表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏路地  作者: 珠雷
9/9

9件 プチ作戦会議

〈登場人物〉

アイラ

青崎あおざき 蒼汰そうた

七沢ななさわ 大翔はると

赤木あかき ひびき

橋本はしもと げん

リーサ・ブラウン


珍しく長いお話になっていますが暖かい目で読んでくだされば幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ

表社会と裏社会を行き来する日々が続くアイラ。

今日も今日とで小道を抜けて表に顔を出す。


昨日は駅前の看板まで行ったが、運よく出会った市役所の観光案内課に所属する、

白井しらい亮太りょうたに教わった通りの道をアイラは軽い足取りで進んだ。


「今日は蒼汰とどんなこと話そうかな~」


そんな事を口にしながら警察署前まで歩く事10分。

辿り着いた警察署はまだ朝方という事もあってか電気の付いた部屋の数が少なかった。

そのことまで確認すると中に入る蒼汰。


(警察署の中に入るのは、はじめましての時以来…かな?)


そう思いながら警察署の受付までグルグル辺りを見渡しながら受付に向かって歩く。

その姿を不思議そうに見つめる受付の警察官にアイラは元気よく質問をする。


「犯罪対策課の青崎蒼汰はいる?」


そう言いながらラーメン屋で渡された時の蒼汰の名刺をポケットから取り出すアイラ。

警官は驚きながらも〈少々お待ちください〉と言って裏へと消えた。


暇そうに腕を受付に乗せながら蒼汰を待つ。

鼻歌を歌い始めた頃、


「いくら予告されたとはいえ、朝の5時に来る人。アイラさんくらいですよ」


そう言って出てきたのは、まだ眠そうに目をこする蒼汰だった。

アイラは嬉しそうに笑顔で


「いやぁ~ せっかく会うなら早いうちの方がいいかと思って!」

「〈楽しみ過ぎて早く着いちゃった☆〉みたいな彼女のノリやめてください」


ながれるようにアイラの先のセリフを予想する蒼汰に軽く戸惑いながらもアイラは思った事を聞く


「というか、まだいないだろうと思って来たのになんでこんな時間からいるの?」

「いないと分かっているのに来ないでください。受付の後輩も驚いていたので……今日は3時から7時までの夜勤だったんです」

「チェッ~ 蒼汰の事脅かしたかった~」

「また次の機会に挑戦してください」


そう軽く煽ると蒼汰は一度裏に戻ってから上着と鍵の束を持ってまた出てきた。

上着を羽織ると、束を指で回しながら歩き出した。

〈どうすればいいの~?〉とアイラが慌てているのに横目で気づいた蒼汰が溜息をした後。

アイラの方を向き。


「暖かい部屋でプチ作戦会議なんてどうですか?」


その言葉に目を輝かせながら蒼汰について行くアイラ

その後ろ姿をとある人物たちが見つめていた…


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


『第一会議室』と書かれた部屋に入る2人。

入り口付近の電気を2つ3つ点けると、椅子に腰かける蒼汰。

アイラもそれにみならい同じような行動をする。


「自分で言っておいて申し訳ないのですが、何か話したい内容とかありますか?」

「――これさ蒼汰にお願いしたい事なんだけど……」

「自分にできる事なんて限られますけど…できる事ならやりましょう。なんですか?」


そう聞くとアイラは一枚の紙を取り出した。

白い紙に黒と赤のペンで書かれたその内容とは……


「――これは?」

「俺さ チームを組むのなんて初めてだし、リーダーなるのも当然初めてなんだよ。だから~」


そう言いながら紙の上の方を指さして説明を始める。


――数十分後――


その説明を聞いた蒼汰は片手で顔を覆いながらため息をついた。

その対応にアイラはショボンと下を向く。

だが、そのあと蒼汰は突然笑い始めたのだ。

ビクッと肩を揺らすアイラ。


顔から手を離した蒼汰は、ジロッと軽く引いたアイラを見るといつも通り。

低めのトーンで


「すみません 取り乱しました」


そう声を出すと、スッと立ち上がり入ってきたドアの前に立ち深呼吸をした後。

