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Divine Gift Online  作者: チャン太
第一章 スタートダッシュでスーパーラック
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第2話

 「ただいまー」

 「お帰りなさい、兄さん。 意外と遅かったですね」


 晴天の青空の下、路上のアスファルトからの照り返しと直射日光による熱線ビームを食らって汗を流しながら帰ってきた俺を迎えての第一声がそれである。

 しかし、心なしかいつもよりうきうきしているようだ。まったく、さすがにあれを持って帰るのは無理がある。


 「すまん、理沙。 がりごり君はさすがに無理だ、この暑さでは3分と持たない」

 「ええ、兄さん。この暑さでは、仕方がありません。ですが、集さんのところで何か貰いませんか?いえ、貰っているはずです」


 身内贔屓ではあるがうちの家族はみんな美女、美少女系ばかりである。この理沙も背が低く童顔であるもののさらさらの黒髪に少し知的なイメージが合わさってかなりの美少女だ。風子姉さんと凛子姉さんも二卵性の双子なので、顔立ちはそんなにそっくりではないが、どちらもかなりの美人だ。ただし、全員がなりのゲーマーであることと多少ブラコンがあるという点がみんなからはマイナスらしいが俺は一向に構わない。そう言う俺も、中性的な顔立ちのせいで、姉さん達や理沙と姉妹に間違われることが多々あるのだが。


 「悪い悪い、分かってるって。DGOのことだろ、ちゃんと持ってるから心配すんなって」

 「まったく、分かればいいんです分かれば。それならそうと、早く設定をやってしまいましょう。あれは、かなり時間を使いますから」


 俺は、理沙の指導のもと、スフィヤをパソコンに接続してゲームをインストール。さらに、スフィヤを付けて脳波と体のスキャンをする。この作業だけで午前中が終わってしまった。

 まあ、あとはアバターの細かい設定のみなので休憩がてら昼飯を作りに一階に降りていく。ちなみに理沙は、料理だけは、壊滅的にできない。一度チャーハンを作ってもらったことがあったが、なんと言うかすっぱかった。しかも、腹痛で2日間寝込んだのだ。それ以来、理沙には料理だけは作らせていない。

 ちなみに昼飯は、そうめんにする。まあ、暑いし面倒になったからだ。

 そんな、昼飯の席で俺は理沙からDGOについての説明を受けた。


 「ところで兄さんは、どんな武器を使うつもりですか?」

 「う~ん、そうだな。たとえばどんな武器があるんだ?」

 「ああ、まだ何も知らないんですか。わかりました、私が簡単に説明してあげましょう」

 「お、おう。ありがと」


 理沙は、えっへん! と胸を張って偉そうにしている。そんな、仕草もかなり可愛い。・・・・・・俺ってもしかしてシスコンなのかもしれない。


 「まず武器からですが、大体の武器はあります。ですが、私的には、双剣かランスをお勧めします。双剣は威力こそありませんが、動きが多彩で攻防どちらも安定しています。ランスに関しては、威力もそこそこあり盾が使えると言うのが大きいですかね」


 βテスターの理沙が言うのだから間違いはないのだろう。しかし、どうせやるなら他の奴とは違う方が良い。


 「ふーん。それ以外になんかあるか」

 「逆に止めておいたほうが良い武器は薙刀とナイフですかね。薙刀は当たり判定がおかしいです。しっかり先端の刃先に当てないとまとまったダメージが入りません。ナイフはスピード重視のかなりネックの強い武器ですね。結構気の遠くなるような数モンスターに攻撃しなければならないので集中の続かない兄さんには無理です。まあ、他の武器はサイトを見ればわかりますのでそちらを見て選んでください」

 

 こ、こいつ、絶対後半のほうでめんどくさくなったな。でも、薙刀は面白そうだなちょっとした縛りプレイみたいな。

 

 「あとは、スキルについてですが。スキルとは、ゲームを楽しく遊ぶためのアシスト機能です。たとえば、敵の攻撃がどこから来るのかが知りたければ見切りと言うスキルがあります。これは、敵の攻撃の軌道が赤いラインになって見えるというスキルです。このようなスキルを使ってゲームをより楽しくするのです。それと、スキルは10個までしか持てませんのでしっかり考えて選んでください。これも、サイトに一覧が載っているのでそちらを見ておけばいいでしょう」

 「ああ、わかった。因みに理沙はどんなスキルを取ってたんだ?」

 「ええっとですね。βテストからは所持金以外はすべて初期化されるのですが。私は、双剣使い、見切り、攻撃力up小、俊敏性up小、HP上昇小、切れ味、根性、刃物攻撃力up、ステップ、ジャンプを取りました」

 「あーなんかあれだな。斬って斬って切りまくれ見たいな感じか?」

 

 攻撃特化で、攻撃は最大の防御なりみたいな

  

 「まあ、大体そんな感じです」


 理沙は、おとなしい見た目の割りにゲームでは攻撃特化の職業を選びたがる。


 「たしか、ギフトってあっただろ。一人一個貰えるやつ。あれはなんなんだ」


 ギフトは、プレイヤーの生命線だと集が言っていた気がする。


 「ギフトは、兄さんも知っての通り一人一つしか持てません。ちなみにギフトには消費型と回数型の二種類がありまして、消費型がMPを消費すれば何度でも使えるギフトで、回数型が読んで字のごとく使える回数が決まっているギフトですね。基本的に消費型より回数型のギフトのほうが強いですかね」


 消費型は気軽に使えそうだけど、回数型は使いどころを間違えると結構きつそうだな。


 「そうなのか、ちなみに理沙はどんなギフトを使ってたんだ」

 「そんな大した事ないギフトですよ。死に損ないって言うどんな攻撃でも1だけ残るギフトですから、ちなみに根性と被りました」


 スキルとギフトが被るって結構最悪だな。とりあえず俺のギフトがスキルと被らない事を祈ろう。しかも、ギフトは途中で変えられないようだし。


 「で、まあ、説明はこんな感じです。ギフトは始まりの町にある7つの教会のどれかに行けば貰えますのでログインしたら忘れずに行くこと、いいですね」

 「ああ、わかったよ。ありがと理沙」


 俺は、理沙に礼を言ってとりあえず誰ともスキルが被らないようにしようと、心に決めた。

 それからすぐ、部屋に戻りアバターの髪型と瞳の色だけいじって攻略サイトで武器とスキルをチェックする。・・・・・・んー思ってたより結構あるな。そう思いβテスターのスレを見ると人気の武器とスキルのランキングが載っていたのでその上位を避けてスキルを選んでいく。

 ・・・・・・よし、これに決めた。

  

 「兄さん、晩御飯ができたので早く降りてきてください」

 「ああ、今行く」


 いつの間にか、母さんが帰ってきていたらしい。

 

 そして、夕飯を食べた俺は、明日に備えて今日は早めに寝た。

 

 

 



 

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