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Divine Gift Online  作者: チャン太
第一章 スタートダッシュでスーパーラック
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第7話

 翌日、俺は午前11時にやっとログインできた。何故かと言うと、朝はめちゃくちゃ忙しいからだ。朝食の食器洗いから始まり夕飯の買い出し掃除と大急ぎだった。

 さすがに俺もまとまった時間がほしい、昼飯はちょっと早かったがカップめんで済まし。夕飯は今日も、母さんが早く帰れると言っていたので準備する必要がない。


 そして、俺はDGOにログインする。

 俺が、降り立った場所は、町の中央広場。昨日は結局、リザードマンとホーンラビットを絶滅させる勢いで狩り続け。ゲーム世界での食事を取るのを忘れ全ステータスが半減したのをきっかけにリザードマンとホーンラビットの逆襲に会い死に戻りした。・・・・・・すいません。調子乗りました。でも、反省はしていない。ちなみに、デスペナは1時間の全ステータス半減と経験値の減少だ。

 当然俺は、戻ってすぐ適当な屋台に入り食事を済ませ空腹分のステータスを正常に戻し時間も遅かったこともありそのままログアウトしたのだ。

 今日は、西の林の次に強いモンスターがいる南の林にチャレンジしようと思う。朝、理沙に南の林のことを聞いたら7レベル前後のパーティーで行けば余裕ですよと言われた。ならば、二倍の15レベルの俺ならきっといけるだろう。そう思い、南の林に出かける。






 ・・・・・・・・・結論から言うと、ダメでした。確かにモンスター自体はそんなに強くない。精々、リザードマンを少し強くしたぐらいか同じぐらいだ。でも、数にやられた。一匹で居たガウルムという犬型のモンスターを攻撃した瞬間。鳴き声と共に仲間を呼ばれたのだ。幸い、ガウルム自体は偃月刀の攻撃二発ほどで倒せるのだが、いかんせん数が多い。一体で居るときを狙っても必ず三体は連れてくる。しかも、もたもたしてると他のガウルムともリンクしだしてまさに大乱闘だった。


 「くっそ~、あんなのどうやって倒すんだよ」


 大乱闘の末、命かながら逃げ帰った俺は、屋台で売っていた焼き鳥を買い毒づきながらやけ食いしていた。

 やけ食いが終わったタイミングで電子音と共にチャットが来る。名前は―――シュウだ。


 『暇か?』

 「どうした急に」


 シュウは某刑事ドラマ風に聞いて来る。 

 

 『いや、暇だろ。今から一緒に狩りに行こうぜ』

 「いいけど、ホントどうした? そんな急に」

 『いやね、昨日は悪いことしたと思ったからその埋め合わせ』


 そういえば、シュウの奴昨日の別れ際にそんなこと言ってたような。


 「分かった。ちなみに本音は」

 『パーティーに欠員が出たから補充』

 「そうか、なら欠員の分までお前ががんばれ」

 『じょ、冗談だって。いや、冗談じゃないけど。あくまでキッカケだって』

 「・・・・・・わかったよ行くから、それでどこでだ」

 『ああ、東の林の奥の方だ。それじゃあ、2時に昨日の定食屋で』

 「了解」


 シュウの奴。俺が、返事を返した瞬間切りやがった。しかし、東の林の奥はまだ行ってたことがない。確か、各林の奥にボスが居てそいつら4体を倒さないと、次の町にいけなかったはず。

 ちなみに今は、1時なので俺はさっきの狩りでほとんどなくなったポーション系の回復アイテムと食事用の食べ物を買い定食屋に向かった。


「おーい、ここだ、ここ!」


 時間通り2時丁度に昨日リン姉さんに連れてきてもらった定食屋に行ったら。既に、シュウを含めて5人のプレイヤーが集まっていた。・・・・・・シュウの奴かなり装備が良くなっているように見える。なんか悔しいな、俺なんかまだ初期防具なのに。


