第23話
「散れ!」
ボス部屋に入った瞬間、グレートファングボアが突進してきた。
慌ててアークとガーベラに指示を出し俺も何とか回避に成功する。
しかし、咄嗟の回避行動のせいで体勢が崩れすぐに攻撃に移れない。幸いにもグレートファングボアの追撃はなさそうだが距離が遠すぎてこちらからも攻撃が出来ない。
アークとガーベラは、アークが空へガーベラはまさかのグレートファングボアの股下をくぐるようという回避の仕方をしていた。・・・ガーベラ根性ありすぎ・・・
俺が体勢を立て直している間にグレートファングボアもこちらに向き直り攻撃モーション開始する。グレートファングボアの攻撃モーションはワイルドボアとまったく一緒だが時間がわずかにこちらのほうが短い。
そして二回目の接触。俺はギリギリまで粘り攻撃をかわす。
今度は体勢を崩さなかったのですぐに立ち上がりグレートファングボアの所に向かう。
俺が到着するころには既にアークとガーベラが入れ替わり立ち替わりで敵を翻弄し突進をさせないようにしていた。
俺も負けじと攻撃を振るう。アシストの《ツインバッシュ》や通常攻撃などを織り交ぜHPゲージを削っていく。
突進攻撃は防いでいるが当然の如く他の攻撃手段が無いはずもなくグレートファングボアは頻りに体を震わせたり自慢の大きい牙で小さい突きなどをして反撃をしてくる。
いくつか当たってしまったがどちらも突進ほどの威力はないので隙を見てポーションを使えば死ぬことは無いはず。
このまま押し切れるか? と思った瞬間、グレートファングボアが何のアクションもなく急に走りだす。
それ自体が攻撃と言うわけでは無いらしく進行方向に誰もいないし何もない。
しかしこれでまた足止めからやり直しだ。だが、グレートファングボアのHPゲージは既に半分ほどなくなっている。・・・・・・たぶん次の接触で倒せるな
そんな事を思っているところにグレートファングボアがこちらに向かって突進してくる。
俺はそれをさっきと同様ギリギリまでひきつけてかわす。そのまま、反転して反撃しようと振り返った先にはさっき俺に突っ込んできたときより明らかにスピードが増してガーベラに突っ込む姿だった。
ガーベラの方は何とか突進をかわしたが今度も止まらずに次のターゲット、アークに突っ込んで行く。
アークはこれを空中に逃げることでかわす。
グレートファングボアはやはり止まる様子はなく寧ろさらにスピードをあげて俺のほうに突っ込んで来たので全力で回避行動を取る。
そんな攻防を10回ほど繰り替えしたところで異変が起きた。
グレートファングボアが急に止まり裏返ったのだ。しかも、息は絶え絶えで痙攣を起こしている様にも見える。――――――まあ、あんだけ走ったら疲れるだろうな・・・
ちなみに最後の突進なんかはとてつもないスピードでターゲットがアークじゃなかったら避けれなかったと思う。
俺達はこれ幸いにとグレートファングボアをたこ殴りにしていく。
『パッパラパッパッパー♪♪』
10分ぐらいすると大音量のファンファーレが鳴り響いた。・・・・・・結局倒し終わるまで無抵抗だったな・・・
ひとまずボスドロップの確認。
ボス単騎討伐ドロップ 【凶走薬】 レア度★★★★
効果:10分間スタミナが減らない代わりにその後10分間動けなくなる。
MVPドロップ 【大猪の魂】 レア度★★★★★
効果:突きの威力上昇の効果を与える(突きの動作中武器攻撃力が1.5倍)
なんと単騎討伐ドロップは消費アイテムだった。てかこの効果って明らかに最後の暴走モードのことだよな。
しかもMVPドロップがワイルドボアと同じってなんだかありがたみ無い・・・
ちなみに【凶走薬】のドロップ数は10個。・・・・・・これ10個いっきに使って100分間とかにならないかな? まあ、その後が大変だけど。
他のドロップは特に珍しいものはない。精々、スキル石が2つドロップしているくらいだ。
俺達はもうここに用が無いのでアークとガーベラを水晶に戻しエリアの中央に現れたゲートをくぐり始まりの町に帰還する。
始まりの町に帰還した俺はボス討伐のお祝いがてら調理をしようと思う。
東の林の攻略に要した時間はたったの1時間ほどで正直予定の時間を大幅に短縮してしまった。なので、調理で時間を潰しつつボス戦で減った空腹ゲージを回復させると言う名案をついさっき思いついたのだ。
メニューは当然、おにぎり。しかし、今度の具材はさっきの肉と一緒にシーチキンもどきも作ろうと思う。
食材はNPCの食材屋で買う。
そのとき、【町長お墨付きチケット】の効果だと思うのだが定員のおばさんが少し割引してくれた。
買い物から戻った俺は、早速宿屋のキッチンを借りて調理を開始する。
このゲームの調理は現実と違い調理器具に食材アイテムを入れて時間を設定するだけと言う簡単なものだ。
それに宿屋のキッチンは部屋さえ取っておけば誰でも自由に使用できる。現に今も女性プレーヤーが3人集まって料理教室みたいなものをしているようだし。
「さて、そろそろかな」
俺は炊き上がった白米に先ほど作った焼肉とシーチキンを入れのりで巻く。
出来栄えは、まあそこそこだろう。握る作業は自分でしなくてはならないのでさすがに綺麗な三角とまではいかないものの十分綺麗な部類に入るだろう。
「コール! 《アーク》《ガーベラ》」
作ったおにぎりを自分の部屋に持って帰りアークとガーベラを呼び出す。
二匹とも待ってましたと言わんばかりにおにぎりに食いつく。
一人分の数は焼肉が2つとシーチキンが1つで既に小分けにして二匹の前に置いてある。
しかし俺が新作のシーチキンを食べ終わるときには二匹の前に置いてあったおにぎりが全てなくなっていた。
しかも、二匹ともまだ口をつけていない俺の分のおにぎりを食い入るように見ている。
「・・・・・・はあー。分かったよ。ほれ、食べていいから」
そう言って、残りのおにぎりを二匹に渡す。幸い、俺の空腹ゲージは先の戦闘でそんなに減っていなかったのでおにぎり1個で十分だ。
そんなこんなで無事全員の食事が終わり時間も丁度良かったので今日は終わりにした。
【ヨヤ】 level 26
称号
《ラクシュミーの生まれ変わり》
《採掘マスター》
ステータス
Str 60
Vit 60
Agi 60
Dex 60
luc 273
divine gift
マモンの超運 0/2
weapon
青龍偃月刀【嵐】
skill (36)
【薙刀使い】
【強運】
【招き猫の加護(両手)】
【幸運の招き猫の加護】
【運気up(中)】
【ギフト使い】
【共振】
【採取】
【鑑定】
【武装転換】
(【調教】)
控え
【復元】
【採掘】
【農業】
【複製】
【隠しルートの見極め】
【食材の見極め】
【調合】
【調理】
このステータスに装備の分は入ってないです。
次から、第二章が始まります。




