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Divine Gift Online  作者: チャン太
第二章 一週間のスーパーラック
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第30話

 俺が降り立った場所は、天使の福音にある一室。昨日、正式なギルドの申請はエルさんたちがやってくれるとのことだったので、俺は二階にある空き部屋を一つを貰ってそこでログアウトしたのだ。

 

 「さて、パーティーの準備を始めますか」


 エルさん達には昨日の内に、厨房を借りて料理を作って置く旨を伝えてある。

 早速、部屋の向かい側にあった厨房にお邪魔する。


 「ほへー・・・こりゃ凄いな」


 俺がそこで見たものは、全て新品同然の調理器具たちだった。しかも、どうやら昨日の内に全て作ってくれたらしくご丁寧に置き手紙まである。曰く、ヨヤ君の為に最高級の調理器具を作ったから今日の料理楽しみにしてるよ~。との事。・・・・・・これは、半端な料理が作れなくなったな・・・

 置き手紙を脇にずらし、再度、気合を入れなす。

 今回のパーティーメニューは、ネメアライオンのサーロインステーキをメインにパスタ、スープ、ラザニア、サラダと時間と食材の許す限りつくりまくる。


 「と、その前に・・・・・・コール! アーク、ガーベラ」


 俺は、昨日がんばってくれたパートナーモンスターを呼び出す。理由としては、料理の味見と昨日の労いのためだ。

 

 「昨日は、ありがとな。二人とも、おかげでこんなに良い肉が手に入ったぞ!」


 そう言って、アイテムポーチに仕舞ってあった黄金の霜降りサーロインを実体化させてやる。


 『!!??』

 

 それを、見た瞬間アークとガーベラの目が爛々と輝き俺の方ににじり寄って来た。


 「ちょ!? ダメだぞ、これはみんなが集まってから食べるんだから」


 俺は、慌ててサーロインをアイテムポーチに仕舞う。・・・・・・あ、危なかった~。ったく、どんだけ肉好きなんだよお前ら・・・


 「はいはい、そんなに見つめたって今はあげないからな。・・・・・・分かった、分かった。今から作るのは少し食べていいからそんな顔をすんなって」


 それを聞いた食いしん坊二匹は、沈んだ瞳を再度輝かせ、隅っこの方に移動して料理の完成を待つ体勢になった。・・・・・・お前らホントどんだけだよ・・・

 こうして、俺は自分のパートナーモンスターからの熱い視線を浴びながら調理を開始する。

 


 

 



 「こんちわーヨヤ君、なになにこのおいしそうな匂い? ホントやばいってさっき食べたばっかなのにもうおなかすいちゃったじゃん」

 「おっ、やってるな。どうだ? 調理器具の使い心地は、なんか不具合とか無いか?」

 

 調理開始から約2時間。あらかたの料理を完成させ、後は1キロに切り分けたサーロインステーキを焼いて完成というところにエルさんとオーカさんがログインしてきた。


 「いえいえ、まったく。むしろ使い易すすぎてビックリしたぐらいですよ」


 特に、包丁の切れ味は半端じゃなかった。どんな食材でもスパスパ切れて使ってるこっちまでいい気持ちになる。しかも、便利なことにこの厨房には作った料理を冷ますことなく保存する【保温ボックス】なるアイテムが存在した。それに、大型の冷蔵庫など今まで借りたどの宿屋の厨房より豪華で使いやすい。


 「それは良かった。で、後どのくらいで完成しそうだ? 正直、こんな匂いの中でいつまでもお預けを食らうのはキツイぞ」

 「後は、ステーキを焼くだけですからすぐ終わりますよ。そこある椅子にでも座って、まっててください」


 そう言って、料理の置いてあるテーブルの椅子に二人を座らせる。


 「二人とも、焼き加減にリクエストとかありますか?」

 「はいはい! 私、レアがいい!」

 「じゃあ、私もレアで」

 「了解です。それならホントにすぐ出来ますから待っててくださいね」


 ついでなので俺、アーク、ガーベラ、グラッセ、カレンもレアで焼く。

 ちなみに、パートナーモンスター用の料理も用意してある。俺達が座る椅子のすぐ真横にシートを敷いて俺達の倍はありそうな量をだ。・・・・・・仕方ないじゃないか、アークとガーベラが俺達と同じ量じゃいやだと訴えかけてきたんだから・・・


 「はい、どうぞ」


 俺は、塩コショウのみで味をつけたシンプルなステーキをみんなに配り、全員に配り終わったのを確認して自分の席に腰を下ろす。


 「・・・さて、こんなうまそうな料理を前に長々と話す気はない。私からは一言だけ、ようこそ天使の福音へこれからよろしく!」

 「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 「じゃあじゃあ音頭は私ね! ヨヤ君のギルド加入とネメアライオンの討伐を祝福して・・・せーの!」

 「「「かんぱーい!」」」


 手に持ったグラスで高々と乾杯をする俺達、チラッと隣を見れば真っ先にステーキにかぶりつくアークとガーベラが目に入り思わず笑ってしまう。

 パートナーのそんな姿をスクリーンショットで納めた俺は自分の分のステーキに手をつける。


 「・・・・・・」


 なるほど、これが俗に言う何も言えねーって奴か。俺は一言も言葉を発することなく黙々と料理を食べ続け、最後の一口を食べた瞬間―――

 

 『ポーン! レベルが30になりました』


 レベルが上がった。

 ・・・・・・え!? 何で今レベルアップしたの?