 「おっす、ヨヤ」

 「ああ、でもほんとにいいのか? 俺が居ても」


 正直かなり不安だ。ってか初対面の人ってやっぱり緊張する。まあでも大丈夫だろう。メンバーの男女比は一対三。そして、俺とシュウで丁度三対三だ。


 「美人ヤバスッ!」

 「ホント、綺麗ですね」

 「でもだいじょうぶ? 薙刀持ちで初期防具だよ」

 「それなら、なおのこと連れて行ってあげようよ」


 いやね、薙刀も意外といいよ。初期防具に関しては何も言えないが。てか、俺男だから。綺麗とか美人って意外と傷つくよ。


 「いやー、シュウ君がリアルの友達連れてくるって聞いてはいたけど、こんな綺麗な子連れてくるとはさすがです」

 「そうですね。見惚れちゃいます」


 もうやめて、ヨヤのライフはゼロよ! ・・・・・・はい、本気マジでやめてください。


 「こいつはヨヤ。こんな、見た目をしてるけど一応男だ」

 「「「「えっ!?」」」」


 なあ、もう俺、泣いていいか? このゲームだとほぼ初見で女だと思われるって、地獄だろ。あっ! そういえば、エルさんに俺が男だって言ってないような気がする。・・・・・・エルさんの所行ったらきちんと訂正しよう。


 「ええっと、ヨヤです。まあ、見ての通り初期防具の紙装甲なんで足引っ張らないようにがんばります」

 「みんな、いろいろ思うところがあるかも知れんがとりあえず抑えてくれ。ヨヤ、まずこいつがタンク役のリョウ、それと遠距離攻撃のサエとアウラ、アタッカーのコロンとシュウだ」


 ちなみに、リョウがランス、サエが銃、アウラが弓、コロンが片手剣でシュウが大剣だ。


 「それじゃあ、これからの予定だが、ワイルドボアでレベル上げだ。最低でも、5体は倒して帰ろうと思う」


 それから、俺達はワイルドボアの居る東の林の奥まで移動する。俺は、紙装甲の前衛だからあまり戦闘に参加させてもらえなかった。回復アイテム無駄に使うなって。まあ、その代わりいろんな所でアイテム採取してきたからいいけど。奥に行っても採取で取れるアイテムは、薬草や毒草の一般的なアイテムばかりだ。でも、たまに砂金や鉄粉、鉄鉱石が取れることもある。

 

 「よし! ここら辺で迎え撃つぞ。あそこに、ワイルドボアが居るからサエかアウラちょっと釣ってきてくれないか?」

 「いいですけど、しっかり守ってよ。私、アイツの攻撃まともに受けたらHP7割飛ぶから」


 今回のワイルドボアはアウラが釣ってくるようだ。


 「《ロックオン》《開戦の狼煙》」


 アウラはロックオンと開戦の狼煙のスキルを使い矢を放つ。弓から飛び出し風を切って走る矢。すごいスピードでワイルドボアに矢が突き刺さり当たったと同時にこっちに突進してきた。

 ワイルドボアは、アウラに真っ直ぐ進んで行き。当たるギリギリのタイミングでリョウのガードが間に合った。ガードしてなお、ワイルドボアの突進はリョウのHPバーを一割ほど削っている。

 俺は、動きの止まったワイルドボアの牙にピンポイントで薙刀の石突きの部分でアシスト《バッシュ》を放つ。《バッシュ》は攻撃力が高い一撃の突きだ。そこに、共振のスキルが発動しワイルドボアの象牙のような牙が根元からポッキリ折れる。―――よし! 

