第32話
「がはははっっ! これりゃあ参った。 ほれ持ってけ、坊主」
勝負が終わった瞬間、親方が置いてあった長ドスと本を投げ渡す。
『ポーン! 《勝負師》、【スキルブックNO.6】、【朽木丸】を獲得しました』
称号
《勝負師》
・確率1/100以下の時、高確率であたりを引き当てる。
【スキルブックNO.6】
効果:隠しスキル【看破】が取得できる。
武器名:朽木丸 レア度★★★★★★
武器種類:刀
攻撃力:310
属性攻撃:土150
耐久値:100/100
【看破】
・相手の弱いところを見破る
戦利品の詳細はこんなところだ。
やはり俺が思った通りあの本はスキルブックだった。しかもNO.6は丁度次のナンバーになる。・・・・・・まさか、称号までもらえるとは思っていなかったな。てか、この称号の使う場面が思い浮かばない
勝負師と言ったらギャンブルになるはずなのだが俺が知っているギャンブルで1/100なんていう超低確率のものは思い浮かばない。
たとえば、カジノなどで有名なルーレットだがアレは0~36までの1/37を当てるゲームだ、トランプも合計枚数は52枚しかないし、正直なところ1/100なんていう確率はまず見ない。
一応、一つ。パートナーエッグが思い浮かんだのだが俺は既に買ってしまったので無意味だし。それに、一番乗りで買わなければ1/100の確率ではなくなってしまうので現実的ではない。・・・・・・まあ、いつか使うときが来るか・・・
「ありがとうございました、親方」
「おう! ったく、この俺が丁半で負ける日が来るなんてな・・・ちなみに坊主、おめぇ名前は?」
「ヨヤです」
「ヨヤね・・・・・・・・・よし、覚えた。俺は表で武器屋の親方をやってるグランだ。よろしくなヨヤ」
「はい、よろしくお願いします」
グランさんは感じのいい笑みを浮かべ俺の肩に腕を回す。――――――なるほど、親方の本職は武器屋なのか。
周りを見渡せば、たくさんいたギャラリーは既にいなくなっており、そこらじゅうで賭けを再開している。きっと、俺達の勝負に当てられたのだろう、みんなが真剣に、でも目一杯楽しんで賭けをしている。
周りがそんな状況なので、今ここにいるメンバーは俺と親方、エルさんの3人のみだ。
「いや~、凄かったねヨヤ君。強いとは聞いていたけどまさかあそこまでなんて」
「いやいや、たまたまですよ。たまたま。それに、それを言うなら、親方の方だっていつもこのぐらい当ててるんでしょ?」
「まあな。だがな、そんな俺を負かしたお前は、既に化け物の域に達してるがな」
たしかに、今回の勝負だけを見ている二人には俺がとんでもない化け物に見えるだろう。結局、俺は17/20で的中率85%。正直、こんな結果を出した自分が怖い。・・・・・・まあ、軽く的中率が8割の親方も大概だけど。
「だが、嬢ちゃんのつぼ振りもなかなか様になってたぜ」
「えへへ、そうですか? じゃあ、私も名前で呼んでくださいよ~」
「ああ、俺に丁半で勝てたらな」
「いやいや、さすがにそれは・・・」
どうやら、親方は自分に勝った人しか名前で呼ばない主義らしい。そういえば、この賭博場に親方のことをグランさんと呼ぶ人はいない。・・・・・・ってことは、この中の誰もがグランさんを負かしたことが無いって事か・・・
「しかし、久しぶりに燃える勝負をさせてもらった。楽しかったぜヨヤ」
「はい、こちらこそ最高に楽しかったです」
その言葉と共に握手を交わしエルさんと共に賭博場を出る。
正直、まだいたいのだが、ここでは賭けが出来ないエルさんが退屈してしまう前にさっさと賭博場を出る。
賭博場を出るときに門番の二人にも軽く会釈をしたら、笑顔で送り出された。・・・・・・あれ、なんか、最初と態度ちがくない??
そのことをエルさんに言ったら、ギャラリーの中にあの二人の姿もあったとの事。・・・・・・へー、って、おい! 仕事しろよ門番。
「あ!、そうだ。私ね、ヨヤ君に凄く聞きたいことあるんだけどいいかな?」
グネグネ曲がってやっと路地裏を抜けれた瞬間、エルさんが思い出したように聞いてくる。
「ヨヤ君が賭けに出したアレ。一体何なの? 親方とか周りのギャラリーも凄く驚いてた見たいなんだけど?」
「あー、えーっと。・・・なんというか、つい最近まで使い道が無かった超激レアアイテムですかね」
俺は、そう言ってさっき賭けに出したソフトボールぐらいの大きさの【火竜核】を実体化させる。
ちなみに、昨日の特別ドロップにあった【金獅子の毛槍】のレア度が7なので、この後お願いする予定だ。
「これのことですよね、はいどうぞ」
「そうそう、これこれ。いったいどん・・・・・・・・・・・・は?」
初めは、興味津々だったエルさんの表情がだんだんと驚愕に変わっていく。・・・・・・だよねー、俺だってドロップしたとき、ビックリしてアイテムポーチの奥底に隠しちゃったくらいだし
しかし、エルさんはもう慣れたと言わんばかりに速攻で立ち直る。
「・・・・・相変わらずだね、ヨヤ君は。でも、いったいどこでこんなアイテム手に入れたの? 私が知る限りではこんな激レア見たことも聞いたこともないんだけど」
「これはレッサードラゴンからのドロップです。まあ、ドロップ確率は相当低いと思いますけどね」
そう、このアイテムは俺の持つユニークギフト《マモンの超運》のおかげで手に入れられたアイテムなのだ。一般のプレーヤーがちょっと倒した程度では到底ドロップしない確率のはず。
「へー、レッサードラゴンからかね。でもアレでしょ、さっきの言い回しだとこの条件を満たしてる武器を持ってるって事だよね? だって私まだ、レア度5までの武器しか作ったこと無いし」
「まあ、そうですね。でも、こんなところでそんな話も何なんでとりあえず、お店まで戻りませんか?」
「・・・だね。面倒なのは嫌だし」
正直、こんな人の多いところであまりレアアイテムの話はしたくない。もし、迂闊なことをして他のプレーヤーにでも目を付けられたら溜まった者じゃない。幸い、エルさんの方もすぐにそのことに気付いてくれた。
こうして、俺達は早足で天使の福音に戻るのだった。
最近、忙しすぎてヤバイです。
よって、次の更新は大分先になりそう・・・
なるべく早く更新したいと思っているのでしばらくお待ちください。




