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Divine Gift Online  作者: チャン太
第二章 一週間のスーパーラック
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第28話

 始まりの町に降り立った俺は、脇目も振らずにオーカさんの店に向かう。

 確か、前行ったオーカさんの店は、エルさんの露店があった場所の反対側だったはず。俺は、その記憶を頼りに歩みを進める。

 

 「あれぇ?・・・たしか、この辺だったと思ったんでけどな・・・・・・」

 

 移動開始から10分、それらしきところに着いたのだが、一向にオーカさんの姿は見つけられない。

 しかも、記憶にあった場所には別のプレーヤーが露店を開いていた。・・・・・・?? もしかして、お店の場所変えたのかな・・・

 そう思い、フレンドリストを見る。フレンドリストはプレーヤーの大まかな位置情報が分かるのでこう言うときには便利だ。 

 そこに書いてあるオーカさんの位置情報は、始まりの町。どうやら、オーカさんはまだ始まりの町にいるらしい。

 俺はすぐさま、フレンドリストの通話機能を使う。・・・・・・プルプルプル♪ プルプルプル♪ ・・・ガチャ!

 

 『はい、もしもし。ヨヤか?』

 「はい、オーカさんお久しぶりです」


 多少の呼び出し音の後、オーカさんが電話に出る。どうやら、オーカさんは電話で話すときに声が変わるタイプらしく、いつもの声より一音高い。


 『おう、久しぶり。で、どうした? なんかあったのか?』

 「・・・なんかあったのか? じゃ、無いですよ! オーカさん、もしかしてお店の場所変えました? 前に露店があった場所に何にも無いんですけど」

 『・・・ん?? あれ? 言ってなかったけ。天使の福音は私とエルの店だって』

 「え!?」


 そんな事は一切聞いてない。しかし、そういえばエルさんの店に武器と一緒に防具も並んでいたような気がしないでも無い。

 

 『まあ、とりあえず店に来い、今の私は暇だから相手してられるぞ』

 「分かりました、すぐ行きます」


 通話を切り、急いでエルさんの店に向かう。幸い、ここから天使の福音はそんなに遠く無い。精々10分ほどだ。

 今後のことを考えながら移動を開始して10分、やっと天使の福音に到着した。


 「こんにちは~ オーカさんいますか?」

 「おう、ヨヤ。やっと来たか」


 正直、今まで半信半疑だったのだが、お店に入ると確かにオーカさんが店番をしていた。それに、お店の商品を見ると確かに武器と一緒に防具も飾ってある。


 「ホントだったんですね。ってか、いつからですか? 俺、つい最近ここ来たんですけど?」

 「ん? 最初からだぞ。まあ、最近は防具の依頼が溜まってたから工房の方に籠りっきりだったけどな」


 つまり、俺が来たときは、オーカさんが工房の方に籠ってたから気付けなかったと言うことか。


 「にしても、メールぐらいしてくださいよ。さっき、前の露店の場所行ったら違う人いてビックリしたんですから」

 「いやー、エルの奴がメール送ったって言ってたからいいな? って思ってよ」


 まあ、確かに二人の店なので片方がメールを送れば普通は大丈夫か。


 「で、今日はどうしたんだ? ちなみにエルはいねぇぞ、あいつなら今さっき第二の町が開放されたって聞いて慌ててパートナーエッグ買いに行ったからよ」


 なるほど、だから暇なオーカさんがここで店番していつも店番してるエルさんがいないというわけか。


 「?? それなら、オーカさんは行かなくていいんですか? 先着100個なのに」

 「ああ、私は良いんだ。もう、持ってるから・・・コール!《グラッセ》」


 そう言って、パートナーモンスターを召還するオーカさん。光と共に、召還されたパートナーモンスターはビーバー。

 しかし、ビーバーにはありえないくらいデカイ。・・・まあ、アークとガーベラに比べたら全然だけど・・・


 「どうだ、私のグラッセは。なかなか、可愛いだろう。ちなみにメスだぞ」

 「へー。あ、触っても大丈夫ですか?」

 

 俺は、オーカさんに許可を貰い触らせてもらう・・・・・・うっわー、毛フサフサですっげーおとなしい。

 ちなみに、このグラッセを見たエルさんはあまりの可愛さに自分もほしいと言い出し、今日の新しい町が開放されたとの情報を聞きつけ。飛び出していったそうだ。


 「で、ヨヤはホントに何しに来たんだ?」

 「ああ、そうでした。オーカさんにこのアイテムで防具を作ってもらいたくて。大丈夫です、今度はきちんとお金も払いますから」


 そう言って、今回は数が多いのでトレード画面を開きネメアライオンのアイテムをありったけ載せていく。


 「はいはい・・・・・・って、え!? おまえ、これって―――」

 

  バン!?


 「たっだいま~!! ジャジャン!? どうよ、オーカ。わたしも手に入れてやったぜ! パートナーエッグ!!」


 そう言って、満面の笑みで高々とパートナーエッグを掲げているエルさん。

 なんだろう、オーカさんのエルさんを見る目がものすごいく暖かいのは気のせいだろうか?