 そうこうしている内にワイルドボアの突進の標的が俺になっていることにようやく気付いた。《バッシュ》の硬直時間が終了していたがもう既に、奴は突進のモーションを完了させ俺に突っ込んできている。俺は、ここから避けるのは不可能と踏んで一か八かもう一度 《バッシュ》を放つ。狙いはさっき折った牙の逆の牙だ。ワイルドボアは、自分の突進の威力と突きの威力、さらに共振のスキルによって見事もう一本の牙も折れる。しかし、突進のスピードは止まらず突きがそのままワイルドボアを貫通してしまった。・・・・・・なんか、グロいな。

 さすがに、貫通したのでタフなワイルドボアもポリゴン片になって消える。


 『ポーン! マモンの超運が発動しました」


 おおっ! ラッキー。ギフトが発動した。俺は、すぐさま【鑑定】を【共振】と入れ替えアイテムポーチを開きどんなアイテムが手に入ったのか確認する。


 【大猪の魂】レア度★★★★

効果:突きの威力上昇の効果を与える(突きの動作中武器攻撃力が1.5倍)


 このアイテムの他は【大猪の牙】が二つと【大猪の皮】だけだった。っていうか、効果を与えるってどう言うこと?


 「おい、シュウ【大猪の魂】ってアイテム出たんだが何だこれ?」


 俺は、シュウ達がいる方に振り返って聞いたらなんかみんな固まってた。


 「・・・・・・おい、ヨヤ。何だ今の攻撃はワイルドボアの牙が一撃で折れるってどう考えても異常だぞ」

 「そうなのか? ホーンラビットも一撃で角折れたぞ」


 俺は、昨日の西の林での殲滅戦で何もただ闇雲に狩っていたわけではない。きちんと共振スキルを使い部位破壊練習もしっかりしていたのだ。


 「いやいや、そもそもホーンラビットの角が折れるって聞いたこともないし」


 それはそうだろう、だって角が折れると同時に倒しちゃうもん。きっと、普通に折ろうと思ってもその前に倒してしまうのだろう。


 「って言うか、ワイルドボアのHPを部位破壊したと言っても一撃で六割削るってのがそもそもおかしいから」


 シュウの次に驚きから立ち直ったのは、アウラだった。そう、俺に突進してきたワイルドボアはまだHPが六割残っていたのだ。そして、それを皮切りに他のパーティーメンバーも復活してきた。


 「確かに、しかも、防具のわりに武器はなんだか強そうだし」

 「うん、それは私も思ってた。なんか、刃に龍の装飾なんかもしてあるし」

 「ああ、ってかめちゃくちゃカッコイイんだが」


 みんなは、一斉に武器のついていろいろ聞いてくる。よほど、この武器が珍しいのだろう。


 「実は、こいつサブリメイションシステムで出たレア武器なんだよ」


 俺は、そう言って青龍偃月刀【嵐】のステータス画面を開き可視化にしてメンバーに見せる。


 「・・・・・・は? 何だこの武器。チートじゃないのか」

 「「「「うん!」」」」


 シュウがつぶやいた言葉にパーティーメンバー全員が同意する。

 

 「・・・・・・なあ、みんな。βテストで一番高い攻撃力っていくつだっけ」

 「・・・・・・たしか、ソリダリティーのギルマスが400前後だったと思うよ」

 「・・・・・・ねえ、それってカミツキって人のことのこと?」

 「・・・・・・ああ。でも、カミツキって大剣じゃなかった?」

 「・・・・・・そうだな、大剣と薙刀じゃ手数が違うしな」


 何か、みんなコソコソ話しを始めた。いやいや、しっかり聞こえてるし。


 「よし! 今からお前にその武器がどんなに強いか説明してやる」


 シュウが言うには、この武器はβテスト終了時の武器より強いらしい。ちなみに、サブリメイションシステムは精々武器のランクが一つ上がってる程度だそうだ。まあ、サブリメイションシステム自体がまだほとんど発動していないからはっきりとは分かっていないらしいが。


 「そう言うことだ分かったか。ヨヤ」

 「ああ、ところで【大猪の魂】ってなんだ?」

 「「「「「レアドロップだよっ!!!!!」」」」

 

 全員に怒鳴られてしまった。魂系のドロップは武器や防具に付けることで特殊効果が付くらしい。なので、魂系のドロップは滅多に手に入らない。ってか、このパーティーめちゃくちゃハモるな・・・。

 ついでなので、【大猪の牙】についても聞いたら。部位破壊限定のドロップでこれもなかなかのレアドロップだそうだ。 


 

 


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