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堕落した二人の男  作者: 岸原豊
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事件の捜査

生井海斗の妻が警察に通報したのは、生井海斗が死んだ、2日後だった。

妻である生井美華は、自身の実家に帰っており、帰ってきた日の夜、ドアを開けると夫が死んでいたという。

なんという猟奇的な犯行だろうか。死体は傷だらけだし、現場はとても荒らされている、割れたティーポットから見て、犯人はおそらく被害者と人見知りだったことが推測される。おそらく、何かトラブルがあって、カッとなってやったんだろう、というのが、担当刑事の結論だ。


矢久保(やくぼ)刑事、死体の回収、終わりました」

「ああ、ご苦労、喜多(きた)巡査」

「何か考えは浮かびましたか?」

「ああ、とても猟奇的な殺人方法だ、死後も死体を刺し続けていたと推測出来る。こんなことできるのは、被害者に相当の恨みがあったのか、それともただたんに、快楽的に猟奇的な犯行に仕立て上げたのか・・・そのどちらかだな」

「矢久保は、タバコに火をつけながら、部下である巡査にそう言った。

「詳しい解剖記録が来るのは、いつぐらいからかな?」

「1~2時間ほどあれば、いずれ届くと思います」

「そうか」

現場には、多くの鑑識たちが、色々なところの撮影をしている。

初動捜査では、それが基本的な現場の光景だ。

矢久保刑事は少しやる気のなさそうに、現場のところどころを探っていた。

「見ろ巡査、ここに割れたティーセットがあるだろう」

「はい、高そうなティーセットですね。被害者の妻である美華さんが大切にしていたもののようです」

「このことから、被害者は犯人を現場に連れ込み、これで紅茶を飲んだ、カーペットに紅茶のシミらしきものもあるだろう。普通は殺しにきたような者に、ここまでの待遇はしない」

「となると、犯人も、最初は被害者に殺意を抱いていたわけではないのですね」

「その可能性は高いな」

その後も操作は淡々と続く、凶器の果物ナイフも特定し、ひと段落が付いた。

「ふぅ・・・大体の捜査は終わったみたいだな」

「そうですね。まだ少し気になる点はありますが・・・」

「そうだな、まず、動機だ、ここまで猟奇的に犯行をするとなると、相当の動機が必要になってくるな」

「動機もありますが、犯人はあからさまに自分の指紋を残しています。隠すつもりもなかったみたいですね、大胆な犯行ですよ」

「指紋は今は、どうでもいい。それよりも大事なものは、この資料だ」

そう言うと、矢久保は操作用ファイルにしまっていた、資料を取り出した。

この資料こそが、今回犯人が犯行に至った原因だろうと、矢久保は予想をしていた。

「何ですかその資料は・・・凶悪犯罪者の名前が羅列されているようですね、罪状のところが生々しいです」

「どいつもこいつもまだ逮捕されていがいのが、忌々しいことだ。全く日本の警察は何をしているんだ」

矢久保の発言に、喜多は少し苦笑いをした。

「つまり俺の結論はこうだ。犯人の名前がこの中に乗っていて、そしてその友人である、生井海斗はそれを突き止めた。そして犯人にこういった、‘これを世間に公表するぞ‘ってな」

「なるほど、凶悪犯罪者なんだから、この残虐な殺害方法にも、つじつまが行きますね。普通はこうはしないもんな」

「ああ、どうやら結論が出たみたいだ、これに名前が載っている、凶悪犯罪者が事件の犯人だ」

「さっそくこの資料を活用して、犯人を突き止めましょう!」

「ああ、そうだな、警察局に資料を届けて、調べてもらおうか」



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