 「・・・ってヨヤ君!? どうしたの!? え!? いつの間に!? え!?」


 俺の存在を確認した瞬間、いきなりパ二くるエルさん。

 

 「わりぃなヨヤ、ちょっとだけ待っててくれねぇか? 心配すんなってすぐ戻るから」


 見かねたようにカウンターから出てきたオーカさんが一言そう言い、エルさんをお店の奥に連れて行く。


 


 「・・・おまたせ。ヨヤ君、もう大丈夫だから」

 

 数分後、やっと奥の部屋から出てきたエルさん。どうやら、パニックは収まったようだ。


 「・・・はあ、オーカしか居ないと思ってハイテンションで帰ってきたのにまさか、ヨヤ君がいるなんて。私、変な顔とかしてなかった? う~~ 恥ずかしい・・・」

 「いやいや、そんな事無いですよ。すっごい笑顔で可愛かったですから。むしろこっちの方が役得って感じです」

 「・・・・・・あ、あはは。またまた~、そんなにお姉さんを持ち上げても割引ぐらいしかしないぞ」


 一瞬の沈黙の後、顔を真っ赤にさせたエルさんがおどけたようにそんなことをいってくる。


 「いや、別に割引とかしなくいいですよ。あと、エルさん。何でこの前来た時、このお店がオーカさんと一緒にやってるって言ってくれなかったんですか? おかげで、オーカさん見つけるの大変だったんですからね」

 「・・・・・・ああ、そういえば言ってなかったかも、ごめんねヨヤ君」

 「・・・あ、はい。これからはちゃんと言ってくださいね」

 「おい! そこの二人。お前ら一体いつまで喋ってる気なんだ? それにエル、お前は卵を孵化させるんじゃないのか? とりあえず、早くしてくれよ」

 「お、うん。そうだね、それじゃあいくよ・・・」


 エルさんは、今まで抱えていた卵をカウンターの置き実体化させたアイテムを与える。

 今回も俺のとき同様、眩い光が一瞬だけ視界を塞いだ後、目の前にパートナーモンスターが現れる。

 エルさんの前に現れたモンスターは、背中に翼が生えた馬。俗に言うペガサスだ。


 「おお~、見て見て! オーカ、ヨヤ君。なんか、すっごいキュートなパートナー出てきちゃった」

 「はいはい、わかったから。さっさと名前決めてやれ、いつまでも名前が無いままじゃ可愛そうだろ」

 「ほいほい。え~っと・・・・・・じゃあ、カ・レ・ンっと」


 どうやら、エルさんはペガサスをカレンと名づけたみたいだ。・・・・・・カレンがメスならアークと卵とか産めるのかな?


 「いや~、にしても一体どのパーティーがネメアライオン倒してくれたのかね~。攻略組のギルドはみんな違うって言ってるから無所属のパーティーのはずなんだけど全然見つからないらしいんだよねー」

 

 ・・・・・・ははは、すいません。それ俺です。ってか、そんな大騒ぎになるんならソロじゃなくてリーサ達と一緒に行けばよかったかな。


 「・・・あー、エル。たぶんコイツだぞ、ネメアライオン倒したの・・・」


 ちょ!? なんでオーカさんが知って――――って、そういえばネメアライオンの素材渡したんだった・・・


 「は? いやいや、オーカ。さすがにそれは無理あるって、たしかに、オルトロスをソロで倒しちゃったヨヤ君でもネメアライオンは無理でしょ。ねっ、ヨヤ君?」

 「・・・・・・」


 うわー、どうしよう。なんか、エルさんが早く同意してよ、見たいな目でめちゃくちゃ見てくるんですけど。ごめんなさい、俺マジで倒しちゃったんです。


 「まあ、信じられないのも無理があると思うからちょっとこれ見てみろって」

 「ん?・・・・・・え! ってことは本当にヨヤ君が?」

 「・・・まあ、はい」


 う~、なんか遠まわしに自慢してるみたいで恥ずかしいな。でも、そっか・・・装備の為に素材渡しちゃったらばれちゃうじゃん。


 「しかし、ヨヤ。あんな奴どうやって倒したんだ? 確か相当硬いんだろ?」

 「いや~、ちょっとNPCの知り合いに攻略法を知ってる人がいて、その人にちょっと・・・」

 「おいおい、何だよ。その攻略法って? しかもNPCから聞いたって。お前、一体何したらNPCからそんな有力情報が聞けんだよ」


 ん~、どうやったらと言われても。なんて言うか・・・勢い? みたいな感じで聞き出せちゃったしな。


 「まあまあ、オーカ。あんまり人のプレイスタイルを聞くもんじゃないよ。・・・でも、出来れば私も知りたいかな~。ヨヤ君が今まで何をやってたのとか」


 あれー、一瞬エルさんが助け舟出してくれたと思ったのに、まさかの追い討ちパターンですか。


 「ま、まあ、そのことはひとまず置いといて。二人に聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 「ん? いいよいいよ~ ドーン! と任せなさい」

