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へ〜とちょっと唸ってしまった鉄野郎と定吉。
人ってわからないもんだなぁと驚いてもいた。
わからないといえば、このおっちゃんのフルネームも知らなかった。
「え〜っと、それで、おもろい話って?」
定吉が痺れを切らしたようだ。
おっちゃんの身の上話よりもおもろい話のほうを聞きたい。
そのために待っていたのだから。
おっちゃんの悲しい話を聞きにきたんじゃないよ。
「おぉ、そうだったな•••」
ここでウェイトレスがコーヒーを運んできたので話は一時ストップ。
「それで•••」
ウェイトレスが下がったので定吉が先を促す。
鉄野郎はウェイトレスの後ろ姿を見送った。
若いね。
かわいいね。
こんな所でアイドル発見。
「実はな•••」
中華人民共和国に中国柘榴会という世界的に展開している企業グループがある。
不動産、携帯電話など多岐に渡る業種を抱えている企業グループ。
その中心には中国柘榴銀行がある。
そして直径の子会社で日本にある株式会社クイックというサラ金がある。
そこで人を集めている。
裏の世界でのギャンブル場「シーブレス(海の息吹)」に参加する人員だ。
非合法ギャンブル場なので極秘に参加者を集めているようだ。
ギャンブル場「シーブレス」への参加するメンバーは借金だらけの者たちがほとんどだ。
当たれば億の金額も夢ではない。
一攫千金を目指して人生大逆転も可能だ。
シーブレスとしては、わざわざこんな違法なギャンブル場を遊びで運営してるわけではない。
出場者は自分が勝てば大金を手にすることができる。
その出場者たちの中で誰が生き残って勝つかに賭けるお客さんたちがいる。
基本的には世界中にいる富裕層と呼ばれる人種だ。
この賭けによってシーブレスは多大な収益を生んでいる。
日本の司法は噂としては耳にしている。
ただ中国の世界的企業グループ、そして世界にいる権力者も含まれている富裕層に対しては腰が引けている。
限りなく関わり合いになりたくないというのが本音だ。




