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久遠鉄野郎くおんてつやろうの朝は早い。

一般的には普通だろうがギャンブラーとしては規則正しい生活をしている。

珍しいことかもしれない。


朝7時16分。

インスタントコーヒーと昨夜買っておいたカレーパンでの朝食。

平日の火曜の朝。

今日は仕事が休み。

週に2日と3日の夜間施設警備の仕事をしている。

正社員ではなく契約社員だ。

池袋での常駐警備で月収206,000円。

これに交通費などを加えて22万円ほど。


鉄野郎にとってはこれで不満はない。

一定の収入を確保しつつ自由に使える時間も多い。

その時間こそギャンブルのためのものだ。


鉄野郎がギャンブルに目覚めたのは大学生の時。

都内にある中堅どころの大学で2年生の時だ。

1浪していたのでこの時は20歳になっていたはずだ。


鉄野郎はサークルに入っていた。

大学生になったからにはサークルくらい入るだろうと思いこんでいた。

新入生を我がクラブへとの勧誘にのって入部したのが投資研究会。

投資っていったってよくわからないし興味があるわけでもなかった。

入部したきっかけは声をかけてくれた女子部員(3年生の先輩だった)がかわいかったからだ。

その程度の理由だ。

でもかわいらしい女の人とは知り合いになりたいじゃない。

これって、これこそが男子のさがやねん。

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