 俺だけかと思い、オーカさんとエルさん視線を送るが二人とのうなずいている。ってことはやっぱりこのステーキのおかげ? 確かに効果で成長促進とか書いてあったけどあれってそうゆう事なのかよ!

 もしやと思い、メニューを開いてアークとガーベラのレベルを確認する。・・・やっぱり上がってる・・・

 昨日までは、二匹とも21だったレベルが今では23になっている。


 「ねえ、ヨヤ君。この食材って何? 私、生まれて初めて思ったよ。ああ、これが本当のお肉なんだな・・・って。しかも、これで経験値までもらえるとか。おかしいって」

 「あー、・・・この肉に関してはネメアライオンのレアドロップですとしか。あと、経験値に関してはたぶん成長促進の効果のおかげではないかと・・・・・・・・・ん?」


 俺達が顔を見合わせ悩んでいるところに、横から服を引っ張る感覚に襲われる。何かと思い見てみれば、綺麗さっぱり料理を完食してしまったパートナーモンスター達が俺におかわりを求めていた。・・・・・・おい、お前らには俺らの倍の量あったんだぞ

 他の料理は材料がないのでもう作れないが、幸い、メインのステーキはまだ3キロ残っている。


 「・・・えーっと、どうします? まだ、3キロ残ってますけどお二人は食べますか?」

 「食べる! 食べる!」

 「当然、私も」

 「でしょうね。ちょっと待っててください。今、焼いてきますから」


 そう言って、厨房へ戻る。しかし、3キロを7人(正確には3人と4匹)で分けるのは難しい。――――仕方ない、今回は俺がもてなす側だから我慢するか。

 そう思い、3キロを6等分して今度はミディアムで焼くことにする。

 無事、6個全て焼き終えた俺はステーキをお盆に乗せてみんなに配っていく。


 「あれ? ヨヤ君の分は?」

 「いやー、3キロを7等分するの難しくて今回は諦めます」


 名残惜しいがこればっかりは仕方がない。そもそも、食材が手に入ったのはアークとガーベラのおかげだし。俺はギルドに入れてもらった側なのでわがままを言わず我慢だ。はー、アークとガーベラでも眺めていよう・・・


 「ヨヤ君、ヨヤ君。・・・ほい」

 「・・・・・・・・・」


 エルさんが俺を呼んだので振り向くとステーキを刺したフォークをこちらに向けられる。・・・・・・えっ!?、これって俗に言う。はい、あーん。って奴ですか・・・


 「ほら、早く早く。食べないんなら、私が食べちゃぞ」

 

 そう言いながら、少しずつフォークを自分の方に持っていくエルさん。・・・・・・うん、きっとエルさんは、そんな事気にしていないはず。ってか、やっぱり食べたい

 

 「はむ!」


 俺は、遠ざかって行くステーキを追うようにして食べる。・・・うん、やっぱりうめぇ~


 「エルさんありがとうございます」

 「・・・・・・・・・」


 俺が咥えたフォークを見つめて赤くなってるエルさん。・・・・・・はっ! やってしまった。そうだよな、さすがに今のは冗談だったよな・・・はあ、なにやってんだろ俺・・・


 「すいません、気持ち悪いですよね。すぐ、新しいの持ってきますから」

 「・・・・・・へ!? !! ぜ、ぜんぜん気にしないよ。むしろこっちの方が・・・・・・いや、何でもない。あと、フォークの替えとかホント大丈夫だから」

 「・・・は、はあ? 分かりました」


 そう言って、気合を入れるようにしてフォークで肉を食べていくエルさん。――――――良かった~、思ってたより気にしてないみたいで




 


 「・・・さて、私はこれからヨヤの防具作りで忙しいのだがお前らはどうする? というより、邪魔だからどっかいけ!」


 食事も一段落し片付けもほとんど終わった所にオーカさんがそんな事を言ってきた。正直、防具をどうやって作っているのか興味があるが邪魔だといわれれば仕方がないどこか出かけよう。


 「あいあい、じゃあさヨヤ君。カジノ行こうよカジノ。昨日、見つけたんだ表にある大きいカジノじゃない路地裏の隠れ家的カジノ屋さん」

 

 ?? それってつまり裏カジノって事?


 「まあ、いいですけど、俺あんまりお金持って無いですからね」

 「分かった、分かった。おねーさんにまっかせなさい! じゃ、そう言う事だからいってくるねオーカ」

 「あいよ、でもあんまり使いすぎんなよ。私らもここ買っちまった所為でもう金持ちって訳じゃ無いんだからな」

 「わかってるって、大丈夫。今日は、見学のつもりだからそんなに賭けないって」

 

 こうして、俺とエルさんは隠れ家カジノに行くことになった。



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