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恨みは水に流してあげる。一人目 三浦澪 その後


「なんて事してくれるのよ!ここから出せー出しやがれ〜」


 椅子に座りテーブルで勉強しながら騒ぐ死んだはずのみお、なぜに騒ぐのか?


 それは身体からみおの魂が抜けようとしたのを私が無理やりとどめさせたから、しばらくは醜くなっていく自分を見て反省しなさい。ざまぁ!


「お前さん、あの女騒いでおるぞ。なんか言ってやらんのか」


 煩そうにするミズチさん。

 ヘビは耳がないらしいが、代わりに振動や低周波の空気の振動を皮膚で感知するらしい。もしかしたらメッチャ煩いのかも。

 

 それは申し訳ないことをした。


「はぁ~もう。仕方ないな〜。今考えごとしていたのに〜」

 

 私は嫌々みおに話しかけることにした。


みお静かに勉強しなよ」

「ふざけんな!こんな時に勉強しているれるか!」

「う〜んもう、みおはいつもこのくらいの時間は勉強しているって言ってたじゃん」

「死んだら勉強しても意味ないわよ!」

「アハハッ、それもそうね!」

「あんた笑いごとじゃないわよ!バカなの!」



 …………ムカッ!

 私は無言でみおの身体に水を操作。



「あわ!?アババババババ」

 みおは倍ほどの大きさに膨らみまともの喋ることが出来なくなった。ざまぁ。




「お前さん、この後はどうする?」

 ミズチさんに言われ私は即答する。

「ん?そんなの決まっているでしょ。恨みを晴らすわよ!まだまだこんなもんじゃないんだから〜」

 

 私の殺る気はマンマンなのだ!



 みおに恨みを晴らしてから私とミズチさんは一度神社の池に戻った。ミズチさんにもらった力はこの池に関係しているらしく。今は回復中、私は池に仰向けになってプカプカと浮いていた。



「ねぇ〜ミズチさん、私がまた力が使えるようになるのにどのくらい時間がかかりそうかな?」


「あ〜そうだな。三日くらい休んでいたほうが良い」

「えーー!?うそ!そんなに!」

 私は驚き上半身を上げ水の上に座る。


「はぁ〜なにを驚いておるか、バカもん、あれだけ一気に力を使ったのだ。そのくらいは休まんか」


 ミズチさんが呆れてる。なんで?

 ま〜怒られてないからいいけど。


「私なんかやったんでしたっけ?」

 あれ?まったく身に覚えがないけど。


「初めてであれだけ水の力を使っておいて、あっけらかんとしていられるのは大したものだな。普通は疲弊してやる気も出んくなるが、だが問題は、あそこまでやるとは、お前さん結構エグいな」


 私は言われて思い出す。


「あ〜ミズチさんが言っていること分かった!」


 私はみおに呪いをかけた。

 必ず学校に行く呪いを。

 え?学校に行くのが呪い?

 えーそんなの大したことないじゃん。

 きっとそう言う人もいるだろう。


 でも、今頃きっと、ムフッ、ムフフフ。

 みおちゃんガンバ!アハッ。


 私はみおの姿を想像しニヤけて笑った。





三浦澪みおの視点



 うっうっうっ………

 行きたくない!行きたくない!

 行きたくないのに身体が勝手にー!


 私は陽葵ひまりの呪いで学校に来てしまった。

 今は校門を入るところ。



 ヒソヒソと周りの人が私を見て何か言っている。

 

(えーなにアレ、キモ!)

(どうやったらあんなに太れるわけ、あり得ないわ)


(お腹丸出しじゃん!恥ずかしくないのかな〜)

(バカ!アレで恥ずかしくない人なんていないわよ)


 

 うっうっうっ………

 聴こえないけど想像がつく。

 みんな私の姿を見て笑っているんだ!


 今の私の姿は元の三倍ほどに膨れ上がっており、当然そうなると制服はパンパン、セーラー服のトップスが胸の辺りまで捲れ上がりお腹と背中が丸出し、腕と脚なんて丸太みたいに太くって曲げられやしない。それにそれに、顔なんてリスが頬にクルミを入れてるみたいにパンパンよ!全然可愛くない!



「あれ?もしかしてみお

 後ろから声をかけられて私はビクッとする。

 この声、振り返らなくても分かるこの声は……


 私の大好きな蓮くん!


 声をかけられたことがつい嬉しくなって、今の姿を忘れ勢いよく振り返り言った。



「あぽー」


 私は膨れ上がりまともに喋れなかった。

 いやぁーーーーーーん!私は死んだ。

 

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