 「まあ、話題を無理やり逸らそうとしてるのバレバレだが聞いてやるよ」

 

 どうやら、この話題は見逃してくれるらしい。そして、俺は二人に聞きたいこと。すなわち、ギルドについて質問した。

 

 「実は、ギルドに入ろうと思ってるんですけど、どこかおススメのところとか無いですか?」 

 「・・・え!? ヨヤ君ってギルド入って無いの!? 私はてっきり雪月花に席置いてるのかと思ってたんだけど・・・」

 「いやいや、リーサ達とはあの時一回限りのパーティーでそれ以降は全然、DGOでは会ってすらいないです」

 「・・・・・・DGOでは? えーっとヨヤ君。もしかしてリアルでは会ってるって事?」


 あれ? もしかして俺とリーサが兄妹だって知らない? ああ、そういえば言ってなかったか・・・


 「そうですね、と言うか俺とリーサは兄弟なんですよ」

 「・・・・・・ん? ってことはヨヤ。お前もしかしてフーとリンの弟か?」


 なるほど、リーサとフー姉、リン姉が姉妹ってことは結構知られてるんだ。・・・まあ、あの3人は何かと目立つからな・・・

 

 「まあ、そうですね。ってか、そんなにフー姉さん達とリーサが姉妹だって有名なんですね」

 「いや、たぶん、そんなに知られて無いと思うぞ」

 「え? じゃあ、なんでオーカさんは俺がフー姉さん達の弟だって分かったんですか?」


 そう、あの三人が姉妹とだと知られて無いということは俺がフー姉さん達の弟であることを分かるはずが無い。・・・・・・一体、何者なんだオーカさんって・・・

 

 「いやいや、そんな警戒すんなって。そもそも私達と風子、凛子は同じ大学の同じサークルだぞ」

 「??・・・私達、ってことはもしかしてエルさんも?」

 「とーぜん! ・・・まあ、私達全員学科違うからサークル以外ではあんまり顔を合わせる機会無いけどね」


 まさかこんなところで姉さん達の友達に会うとは世界って意外と狭い。


 「でも、言われてみればフー達に似てないことも無いな」

 「そだね、あの二人にちょっとづつ似てる感じがする」

 「はは。ありがとうございます・・・」


 正直、複雑な気持ちだ。うれしいのはうれしいのだが、男の俺が、女の人に似ていると言われるのも考え物だ。


 「・・・あ、そういえばギルドの話だったよね? あるよいいとこ。すぐ近くに」

 「・・・・・・まさか・・・って、まあいいか。知らない相手でも無いし。それに・・・」


 エルさんはニコニコ顔でオーカさんはエルさんを見てニマニマしている。・・・一体どんな、ギルドなんだ?


 「で、エルさん。そのギルド、どこにあるんですか? 見学に行きたいんですけど」

 「そう? それじゃあ、いくらでも見学していってくれればいいよ。その代わり絶対入ってね」

 「・・・あー、要するにだ。私達のギルドに入れって言ってんだ。コイツ」


 そう言って、エルさんを指差すオーカさん。あれ? ギルドってここのこと?

 

 「言っとくけど、私達のギルドは超お宝物件だからな。工房あり厨房ありで部屋も余ってるからそこ使えばいいし武器、防具共に専属の生産職がいるから実質タダだ。それに、こんな美少女大学生が二人もいればもう入るしか無いだろ。私達の以外にメンバーはいないし今のところ増やす気も無いからまさに両手に花だぜ~」

 「そうだそうだー」


 確かに、オーカさんのアピールポイントはかなり魅力的だ。それに、わざわざこんな良い話を断る理由が見当たらない。


 「・・・・・・分かりました。これからお世話になります」

 

 俺は考えた末。エルさん達のギルドに入ることにする。正直、こんないいギルド、俺の方からお願いしたいぐらいだ。

 それに、エルさんとオーカさんなら多少は気心知れた仲だと思ってるし知らない人ばっかのギルドに入るよりよっぽど気が楽だ。


 「ういうい、ようこそ私達のギルド《天使の福音》へ、歓迎するよヨヤ君」

 「おう、これからよろしく。ヨヤ」

 「はい、よろしくお願いします」


 『まもなく、合計プレイ時間が8時間になります。速やかにログアウトしてください』


 ・・・・・・まさかこのタイミングでタイムアップか・・・


 「あー、すいません、俺そろそろ8時間経ちそうなので落ちます」

 「あいあい、そうだ! 明日、私達2時ぐらいから入れそうだからそのときお祝いしよう」

 「分かりました。俺も明日の朝は用事があるので昼ぐらいからになりそうですし」

 「おう。それじゃあな」

 「それじゃあ、ばいば~い」

 「はい、また明日」


 俺は、8時間経過のアラームと共にDGOの世界から現実に戻るのだった。


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