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日常の崩壊1

そのガソリンスタンドの店員は、私の車を見て「いらっしゃませー!」などとデカイ声を上げたりせず、静かに私の車をピットに誘導した。

「こりゃ、酷えや。すぐに廃車工場に持ち込んだ方が良さそうっすね」

なんて言われてしまったので、思わず銃口を突きつけてしまう。もちろん、ガススタでこんなものを振り回すのがご法度なんてのは知ってのことだ。

「あ〜、私の車に触れたら蜂の巣だからね、さっさと助手席のブツ引き取ってくんないかな?」

店員が慌てながらも、慣れた様子で両手を挙げる。

「勘弁してくださいよ。別にカレンさんのST185をバカにしたワケじゃないですから。ただ、これだけ撃たれたんじゃ、相手にも車の特徴やナンバーが割れてるはずです。車の交換が必要でしょう。どうせウチのマコトさんが迷惑かけたんでしょうから、責任持って、こちらで新車を用意させてもらいます」

このスタンドは、ウチの会社ではなくソウの系列店だ。ミサキの会社らしく、スジを心得ているし、構成員の教育もなっている。

「そのスジが通った心意気は嬉しいけど、このセリカはまだ乗るつもりだから、今日は気持ちだけ受け取っておくよ。大丈夫、追っ手は全部片付けたし、あとはそっちでこのバカの教育だけちゃんとしておけば」

「はい、よく言って聞かせますんで。ホントに、車のことで要り用になったら、闇夜さん通してでもウチに言ってください」

私と店員は、固い握手を交わし、その場のやり取り無事に終了した。まったく、こういう気持ちの良いところは、ウチの構成員にも見習って欲しいものだ。

「あ〜、なんか二人揃って、僕の扱い悪くない?」

もちろん、うるさい助手席の荷物はきっちり引き取ってもらった。きっとコレには、あちらでも苦労させられているのだろう。

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