静かに、ドアを開けた。


「うをっと!?」


驚いたアイラは椅子から落ちかけながらもなんとかバランス感覚を生かして元の態勢に戻る。

そうして、もう一度ドアの外にいる人の顔を見つめる。

すると 笑顔で蒼汰に


「なんで…みんないるの?」

「早いうちから集まった方がいいかと思いまして。元々今日集合してもらっていたんです。

そうしたら、アイラさんの方から彼らの話を出していただけたので今だと思い、出てきてもらったまでです」


そう淡々と話す蒼汰に丸い目を向ける。

理解の遅いアイラに呆れた蒼汰は、廊下にいる全員に手招きをしながら


「入ってきてください」


と声を掛けたのだ。

アイラはやっと動き出し、デスクに並ぶ椅子に次々と座っていくチームを1人1人見つめていく。


「刑務所に入ってた人には手錠付けてるんだ」

「はい いくら警察署内と言っても前回のように抜け出す奴もいるので」


そう言うとアイラは静かに橋本はしもとげんの方を向いた。

源は視線を感じて目を合わせないようにと他の方を向く。

アイラは気持ちを切り替えて他の人達にも話しかけに行く。


「あれ?盗人さんは刑務所での気持ちの整理はできてここにいるの?」

「別に心の整理なんか必要じゃねぇよ。ただ慣れちまった事から抜けるために時間が欲しかっただけだ」


そう言うと笑顔でみんなの前に立ったアイラは1人ずつ丁寧にプリントとペンを置いていく。

配り終えると、説明を始める蒼汰。


「今アイラさんが配ったものが警察からの契約書です。大切にしていただきたいのは大きく分けて2つ。

1つは、アイラさんの指示に従って欲しいという事。

もう1つは、犯罪行為をアイラさんの指示以外で行った場合契約違反とさせていただく事。

主にこの2点です。逆にこれ以外何をしてもいいという内容になっています」


そう話し終えるとまた椅子に座って全員がサインするのを待った。

ふと、蒼汰が全員の事を見つめると1人。一向にペンを持たない人物がいた。それは橋本源だった。

アイラが動こうとしたその時、〈アイラさん〉と蒼汰が呼び止めた。


アイラが立ち止まり蒼汰の見つめる方向を同じように見ると、源は誰かと話していたのだ。


「な、なに」

「いや まだ書かないのかな~って思って」

「――そう言うアンタは…ってキッタネェ日本語だな」

「私は日本人じゃないからね仕方ないんだよ~ そういう君はきれいなの?日本語」

「まぁそこそこは……」

「えー ホントー?」


煽ったような口調で続ける女にムカついた源は


「ホントだわ!」


と言いながらサインの欄に名前を書く。

女は〈やっとかいた~〉と嬉しそうにガッツポーズをしているが、そんな顔を見て源は


「のってやったんだ 調子に乗るなよ?」


そうドヤ顔を決めようとする源を無視して女はサインした紙をヒラヒラと掲げながら蒼汰に向かって


「青崎さーん この人やっと書きましたー」

「はい ありがとうございます」


そう雰囲気を壊す女の紙を覗く源。その女とは、リーサ・ブラウンだった。


そんなどこかまとまりのない空気のまま。また別の席では会話が始まっていた。


「へぇ~ 同じ30代の人に出会えるとは思ってませんでした」

「それは俺もだな」

「しかも 茶髪に染めてるー!」

「行きつけの美容室が刑務所入る前までは2ヶ月に1度は通ってたんだ」

「へぇ~ それはウチも行きたいですね!」

「今度行ってみるか?」


そんな大人な会話が続く部屋の片隅。

それぞれ個性豊かな中でもアイラは取り仕切るために、立ち上がり、話を始めた。


「みんな仲良くなれているようで何より!それじゃ早速俺たちが住む場所に行こうか!」

「――!?」


そんなぶっ飛んだ話にみんなが耳を疑う中で蒼汰だけが口を抑えて笑いを堪えていた。

星宮さんだけ登場させられなかったのが心残りです


『豆知識』

七沢大翔・・・38歳

赤木響・・・32歳


というのが歳年長組です。

――次回予告

次回10話目(10件目)は毎作品恒例 みんなについての回になります。

今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