがゆうに越えてしまいました。

3日以内には……あげたいです

ちなみに次から3人称から1人称に変えようと思います。

まだまだ手さぐり状態なのでご容赦ください。

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