Happy Birthday To You.4
前よりも冷たくなった風が、寂しくなった木と私の髪を揺らしていく。少し身震いをして、枯葉が舞う見慣れた道をゆっくりと歩き始めた。いつもと変わらない世界、でも私にとっては特別に見えた。
家族が増えて、また一つ歳を取って。時が流れるのは早いなぁ、と思った。
今日は私が生まれた日。眩しい光と冷たい空気に包まれた世界から祝福を受けた日。
新しい自分と、迎えてくれる家族達に幸がありますように。澄み渡る空に、願いを込めて白い息を吐いた。
お誕生日、おめでとう。