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242  作者: Nora_
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「好き……しゅき……しゅきぃ」


 もう起きなければいけない時間なのにまた唐突にやって来た日向のせいで起きられないでいた。

 それより好きとはどこから出てきてどういう類のものなのか、やはり紫月の妹ということで期待されてしまっているのだろうか。

 だが現実は残酷だ、紫月みたいには絶対にならない。


「うわ……あんた寝ているゆうになにをしているのよ」


 お家に上げたのは紫月か七月か、それでもここまでやるとは誰も考えつかないだろう。


「うわ!? も、もういきなり入ってくるのはやめてくださいよ!」

「いや、ゆうからしたらあんたの方がそうでしょ。つかやっぱりゆうが本命だったんじゃない」


 告白をされた側としてはどれぐらいそこに気持ちが込められているのかわかるのかもしれない。


「ぎっ、あっ、わ、私は確かに紫月さんが好きでしたけど……?」

「はい嘘ね、なんで本命に告白をしないであたしに告白をしてきたの?」


 ここで聞くことではない、素直に吐いたりしない。


「それは……受け入れてもらえないと思ったからです。でも、なんかゆうも私といられる時間を気に入ってくれているみたいですし……安心したら今度は止まらなくなってしまいました」

「え、吐くの?」


 そういえば最初のとき萌木に対してもこうだったか。

 あまりに自然すぎてついつい起きてしまった、だからこちらを見ていた日向の顔がどんどんと赤くなってそのまま後ろに倒れそうになったのをなんとか抱きかかえることができた。


「あ、あんた起きて……?」

「起きた」

「そうじゃなくてっ、さっきの聞いていたってこと!?」

「『好き……しゅき……しゅきぃ』から」


 流石にそこまで言われたらなにも影響を受けないなんて無理だ。


「ぎゃ、ん!?」

「心配しなくていい、そこまで熱烈に求められたら応えるしかない。元々僕は日向のことが気になっていた状態だったんだから寧ろありがたいぐらい」


 これ以上は七月に怒られてしまうからこの前みたいに手で押さえて止めるしかなかった。

 言葉だけでは足りないかもしれないからついでに抱きしめておく、おおこんな感じかと今回も盛り上がっていた。


「はは、ゆうもちゃっかりしているわねーそうだ、今日はあたしが家事をするから朝はゆっくりしなさい」

「ありがと、今日はお願いする」

「任せなさーい」


 起きた瞬間からここまでゆっくりできるのは久しぶりだ。


「す、好きだから」

「ん」


 この好きには効果があった。

 とはいえ逃げたいほどではないから完全に気持ちが理解できるまでには時間がかかりそうだ。


「だからいまからは関係が変わったってことで……いい?」

「日向がいいなら」

「あ、でも、偽物とはいえ他の人に告白をしたばかりだけど……」

「気にしなくていい、僕は寛容な人間」

「はは、自分で言ったらおしまいだよ」


 実際にそうだからそう答えるしかなかっただけでしかない。


「でも、ありがとう」

「ん」


 これで紫月に言葉で刺されることもないだろうから朝から気分がよかった。

 ただ寝ている時間を狙われるのは少し怖いからちゃんと起きているときに来てほしかった。

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