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2-3

「そりゃ、なんです?」


「先にな•••そうだな•••あっ、北口にルノアールがあるだろ。

先に行っといてくれ。

後から行く」


ここでの話はそれだけ。

鉄野郎と定吉も金はないし、どうせ暇だ。

そのおもろい話ってのを聞く時間はたっぷりある。


じゃ、向こうで待ってると店を出た2人。

おもろい話って突然に言われたってたいして期待もしてない。

どうせあそこの店が出玉解放とか競馬でのオカルト必勝法とかそんなもんだろ程度だとしか思ってなかった。

まぁ、本当に暇つぶしだ。


ルノアールは喫茶店ではあるがちょっとした商談やミーティングに利用されることもある。

他のカフェと比べると落ちついて話がしやすい造りになっている。


7分ほど待ってると北川のおっちゃんがやって来た。


「おぉ、待たせたな。

まぁ、なんだな、おまえらシケたツラしてんな。

どうせ今日も負けたか?」


北川のおっちゃんは言いたい放題でニヤついてる。

いつものことだ。

それに負けたのもズボし。

返す言葉はない。


ウェイトレスが注文を取りにきたので話は中断。

タイミングとしてはちょうど良かった。

並んで座っている鉄野郎たちは無言でいられた。


「それで、おもろい話というのは?」


切り出したのは鉄野郎。

しょ〜もない内容だとする確率が高い。

そう思っていた。


「その前に、おまえら借金はあるか?

俺はある。

1,200万。

残り1,200万円」


「えっ、そんなに?

それって、まさかギャンブルで?」


自分の6倍くらいの借金か。

鉄野郎はマジマジとおっちゃんを見た。

ニヤリとした顔が見返してきた。


「いや、違う。

事業の失敗だ。

広告代理店を経営してたんだがな赤字経営になって倒産。

持ち家を売却したりして精算。

ついでに離婚もして借金だらけ。

なんとか1,200万まで減らせた」


「減らせたってことは、おっちゃんには、その•••収入があるってことか?」


「あぁ、高円寺っていうか新高円寺駅の近くでバーをやってる。

小さい店だが収入はある」



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