ジャスティウイングの運命(11)
研究所の内部は曇り空のせいか薄暗く、電気をつける必要があった。
「天沢博士はほとんどの時間をこの研究所の中で生活しており、小野寺博士とはテレビ電話でやりとりしていました」
奏は天沢従道博士の状況を説明した。
「どうして不便な山中に研究の拠点にしたんだ」
創は研究所の廊下を歩きながら愚痴をこぼした。
「さぁ……天沢博士の考えてることはわかりません」
「親父は昔から秘密主義だったからな」
創はそう吐き捨てながら父親のことを思った。
創と奏は従道が使用していたとみられる書斎に入った。
書斎の使い込まれた机には資料らしき書類や本が積み重なっていた。
創は何気なく書類の一つに手を取った。レポートらしき文章と遺跡の内部で撮影されたらしき従道と伊織の記念写真があった。
「バードピア文明の遺構? 親父は一体何を研究してたんだ」
創は書類をそっと机に戻した。
一方、奏は本棚を調べていた。何冊か手にとっては元の場所に戻していった。
「……厚みの割には不自然に軽い」
奏が手に取った洋書に奇妙な特徴があった。奏は意を決し本の中身を調べるために本を開けた。
「……これは!」
本の中身は空洞で、中には小さな鍵が入ってあった!
「この鍵の使い道は?」
奏は書斎を一通り見渡した。机の引き出しだ。下から2番目の引き出しには小さな鍵がはまりそうな鍵穴があった。
奏は鍵穴に小さな鍵を入れて解錠を試みた。すると、ゴトゴトと音を立てて本棚が動き出し、隠された扉が現れた。
「これは隠し扉……なんのために親父はこんなものを用意した?」
現れた隠し扉を見て、創をは驚いた。
「隠し扉の中には何があるのでしょうか?」
創と奏は恐る恐る隠し扉の向こう側へ向かった。




